ポンドのロングは風前の灯。英国復活の希望薄れる。最新IMMレポート分析

IMMポジション推移（09/26 ～ 10/17）

 

円：円のネットショートは大きな動きなし 

CFTC（全米先物取引委員会、Commodity Futures Trading Commission）発表による10月17日現在の建玉報告によると、CME（シカゴ・マーカンタイル取引所）通貨先物市場において、投機筋の円のネット枚数（円の買い建玉と売り建玉の差）は、10万1,286枚のショートで、円の売り持ち残高が多い状況です。ドル換算にすると、約110億ドル相当のドル買い持ち（円の売り持ち）状態です。円のネットショート枚数は、前週比で0.1％（約0.1億ドル）縮小。大きな動きはありませんでした。

売買別では、買い建玉（円ロング）が前週比約6.5％増加。一方売り建玉（円ショート）は前週比約2.1%増加。

IMM円  2015.10 ～ 2017.10

 

ユーロ：ユーロのネットロング減る。買い増しはいったん様子見

• ユーロのネット枚数（ユーロの買い建玉と売り建玉の差）は9万452枚のロングで、ユーロの買い持ちが多い状況が続いています。
• ユーロ換算にすると、約113億ユーロの買い持ち（=約133億米ドルの売り持ち）。
• ネットロング枚数は、前週比7.8％減。
• 売買別では、買い建玉が前週比4.6%減り、売り建玉も1.5%減りました。

IMMユーロ  2015.10 ～ 2017.10

 

豪ドル：豪ドルのネットは前週比1割減

• 豪ドルのネット枚数（豪ドルの買い建玉と売り建玉の差）は6万1,800枚のロングで、豪ドルの買い持ちが多い状況が続いています。
• 豪ドル換算にすると、約61億豪ドルの買い持ち（=約48億米ドルの売り持ち）。
• ネットロング枚数は、前週比10.7％減。
• 売買別では、買い建玉が前週比8.5%減り、売り建玉も前週比2.3%減りました。

IMM豪ドル  2015.10 ～ 2017.10

 

ポンド：ネットロングが大幅縮小。買い建玉残りわずかに

• ポンドのネット枚数（買い建玉と売り建玉の差）は、5,047枚のロングで、ポンドの買い持ちが多い状況。
• ポンド換算にすると、約3億ポンドの買い持ち（=約6億米ドルの売り持ち）。
• ポンドのネットロング枚数は、前週比67.5％減。
• 売買別では、買い建玉が前週比8.5%減ったのに対して、売り建玉は前週比5.8%増えました。売りポジションの整理が進み、ここにきて再び売り建玉が再び増え始めています。一方で買い建玉は縮小。BOE（英国中央銀行）の利上げ報道がポンド再評価となってロング枚数も増えたのですが、早くも勢いが止まっています。

IMMポンド  2015.10 ～ 2017.10

 

（荒地 潤）