「金」は3日続落。「原油」はイラク軍キルクーク油田掌握を材料に高値
トウシル / 2017年10月19日 15時0分
「金」は3日続落。「原油」はイラク軍キルクーク油田掌握を材料に高値
次期FRB議長の影響か?金続落
金相場は3日続落。米長期金利の上昇とそれを受けたドル高が嫌気されたのか一時10月9日以来の安値となる1,276ドルをつける場面もあった。
次期FRB(米連邦準備制度理事会)議長の人選をめぐっては、タカ派的な候補が選出されるとの見方が市場に出ており、これがドル高・金相場の下落につながっている。米国株が過去最高値を更新し続けているが、その中でも金は下げ渋っているといえる。米国の金融政策の考え方や政権の為替政策を考慮すれば、金相場が暴落するような動きにはなりにくいだろう。
非鉄相場は下降気味。しかし鉛は反発
非鉄相場はまちまち。LME(ロンドン金属取引所)在庫は銅が増加したが、その他は減少した。
アルミは下落し、2,140ドル前後のサポートを割り込んだ。2,100ドル近辺までの調整となる可能性がある。銅は続落し、節目の7,000ドルを割り込んだが、6,990ドルの短期サポートを維持している。しかし、短期的には買われすぎであり、調整が欲しいところである。
ニッケルもまったく同じ動きで、下げているが、持続的な上昇には1万1,000ドル程度まで下げたほうがよいだろう。亜鉛は反発。重要なサポートの3,070ドルをサポートして反発しており、目先の下値を確認したといえそうである。鉛は反発。ただし、まだ不安定である。とはいえ、基本的に全般的な堅調さは維持されているといえるだろう。一方、中国の9月の鉄道貨物輸送量は前年同月比9.2%増加の3億1178万トンとなった。1~9月では前年同期比14.6%増の27億6,000万トンだった。
地政学的リスクを背景に高値。原油続伸
原油は4日続伸。中東の地政学的リスクなどを背景に買われたWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油は9月27日の52.14ドル以来、終値で3週間ぶりの高値を付けている。イラク中央政府とクルド自治政府が帰属を争う係争地への展開を続けているイラク軍は、キルクーク州に点在する油田を次々と掌握したことを明らかにした。これを受けて、キルクークからの原油供給が混乱するとの懸念が広がった。キルクークからトルコ・ジェイハン港への輸送パイプラインを通じた原油輸出量は日量60万バレルから22万5,000バレル前後に急減しているようで、これが材料視されているといえる。
また、核合意に関してイランと米国との間で緊張が高まっていることも支援材料となっているとみられる。EIA(米エネルギー情報局)が発表した最新週の原油在庫は前週比570万バレル減と、市場予想の420万バレル減を上回る減少幅となった。ガソリン在庫は90万バレル増だったが、市場予想の30万バレル増を上回った。
ディスティレート在庫も減少予想に反して50万バレルの増加となった。これを受けて、一時マイナス圏に入る場面もあったが、その後は堅調さを取り戻した。原油生産量は日量840万バレルと、前週比107万バレル減少。輸入も日量748万バレルと、13万バレル減少した。ハリケーンなどの影響がまだ出ているもようだが、原油在庫の減少が今後、原油相場に徐々に効いてくるだろう。
(江守 哲)
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