短期より長期?レバレッジ型ファンドの投資術
トウシル / 2021年3月27日 8時0分
![短期より長期?レバレッジ型ファンドの投資術](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushiru/toushiru_31539_0-small.jpg)
短期より長期?レバレッジ型ファンドの投資術
「レバレッジ型」投資信託とは?
近年、「レバレッジ型」と呼ばれる投資信託の設定が増えています。
レバレッジ型とは、商品先物取引などを活用することで、レバレッジ(てこの原理)を効かせ、投資資金の何倍もの投資効果を追求する投資信託のことです。基準価額の値動きが荒く、非常にリスクが高いという特徴があります。相場環境に応じた、迅速な投資判断が求められる数少ない投資信託でもあります。
レバレッジ型といえば、これまでは「楽天日本株4.3倍ブル」など、国内の株価指数を対象とした国内型が主流でしたが、足元1~2年は、S&P500種株価指数、NASDAQ100指数、NYダウ平均株価など、海外の株価指数を対象とした「海外レバレッジ型」の設定が増えています。
国内レバレッジ型の代表格・日本株ブルの仕組み
ここで今一度、国内レバレッジ型の代表格である、「日本株ブル」の仕組みについて確認をしておきましょう。
「日本株ブル」型は一般的に、日経平均先物を買い建てることで、日々の基準価額の値動きが国内株式市場全体(実態的には日経平均株価)の値動きの数倍程度になるよう運用が行われます。この倍率(レバレッジ)の大きさは商品によって異なり、2倍から、高いものだと4.3倍まで展開されています。レバレッジの大きい商品ほど高いリターンを期待できる半面、相場が思わぬ方向に動いたときの損失は大きくなります。
海外レバレッジ型が国内レバレッジ型と異なる点は?
海外の株価指数を参照する海外レバレッジ型であっても、基本的な仕組みは「日本株ブル」型と変わりありません。ただし、為替ヘッジの有無と、基準価額の決定タイミングという2点で違いがあります。ここからは、クイズも交えながら見ていきましょう。
為替ヘッジがある
海外レバレッジ型は原則、為替変動リスクを低減する目的で為替ヘッジを行います。為替変動の影響がリターンに反映されてしまうと、「2倍」や「3倍」のレバレッジ効果を期待できなくなるためです。
以前の記事、投資信託で「安く買って高く売る」はできるのか?でも解説しましたが、そもそも投資信託は、「ブラインド方式」と呼ばれるルールによって、取引の段階では基準価額が分からない仕組みになっています。とはいえ、投資先が国内の場合、適用される基準価額は申し込みをした当日中に決定するので、申し込み締切時間ギリギリまで日経平均株価の動向を見て、購入や解約の判断をすることも可能です。これは、レバレッジ型についても原則、同様です。
では、投資先が海外の場合はどうでしょうか。以下の空欄に適切な用語を埋めてみましょう。
基準価額の決定タイミングが異なる
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/7/3/-/img_731a85c633902bacf80e5090c32d049036537.jpg)
空欄の答え
翌朝(日本時間)
レバレッジ型は積立投資と相性よし
ちなみに、海外レバレッジ型の一部の銘柄は積立投資に対応しています。基準価額の値動きが荒く、また、マーケットを見ながらの取引が難しいという特性を生かし、積み立てで投資するというのも一つの方法です。
積立投資の場合、毎月の積立額は変わらないので、基準価額の変動によって購入口数(くちすう)が自動的に変わります。
「100グラム当たり○○円」として売られているスーパーのパック肉をイメージすると分かりやすいかもしれません。100グラムあたり=口数あたりの値段が下がると、同じ予算で多くのお肉=口数を買うことができるのと同じです。
基準価額の下落時に「お得」に購入できた分は、後に基準価額が上昇に転じたときに効果を発揮します。このように、積立投資は値動きの大きい資産のほうが相性がよいのです。
「海外レバレッジ型でより積極的な投資にチャレンジしてみたいけど、相場の動向を見極める自信がない…」という方は、積立を検討してもよいでしょう。
積立投資に対応しているレバレッジ型ファンドの例
(篠田 尚子)
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