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米国好況で「金」は下落。供給過剰解消見込みで「原油」は続伸

トウシル / 2017年10月25日 13時0分

米国好況で「金」は下落。供給過剰解消見込みで「原油」は続伸

米国好況で「金」は下落。供給過剰解消見込みで「原油」は続伸

米国好況を反映し、金は下落

 金相場は下落。米国株の上昇や米長期金利の上昇に伴うドル高が圧迫要因だった。

 トランプ政権による大幅減税を柱とした税制改革の実現期待も、引き続きドルを支援した。

 次期FRB(米連邦準備制度理事会)議長人事に関しては、米共和党の上院議員らがテイラー・スタンフォード大教授を支持するとの報道が米長期金利の上昇につながっている。テイラー氏が就任すれば、金融引き締めを加速するとみられている。

 市場は米国の材料にフォーカスし、米国株高で、今はドルが買われやすく、安全資産である金は買われにくい地合いにある。

 一方、26日のECB (欧州中央銀行)理事会では、資産購入ペースの縮小が公表される見通しだ。その際にユーロが買い戻されるかに注目される。来年以降の買い入れペースを現行の600億ユーロから400億ユーロとし、買い入れ期間を最低6カ月延長する案が基本線になる見込みだ。

 このような弱気材料でも金相場は1,275ドルのサポートを維持。ここに金相場の堅調さを確認することができる。下げると買いたいという投資家が少なくないことを示しているといえる。

 

非鉄は引き続き堅調

 非鉄相場は堅調に推移。LME (ロンドン金属取引所)在庫は鉛が小幅に増加したが、それ以外は減少した。

 アルミは上昇し、2,140ドルのサポートから放れ、再び上向きの可能性が高まっている。銅は続伸し、一時7,123ドルまで上昇。供給不足が長期化するとの観測がある。また、ICSG(国際銅研究会)が今週発表する見通しにも注目が集まる。ニッケルも上昇し、1万2,000ドルを回復した。これで上向き基調がより強まったといえる。

 亜鉛も上昇。ただし、3,200ドルで打たれており、これを超えると大幅上昇が期待できる。鉛は反落。ただし、下値固めが続き、崩れはない。

 一方、中国アルミ業公司(チャイナルコ)は今年の中国のアルミ消費についての見方を示した。下流部門の旺盛な需要を背景に9~10%増加し、来年もGDP (国内総生産)伸び率を上回る成長ペースを維持するとしている。1~9月の消費量は2,625万トンで前年同期比9%増加するが、需要は年末にピークを迎えるという。

 中国の今年のGDP伸び率の目標は6.5%。来年の目標はまだ設定されていないが、IMF(国際通貨基金)は来年の伸び率を6.5%と予想している。また、今年のアルミ生産コストは、アルミナ、カーボン、電力価格の上昇で14%増加という。

 中国では、中国共産党の第19期中央委員会第1回総会(1中総会)が25日に北京で開催。習近平総書記の2期目の指導部が正式に発足する。24日に閉幕した党大会では、習氏は、毛沢東、鄧小平と並ぶ形で党規約に自らの名前を記し、権威を高めた。権力基盤をさらに強化し、21世紀半ばの「社会主義現代化強国」建設を目標に掲げている。

 

供給過剰解消に取り組むサウジの姿勢を評価。原油は続伸

 原油は続伸。サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相が、供給過剰の解消に取り組む姿勢を明言したことが好感された。また、米国内の原油在庫の減少傾向が続くとの見通しも支援材料だった。

 ただし、クルド自治区からトルコのジェイハン港へのパイプラインによる原油輸送量が増加したことから、この日は一時下落する場面も見られた。

 サウジのファリハ産業鉱物資源相は、「先進国の石油在庫を5年平均まで引き下げることを依然として重視している」と発言。OPEC(石油輸出国機構)主導の協調減産が期限を迎えた後も、生産を長期的に抑制していく可能性があることを明らかにした。また、「再生可能エネルギーの利用が世界的に促進されているものの、世界の石油需要が2050年までに45%伸びる」との予想も示す。

 一方で、OPEC減産合意については、「柔軟さを有しており、選択肢はオープン」との見解を強調。OPEC議長を務めるファリハ氏は、「減産合意の各国順守率に対する監視が行われている」とした上で、「減産状況には満足で、合意参加国すべての協調を重視していく」と表明。さらに「われわれは極めて柔軟で、選択肢は引き続きオープンであり、世界的な原油在庫を通常水準とされる5年平均に引き下げるため、できることは何でもすることを決めた」としており、すべきことは残っているとの見方を示した。

 そのうえで、「われわれは在庫を1億8,000万バレル以上圧縮したが、依然として約1億6,000万バレルほど抱えている」との認識を示している。

 一方、米国内の原油在予想は前週比250万バレル減となっており、予想通りであれば5週連続の減少となることから、OPEC主導の減産の実効性が判断されることになる。

 産油量がOPEC第2位であるイラクの輸出の混乱は原油相場を下支えしており、OPECの減産合意達成率が改善する可能性が指摘されている。

 引け後にAPI(米石油協会)が公表した20日までの週の米国内の原油在庫は前週比51万9,000バレル増、オクラホマ州クッシングの在庫は5万5,000バレル減。製油所の原油処理量は日量32万6000バレル増だった。ガソリン在庫は前週比580万バレル減、ディスティレート在庫は同490万バレル減。原油輸入量は日量62万9,000バレル増の740万バレル。

(江守 哲)

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