日経平均、メジャーSQ前の大きな下落は個別株買いのチャンス
トウシル / 2021年3月8日 15時5分
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日経平均、メジャーSQ前の大きな下落は個別株買いのチャンス
今週の予想
3月彼岸底の一つの買いポイントで、メジャーSQ前に大きな下げあれば注目
先週は先々週に続き、長期金利が上昇する基調を背景に、日米ともに株価は荒い値動きになりました。
金利上昇に一服感が出た場合は、買いが入って株価は反発しましたが、今週も同じような局面が続くと思われます。そして、新型コロナ対策から米国景気の回復期待が高まれば、長期金利の押し上げ要因となって、割高株であるハイテク株から債券に資金を移す動きが再び出れば、株価は下落となります。
日経平均株価は、2月末に▲1,202円の急落後、これまでは翌日に切り返していたものの、今回は、3月4日(木)に再び▲628円と崩れ、一時2万8,711円まで下げました。
日足チャートの25日移動平均線(4日時点2万9,292円)を割り込み、翌日の5日(金)は2万8,308円まで下げて、終値は2万8,864円と荒い動きとなりました。
これまでの動きと少し変わり、先週述べた3月彼岸底のアノマリー(経験則)に当てはまる可能性もあります。
長期金利の上昇の影響を受けているナスダック平均株価は、2月16日(火)に史上最高値1万4,175ポイントをつけたものの、その後、22日(月)に25日移動平均線を割り込み、3月4日(木)には、▲274ポイントの1万2,723ポイントと、柴田罫線(チャート)で三尊天井からの売り転換となりました、一般的なチャートからも柴田罫線からも「調整入り」が漂うところとなっています。
2月節分天井から3月彼岸底の動きを見る限り、このところ日米ともに値動きが荒くなってきています。
今週12日(金)にメジャーSQ(特別清算指数)があり、米国でもSQが19日(金)に到来し、16~17日のFOMC(米連邦公開市場委員会)、18~19日の日銀金融政策決定会合と重要イベントが続きます。
お彼岸(17~23日)まで荒い相場が続く可能性がありますが、先週述べましたように、4月新年度相場を期待すれば、3月下旬までの間に調整安をつける可能性は高いと思われます。
この流れの中で買った株が上昇すれば、5月のゴールデンウイーク前の4月末にいったん手じまうのがよいかもしれません。
今週の指標:日経平均株価
今週の日経平均は、終値で再度2万8,308円を切った場合、もう一段下げがあるかもしれません。
12日のメジャーSQに向かっては売り仕掛けが出てくる可能性もありますので、下げれば個別株も買いチャンスです。
そして引き続き、米長期金利の上昇に注目となります。
まず、週始めは先週末発表の2月米雇用統計が予想を上回る結果となったのを受け、株価が大幅反発となったことで、この上昇を日経平均は、織り込む動きからスタートすることになります。
その後はメジャーSQを前にこう着感を強め、荒い動きとなる可能性があります。
週後半は、2月の米国CPI(消費者物価指数)が発表され、インフレ懸念からの長期金利の上昇が注目となっており、日米のメジャーSQと絡まって株価の下落が考えられるところです。
5日(金)に2万8,308円まで下げており、次は2万8,000円水準、2万7,500円水準が下げた場合の下値ポイントとなります。
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今週の指標:NYダウ平均株価
高値圏でのもみあいとなっています。
今週も引き続き、長期金利の上昇が注目となります。長期金利の上昇はハイテク株のコストに影響し、ハイテク株を売って債券への乗り換えが繰り返されると、さらなるハイテク株売りへとつながります。
ナスダックのチャートは、三尊天井を作っての売り転換となって、すでに22日に25日移動平均線を割り込んでおり、「調整入り」を示しています。さらに100日移動平均線を完全に下回れば、さらに下げが加速化し、そうなるとNYダウも一段安となってきます。1月29日の2万9,856ドルを守れるかどうかが注目となります。
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今週の指標:ドル/円
