「緩和縮小」やる気のない国の通貨は買わないでください。今夜ECB会合!
トウシル / 2021年4月22日 9時57分
「緩和縮小」やる気のない国の通貨は買わないでください。今夜ECB会合!
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは108.65円
↓下値メドは107.50円
「グリーン投資」と「最大リターンの追求」を両立させることはできない
経済再開を急ぎすぎたことが、コロナ感染再拡大を許したといわれています。一定期間でどれだけ感染者が増えるかを等比数列で考えてみます。等比数列とは、初項にある一定の数(公比)をかけ続けていった数列のことです。
コロナに感染した1人が、2人にウイルス移すと仮定します。この場合、感染者1人(初項=1)が2人(公比=2)にウイルスを移すので、2人、4人、8人、16人・・・と、10期間で感染者は512人に増えます。
ところが、最初に感染者が3人いたなら(初項=3)、感染力が2人(公比=2)で同じでも、感染者は、3人、6人、12人…と同じ10期間で1,536人まで増えるのです。つまり、感染拡大は、感染者が十分に減らない段階で移動制限を解除したことが理由のひとつと考えることができます。
変異株は感染力がさらに強いといわれます。つまり、等比数列の公比が大きくなります。感染者3人が3人にウイルスを移す(公比=3)とすれば、同期間で感染者は59,049人に増加。4人に移すなら786,432人まで一気に増えることになります。
今夜のハイライトは、ECB(欧州中央銀行)理事会。ECB(欧州中央銀行)の政策スタンスはFRB(米連邦準備制度理事会)よりも「タカ派」寄り。FRBは緩和政策継続を標ぼうするハト派。インフレに対しては放任主義です。一方、ECBはインフレ低迷の心配より、むしろゼロ金利など緩和政策の副作用を心配しています。
FRBとECBの政策スタンスのかい離、どちらが先に緩和縮小を始めるかという思惑が、ユーロ/ドルの動きに大きく影響してきます。マーケットでは、2023年12月のECB利上げを予想し始めています。
主要指標 終値
今日の一言
世界で起こる出来事のすべては、あなたの仕事が何であれ、最終的にあなたの人生に影響する – ジム・ロジャース
Born To Be Wild
ECBは「タカ派」、FRBは「ハト派」。しかし、最近の経済指標の強さを目の当たりにして、パウエル議長がいくら否定しようとも、マーケットはFRB緩和縮小の検討時期は近づいていると思っています。
バイデン大統領は今月、「米国における一世代に一度の投資」と銘打って、2.25兆ドル(約247兆円)規模の大インフラ投資計画を発表しました。1950年代の州間高速道路システムの建設以来、過去70年間で最大規模の計画。イエレン財務長官は、米経済のために「大胆に行動する(Act Big)」が必要だと宣言。
このインフラ投資は、橋や道路の建設といった「オールド・エコノミー」だけではなく、水道管交換や高速ブロードバンドなどの整備に6,500億ドル(約71兆円)、人工知能(AI)など研究開発投資には防衛関連以外としては過去最大1,800億ドル(約20兆円)を見込んでいます。また「中国に対抗するために不可欠だ」として半導体のサプライチェーン(供給網)強化にも取り組む予定。
1.9兆ドルの大型景気刺激策を成立させたばかりのバイデン大統領は、ワイルドに行こうぜ!と休む間もなくインフラ整備と気候変動対策に2.25兆ドルを投資すると発表しました。
1.9兆ドルの財源については米国債発行で賄うのですが、イエレン財務長官は「増税ではなく、速やかな経済成長によって」財政赤字は減らすことは可能と述べています。しかし、さすがに2.25兆ドルについては、法人税増税がセットになるようです。また支出は約8年間に渡って行われるため、即効的な成長効果は期待できません。その意味でこのインフラ投資は、景気刺激策というより資産の再配分と考えるべきかもしれません。
法人税増税計画にともない、イエレン財務長官は、世界の法人税率引き下げ競争に終止符を打ち、世界的な「最低税率」を設定することで合意するよう働きかけています。米国企業が税率の低い国へ本社を移転することを阻止する手段ともいえます。自分の都合に合わせて世界の基準を変えさせるのがアメリカの実力です。
今日の注目通貨: ドル/円、ユーロ/円
21日(水曜日)のドル/円は円高、108.00円をはさんだ動き
この日は108.08円からスタートして、東京時間午前に前日の安値(107.97円)を更新して安値107.88円をつけました。東京時間夕方に高値108.28円まで戻すが反発に勢いはなく、その後押し戻されて終値は108.05円(前日終値比▲0.04円)。
ドル/円は107円台の買いは厚いが天井もじわじわ下がるという両挟みで行き場を探しているイメージ。来週4月27-28日のFOMC(米連邦市場委員会)までは、方向感の出にくい相場が続くかもしれません。FOMCまでの間はブラックアウトといって、FOMCのメンバーは金融政策について話をすることを禁じられています。しかし、マーケットは、緩和縮小の検討を開始するのではないかとの見方が浮上しています。
しかし、その前に今夜はECB会合。ラガルドECB総裁の発言にも注目です。
ユーロ/円:予想レンジ ↑131.09円 ↓129.15円
ユーロ/円のブルベアの分かれ目は130.28円。
130.28円より上ならばユーロ買いが優勢、130.28円より下ならばユーロ売りが優勢。
132.46円 : 2018年10月 高値
131.40円 : 第4 レジスタンス(HBO)
131.09円 : 第3 レジスタンス
130.78円 : 第2 レジスタンス
130.68円 : 第1 レジスタンス
130.68円 : 2021年04月 高値
130.67円 : 2021年03月 高値
130.28円 : ピボット
129.87円 : 第1 サポート
129.77円 : 第2 サポート
129.57円 : 2021年04月 安値
129.46円 : 第3 サポート
129.15円 : 第4 サポート(LBO)
128.18円 : 2021年03月 安値
127.49円 : 2021年01月 高値
(荒地 潤)
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