米国消費者物価の今後を予測。FRBの金融緩和どうなる?(2)
トウシル / 2021年2月25日 5時10分
![米国消費者物価の今後を予測。FRBの金融緩和どうなる?(2)](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushiru/toushiru_31064_0-small.jpg)
米国消費者物価の今後を予測。FRBの金融緩和どうなる?(2)
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消費者物価指数予測:4月、5月、6月に2%超、コア指数は5月に2%
商品価格が大幅に上昇し、インフレ懸念の声が出てきています。これに伴い、米国における長期金利もじわりと上昇してきていますが、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長は「物価上昇の圧力が強まる可能性はあるが、一時的だ」というコメントをしています。
現在、世界的に大規模な金融緩和が行われていますが、今後の動向は物価の動向によっても左右されます。本当に物価上昇は一時的なもので終わるのか、米国の消費者物価指数とPCEデフレータについて予測をしていきたいと思います。
まずは、消費者物価指数についてみていきましょう。直近の2021年1月の数値は前年同月比+1.4%、コア指数で+1.4%となっています。
米国消費者物価の推移(2019年1月~2021年1月)
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/3/3/-/img_335768efd0bd3bc5878f1d0eba3418bd29537.png)
今後の予測をしてみましょう。予測する上では単純化し、食品・エネルギーを除いたコア指数の直近値である年率1.4%で上昇していくものと仮定します。また、本来であれば季節調整をすべきですが、ここでは季節調整はしないものとします。
今後の予測は次のようになります。
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/b/4/-/img_b481c9647aaca62619bb7445fc9b64b045910.png)
消費者物価指数で4月、5月、6月に2%を超える値に、コア指数で5月に2%の値となっています。
PCEデフレータ予測:PCEデフレータ、コア指数ともに4月、5月に2%超
次に、FRBがより重視していると言われているPCEデフレータをみていきましょう。直近の2020年12月の数値は前年同月比+1.3%、コア指数で+1.5%となっています。
米国PCEデフレータの推移(2019年1月~2020年12月)
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/4/3/-/img_4399f5daef30a433671f6da5c8a763b524061.png)
今後の予測において、コア指数の直近値である年率1.5%で上昇していくものと仮定します。また、季節調整はしないものとします。
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/5/8/-/img_5864271c5517df1ee2776c292e7f51b737752.png)
PCEデフレータ、コア指数ともに4月、5月に2%を超える値となっています。
貴金属や穀物の商品価格は上昇継続、1月の生産者物価指数は前月比+1.3%
この予測を見ると、消費者物価指数、PCEデフレータともに4月、5月に2%を超えたとしても、7月にはいずれも2%以下となっているため、物価上昇は一時的なようにも見えます。ただし、足もとでは銅、アルミニウムの貴金属、原油、小麦、大豆、とうもろこしといった穀物の商品価格の上昇が止まらず、2月に入っても上昇を続けています。
ダウ・ジョーンズ・コモディティ指数の推移(2019年1月~2021年2月)
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/0/5/-/img_05d51436c6ec57761a6b0592e6b65e6726948.png)
もう1つ、消費者物価指数の先行指数と言われている生産者物価指数もみておきましょう。
米国生産者物価の推移(2019年1月~2021年1月)
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/4/4/-/img_44a0209a885fdcbb62b88fab3c2a623133005.png)
1月の数値は前月比+1.3%となっていて、今後の消費者物価指数の上昇を予想させるものとなっています。
パウエルFRB議長は、1月に「テーパリング(量的緩和策における金融資産の買い入れ額を徐々に減らしていくこと)について話しをするのは時期尚早。必要な時期がくれば事前に周知する」、2月10日には「物価上昇はあっても一時的だ」とコメントしています。このことが、量的緩和は続くとの見方をもたらし、さらなる商品価格の上昇、米国長期金利の上昇につながっているようにみえます。
実際に物価が上昇してきたときに、事前に周知する期間は本当にあるのか、そのときでも一時的と言い続けているかもと考えると、結果としてFRBの対応が後手後手に回ってしまい、度を超えた物価上昇と、金利の上昇を招いてしまう可能性もあるのではとみています。
いずれにしても、米国の物価動向、長期金利の動向についての注目が高まってきているので、物価上昇が一時的なものになるのか、引き続き注視していきたいところです。
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(白石 定之)
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