今夜、米雇用統計発表! 111円の円安ハードル、「意外に難しい」?
トウシル / 2021年4月2日 10時0分
今夜、米雇用統計発表! 111円の円安ハードル、「意外に難しい」?
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは111.05円
↓下値メドは110.25円
英大手新聞社が社員の75%を恒常的在宅勤務に。オフィススペースを大幅縮小
日本の新年度、4月1日(木曜)のドル/円は、110円台後半で横ばいでした。110.67円でスタートして、高値は欧州時間の110.84円。111円台は届かず、NY時間に下げて安値は110.54円。終値110.61円。この日のドル/円は前日の高値を下回ってしまいましたが、安値は3月25日から6営業日連続で切り上がっています。
ユーロ/円は順調、この日の高値は130.27円。3月につけた今年の高値130.67円に向けて上昇中。また豪ドル/円は東京時間に83.43円まで下げましたが、NY時間午後には84.27円まで回復。
マーケットの方向感が定まらず、次の取引材料を探す中で、今夜は重要指標の3月米雇用統計が発表されます。今月の雇用統計の詳しい解説は「米雇用統計「めちゃ強い」! 実は大きな「勘違い」だった?」 をご覧ください。
すでに発表された民間雇用統計のADP雇用データの3月は、+51.7万人で予想(+55.0万人)より悪かった。また、最新の新規失業保険申請件数は71.9万件で、予想(68.0万件)よりやや増加しています。
しかし、マーケットは楽観的。米アトランタ地区の連銀総裁は「月間100万人の雇用増も期待できる」と語っていましたが、100万人とはいかないまでも、70万人はありえると強気の見方が増えています。逆に言うと、今夜の雇用統計はよほど強くない限りマーケットを驚かせることはできないのです。
今夜のトレードで注意したいのは、欧州市場がイースター(復活祭)のため、本日から来週月曜日まで休場になること。イースターは、キリスト教にとってはクリスマスよりも重要な宗教行事。FX市場や金利市場の流動性がゼロに近いなかでの米雇用統計発表となります。
主要指標終値
今日の一言
分別過ぐれば、大事の合戦は成し難し – 黒田官兵衛
(あまり賢すぎると、深く考え過ぎたり用心し過ぎたりして、勝つチャンスを失ってしまう)
雇用市場の逆襲!
1年前、米国では3月と4月のたった2ヵ月間で2,100万人が仕事を失いました。「雇用市場は崩壊した」とか、「10%を超える失業率がずっと続くだろう」など当時は悲観見通しのオンパレードだったのですが、予想に反して、雇用市場は順調に回復。そして、これから雇用市場の逆襲が本格的になりそうです。
3月の雇用統計の非農業部門雇用者数は、強い数字が期待されています。最新の市場予想によると失業率は6.0%まで低下、NFP(非農業部門雇用者数)は、前月より約25万人増加して63.0万人となっています。今月の雇用統計の詳しい解説は「米雇用統計「めちゃ強い」! 実は大きな「勘違い」だった?」 をご覧ください。
米国の雇用市場では、コロナ移動制限の緩和に伴い、サービス業、特にレジャー部門で70万人近くの雇用増加が見込まれます。コロナ禍で「失われた雇用」の約3分の1が、レジャー部門と接客業なのです。外出の増加とサービス業の需要には相関関係が存在しています。アウトドアのレジャーの機会が増えることで、雇用増加にさらに弾みがつく期待があります。また、冬の悪天候という季節的要因の影響を受けた建設業の雇用も回復しています。
米国は、今年中に全ての米国人がワクチン接種を受けるように計画が進んでいます。人口の一定以上の割合が免疫を持つことによって感染流行がなくなる集団免疫と移動制限の解除が進むことで、第2四半期の米労働市場は急拡大するとの見方です。
ただし、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、実際の失業率は、雇用統計上に表れている6%よりむしろ10%に近いと、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は警告。ブレイナードFRB理事やイエレン財務長官もこの意見を共有しています。
FRBによると、統計では見えない、いわゆる「隠れ失業」が深刻なのだということです。「隠れ失業」は所得水準によって異なり、所得の下位4分の1の失業率はさらに悪く、約23%に上ります。状況が改善されなければ「米国の経済成長に長期的な影響を与える」とFRBは警告しています。
もっとも、イエレン財務長官は最近では「来年の雇用はコロナ流行前のレベルに回復する可能性ある」と前向きな見解に変化しています。これは気に留めておきたいと思います。
本日の注目通貨【ドル/円】4月の予想レンジ ↑114.07円、↓104.87円
ドル/円:4月の予想レンジ ↑114.07円、↓104.87円
4月のドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は109.47円。109.47円より上ならばドル買い優勢、109.47円より下ならばドル売り優勢。
115.83円 : 第4レジスタンス(HBO)
114.55円 : 2018年 高値 LAST
114.07円 : 第3レジスタンス
112.40円 : 2019年 高値(19年04月24日)
112.31円 : 第2レジスタンス
112.22円 : 2020年 高値(20年02月20日)
111.77円 : 第1レジスタンス
111.71円 : 2020年 03月 高値(03月24日)
110.97円 : 2021年 03月 高値
109.47円 : ピボット
107.32円 : 2017年 安値
107.17円 : 第1サポート
106.78円 : 2021年 平均値
106.63円 : 第2サポート
106.37円 : 2021年 03月 安値
104.87円 : 第3サポート
104.41円 : 2021年 02月 安値
104.01円 : 2019年 安値
103.11円 : 第4サポート(LBO)
102.59円 : 2021年 01月 安値(2021年 安値)
(荒地 潤)
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