世界株高続く!バリュー強い、グロースも反発。日経平均先物「踏み上げ」はほぼ終了?
トウシル / 2021年3月15日 7時31分
![世界株高続く!バリュー強い、グロースも反発。日経平均先物「踏み上げ」はほぼ終了?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushiru/toushiru_31364_0-small.jpg)
世界株高続く!バリュー強い、グロースも反発。日経平均先物「踏み上げ」はほぼ終了?
※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「 [動画で解説]世界株高続く!バリュー強い、グロースも反発 日経平均先物「踏み上げ」は終了?」
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米金利上昇でも、景気・企業業績回復期待の高まりで日米株反発
3月第2週(8~12日)の日経平均株価は1週間で853円上昇し、2万9,717円となりました。米長期金利上昇への警戒感から先々週まで2週連続で下がっていましたが、3週ぶりに反発しました。
米長期金利の上昇は続いていますが、世界景気の回復期待が強まったことを受け、世界的に株を買い戻す動きが広がっている流れに乗りました。
米長期金利(10年国債利回り)推移:2020年1月2日~2021年3月12日>
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/6/a/-/img_6a7cadd5013e05ac6bcd5dc8f1eb9f8643229.jpg)
日経平均・ナスダック総合指数・NYダウ・上海総合指数の動き比較:2019年末~2021年3月12日
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/1/d/-/img_1db1980885a85a6723ad0c42423cb44553207.jpg)
米国で1.9兆ドル(約2兆円)の超大型財政出動が成立し、米景気拡大の期待が強まったことを受けて、世界的に景気敏感バリュー(割安)株を買う流れが強まりました。また、金利上昇を嫌気して下がっていたグロース(成長)株にも押し目買いが入り、反発しました。
GAFAM(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル、マイクロソフト)など株価バリュエーションの高いグロース株の比率が高いナスダック総合指数は、米金利上昇を受けた下落が大きかったものの、先週は反発。相対的にバリュー株の多いNYダウは、先週も最高値更新が続きました。
日本株でも先週はバリュー株の上昇が続く中、グロース株も反発しました。
TOPIXバリュー指数とTOPIXグロース指数の動き:2020年12月30日~2021年3月12日
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/9/7/-/img_97cdc0650e01aafa950f350751148bab38164.jpg)
日経平均先物「踏み上げ」が日経平均上昇に寄与
日経平均の上昇に、需給面で先物「踏み上げ」が寄与していたことは、本連載でたびたび指摘しました。先週の日経平均上昇にも踏み上げ【注】が関与していると思われます。
【注】踏み上げ
日経平均が下落すると予想して日経平均先物の売り建てを積み上げていた投機筋(主に外国人)が、日経平均がどんどん上昇していく中で、損失拡大を防ぐために日経平均先物の買い戻しを迫られること。
それが、東京証券取引所が発表している「裁定売り残」の推移から読み取れます。詳しく説明すると難解になるので、説明は割愛して結論だけ述べます。2つ覚えてください。
【1】東京証券取引所が発表している「裁定売り残」の変化に、投機筋(主に外国人)の日経平均先物「売り建て」の変化が表れます。売り建てが増えると裁定売り残が増え、売り建てが減ると裁定売り残が減ります。
【2】東京証券取引所が発表している「裁定買い残」の変化に、投機筋(主に外国人)の日経平均先物「買い建て」の変化が表れます。買い建てが増えると裁定買い残が増え、買い建てが減ると裁定買い残が減ります。
それでは、2018年以降の日経平均と、裁定「売り残」「買い残」の推移をご覧ください。
日経平均と裁定売り残・買い残の推移:2018年1月4日~2021年3月12日(裁定売り残・買い残は2021年3月5日まで)
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/a/b/-/img_ab971d978fd00593c6695904c73343d7144697.jpg)
2021年3月5日時点で、裁定売り残は1兆2,021億円まで減少。一時約2.6兆円あった時と比べると大幅に減少しました。
日経平均が下落すると予想して売り建てを積み上げていた投機筋(主に外国人)が、日経平均がどんどん上昇していくため、損失拡大を防ぐために先物の買い戻しを迫られたことがわかります。つまり、先物の「踏み上げ」が起こっていたことになります。
注目いただきたいのは、上のグラフに矢印を書き込み「踏み上げ」と書いてあるところです。2カ所あります。2019年10~12月と、2020年6月~2021年3月です。ともに、日経平均が大きく上昇した後、裁定売り残高が大きく減少しています。ここで、「踏み上げ」が起こっています。
日経平均先物「踏み上げ」はほぼ終了か
3月5日時点で、裁定売り残が1兆2,021億円まで減少すると同時に、裁定買い残が1兆4,111億円まで増加。久々に、裁定買い残が売り残を上回りました。
空売りを積み上げていた投機筋の買い戻しが進むと同時に、逆に投機的な買いポジションを持ち始めている投機筋が出てきていることがわかります。
このことから、日経平均先物「踏み上げ」による先物買いは、そろそろ終了しつつあると考えられます。先物主導の空中戦が終わり、景気実態を見極めた上での、実需筋の売買が中心になってくると考えられます。
ここから先は、景気・企業業績のモメンタムを見ながらの売買となります。コロナショックからの急回復が続くと想定されるので、日経平均は堅調に推移すると予想しています。
裁定買い残が2兆円を超えてくると、短期的な相場過熱→反落への警戒が必要になりますが、現時点ではまだその水準ではありません。
▼著者おすすめのバックナンバー
2021年3月8日:日経平均急落、「三大割安株」買い増しの好機と判断
2021年3月11日:日経平均先物を見る時の注意点:3月12~29日は日経平均より約190円低い値で推移する
2020年11月12日:日経平均上昇の陰に「踏み上げ」?「裁定残」で予測する投機筋の動き
(窪田 真之)
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