今週もドルは底堅く、金利高継続の可能性
米長期金利の上昇は、維持されており、ECB(欧州中央銀行)の金融政策をめぐる思惑でユーロ売り・ドル買いとなれば、ドル/円も円売り・ドル買いが強まる可能性もあります。
FRB(米連邦準備制度理事会)は長期金利の一定の上昇を容認する姿勢を示しており、米株がさえない動きとなってもドル買いは縮小せず、1ドル=108円台での取引が多くなるとの見方が多いようです。
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先週の結果
2万9,500円半ばまで回復するも、米長期金利の再上昇で一時2万8,308円まで急落
先週の予測では、2月末の26日(金)に日経平均が▲1,202円の2万8,966円の急落を受けて、3月相場はどうなるのかを考えました。すでに今年の1月後半から日米ともに上昇のスピードが早く、どこで止まるかのキッカケ待ちとしました。これまでにキッカケはあったのですが、弱気材料を無視しての上昇でしたので、市場関係者は「もうはまだなり」と強気のスタンスがほとんどでした。私は、ここからは「節分天井、彼岸底」つまり「2月天井、3月底」となる可能性を想定し、その理由は先週のコメントの中で書きました。
問題は、個別銘柄をどこまで待って買えばいいのかとなりますが、基本的に今のカネ余り相場では、大きく下げても上昇相場が崩れるような下げとはならないので、日経平均の高値3万円水準から7~8%の下げの、いったん止まりそうなところで個別株を買い下がっていくのがよい、さらにピンポイントを狙うのは、名人でも不可能なので、日経平均の下げに応じて、そこまで下がれば成り行きで買う(またはいくらで買うか指値しておくなど)準備しておくのがよいとしました。
日経平均がいったん止まるところは500円、1,000円の大台近辺になりやすいので、ここからなら2万8,500円、2万8,000円、2万7,500円と3段階のポイントとしました。
そう考えれば、4日の▲628円の2万8,930円で柴田罫線に1回目の売り転換が出ており、5日は前場に▲621円の2万8,308円まで下げましたので、2万8,500円水準で買うとすれば、一つ目は前場の終値か、後場の寄り付きで買うことになりました。このときに決断を逃せば、この日は後場、一気に戻して▲65円の2万8,864円で引けてしまいました。
私は、もう少し下で止まって、12日のメジャーSQに向かって、もう一段下げれば2回目の買いができると思っていました。5日後場に下げ幅を大きく縮小したのは、円安、時間外の米株先物の上昇、上海株、ハンセン株の上昇と、日本銀行のETF(上場投資信託)の買いでした。
そして、先週の最後のコメントで、今後も長期金利の動きには注意が必要としました。
4日の▲628円の2万8,930円の下げは、米国主要3指標の2日連続の下げ、上海株、ハンセン株の下げを嫌気したものでしたが、5日の前場の▲621円の2万8,308円の下げは、前日の主要3指標が長期金利の再上昇を受けて、3日連続の大幅下落となったためでした。
2日は、前日の+697円の2万9,663円を受けて、前場に2万9,996円とほぼ3万円まで上昇しましたが、その後は米長期金利高から米株式が大きく反落したことで、日経平均は5日に2万8,308円まで下落しました。つまり、2日の高値から5日の安値まで4日間で約1,688円下落したことになります。
5日の日本市場の引け後の米国市場は、時間外で米株先物が上昇していたことを受け、主要3指標とも大幅反発となりました。この背景は、2月雇用統計が予想を大きく上回る強い結果となったことで早期景気回復期待が高まったことによります。前回の非農業部門雇用者数は+4.9万人で、今回は市場予想の+18.2万人を大きく上回る+37.9万人となりました。
さらに長期金利の低下も加わったことで、NYダウは+572ドルの3万1,496ドル、ナスダックは+196ポイントの1万2,920ポイント、S&P500は+73ポイントの3,841ポイントと主要3指標ともに大幅反発でした。
これを受けて、シカゴの日経先物は+420円の2万9,180円を反発して引けました。
(出島 昇)
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