どうなる日経平均?米国株最高値でも消えない米景気過熱・テーパリングへの不安
トウシル / 2021年7月5日 7時28分
どうなる日経平均?米国株最高値でも消えない米景気過熱・テーパリングへの不安
※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「 [動画で解説]どうなる日経平均?米国株最高値でも消えない米景気過熱」
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株は米国・欧州強く、アジアはやや出遅れ
先週(6月28日~7月2日)の日経平均株価は1週間で282円下がり、2万8,783円となりました。先週、米国株の株価指数(ナスダック・S&P500・NYダウ)が軒並み史上最高値を更新したのに比べて、日経平均の弱さが目立ちました。
ワクチン接種、景況拡大で先行する米国株が強い一方、ワクチン接種でも景気回復でも出遅れている日本株は、上値が重くなっています。
ナスダック、S&P500と日経平均の動き比較:2019年末~2021年7月2日
グローバルで見ると、ワクチン接種・景気回復で先行する米国・欧州株が高く、ワクチン接種・景気回復が遅れているアジア株が出遅れています。
米景気が過熱、インフレ高進によって金融緩和の終了が近づく懸念から、米国株にも3月以降、一時調整色が広がりました。ただ、米雇用回復の遅れから、しばらく金融は緩和的状況が続くとの見方が広がり、6月末から米国株は再び最高値を更新しつつあります。
米景気、雇用に過熱感はないが、サービス業景況・インフレに過熱感も
7月2日に、6月の米雇用統計が発表されました。非農業部門の雇用者数は前月比85万人増と、順調に回復が続いています。
ただし、失業率は5.9%と前月比0.1%増加。コロナの影響が出る前の2020年2月の3.5%と比べると、まだ高い水準です。雇用のデータからは、すぐにテーパリング(金融緩和の縮小)を迫られるほどの回復にはなっていないと考えられます。
米雇用統計・非農業部門雇用者増加数(前月比):2019年1月~2021年6月
米雇用統計・完全失業率:2014年1月~2021年6月
雇用統計に過熱感がないことを受け、米長期金利は1.4%台へ低下したままです。FRB(米連邦準備制度理事会)が6月16日に「2023年に2回の利上げあり」という予測を発表したことで、上昇した1~5年の金利も、やや弱含みました。
米10年・5年・2年・1年金利推移:2021年1月2日~2021年7月2日
「米景気好調でも、すぐ金融緩和が終わることはない」と都合の良い解釈が広がったことが、米国株が最高値を更新した原動力です。ただ、ISM景況指数はコロナ前の水準を超えており、米景気が過熱リスクを抱えた状態には変わりありません。
米ISM製造業・非製造業景況指数:2018年1月~2021年6月(非製造業は5月まで)
6月のISM非製造業景況指数は、7月6日(日本時間23時)に発表される予定です。
消費者物価指数(総合)の前年比が5月に前年比+5%に上がっていることも、懸念材料となっています。パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、一時的と解釈していますが、果たして本当にそうか今後の推移に注意が必要です。
米消費者物価指数、前年比(%):2020年1月~2021年5月
6月の米消費者物価指数は、7月13日(日本時間21時30分)に発表される予定です。
「日本株は割安、長期的な資産形成に寄与」との見方を継続
日本株に、長期的に強気の見方を継続します。4-6月期決算の発表が本格化する7月中旬以降、日本企業の業績モメンタムが少しずつ強くなっていくことを好感して、日経平均は反発すると予想しています。
ただし、米景気が過熱、米金融緩和が終了する時点で、世界的に株が下がるリスクへの注意も必要です。しばらく米景気指標を注意して見ている必要があります。とりあえず、7月6日発表の「6月のISM非製造業景況指数」、7月13日発表の「6月米消費者物価指数」に注目します。
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2021年6月30日:高配当利回り株で資産形成:次の景気後退はいつか?どう乗り切るか?(その1)
2021年7月1日:高配当利回り株で資産形成:次の景気後退はいつか?どう乗り切るか?(その2)
(窪田 真之)
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