4度目の緊急事態宣言でも日本株上昇、なぜ?米国消費者物価指数が今週の波乱要素に!
トウシル / 2021年7月12日 15時6分
![4度目の緊急事態宣言でも日本株上昇、なぜ?米国消費者物価指数が今週の波乱要素に!](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushiru/toushiru_33003_0-small.jpg)
4度目の緊急事態宣言でも日本株上昇、なぜ?米国消費者物価指数が今週の波乱要素に!
株式市場の最新動向をお伝えする「トレンドマーケットスクールTOKYO」。今週7月12日(月)から16日(金)は波乱含みの1週間になるかもしれません。
月曜日はリバウンド上昇。それでも、日本株が弱い原因とは?
先週の日本株は、好調な米国株が上昇してもずるずると下落し、米国株が8日(木)夜に下がると、翌9日(金)には日経平均株価が一時700円近く急落する展開になりました。
日本株がここまで弱い背景には、東京に7月12日(月)から4度目の緊急事態宣言が発令されること、東京都議選で勝利できなかった自民党政権が秋の衆議院選挙で敗北する政治リスク、中国が米国市場に上場する自国IT企業の規制強化に乗り出したこと、日本も含めアジア圏で新型コロナウイルスのデルタ株(インド型変異ウイルス)が猛威を振るっていること、そのせいもあってアジア株全体が売られていることなどがありそうです。
米国では景気の停滞懸念で、10年物国債の利回りが低下。金利が低下するとドルの魅力が薄れるため、9日(金)未明に1ドル109円50銭近辺まで円高が進んだことも打撃でした。
とはいえ、明るい兆候もないわけではありません。
8日(木)には、7月12日から8月22日まで、東京に緊急事態宣言が発令されることが報じられ、ANAホールディングス(9202) やJR東海(9022) など運輸・旅行関連株が下落しましたが、9日(金)には他のセクター以上に反転上昇しました。
9日(金)夜には米国株がリバウンド上昇。それを受けて、夜間取引の日経平均先物が2万8,500円台に回復していることから、12日(月)の日本株は大幅に反転上昇して始まりました。
また、9日(金)の取引終了後には、中国向け産業用ロボットなどが主力の安川電機(6506) の決算が発表され、2022年2月期の営業利益予想が上方修正されました。
安川電機の決算は、他の輸出関連企業に先駆けて発表されるため、ハイテク株全体の業績動向を占う「先行指標」と見なされています。日本株全体にとっても吉報といえるでしょう。
米国の消費者物価指数(13日)と中国実質GDP(15日)に注目
今週は米国や中国で重要な経済指標が発表されます。
一番の注目は、5月に米国株が急落した引き金となったCPI(消費者物価指数)。7月13日(火)の夜に発表されます。
前回6月の発表は、食品・エネルギーを除くコア指数が前年同期比+3.8%と約29年ぶりの上昇率になりましたが、比べる対象の前年がコロナ禍で急激に物価が下落した時期だったこともあり、悪材料出尽くしで、5月とは逆に米国株が再上昇し始めるきっかけになりました。
今後は前年の物価が低すぎる効果(「ベース効果」と呼びます)が薄れることもあって、それほど高い伸びにはならない、というのが市場の大方の予想です。
そのため、今回発表の物価上昇率が予想を大きく上回る上昇となると、インフレ懸念で再び株価が急落するリスクもあります。
一方、先週8日(木)の米国株急落は、新型コロナウイルスのデルタ株まん延が世界的な景気回復の障害になるという不安によるものでした。
景気が良すぎてインフレが加速することで利上げの時期が早まるという懸念、それとは真逆で、コロナ禍が再燃し景気回復が遅れるという懸念の板挟みで、史上最高値圏にある米国株も、その悪影響を増幅して受けやすい日本株も、波乱含みの展開が続きそうです。
米国に対する強硬な姿勢を鮮明にする中国では13日(火)に貿易収支、15日(木)には2021年4-6月期のGDP(国内総生産)が発表されます。1-3月期の実質GDPは前年同期比+18.3%と過去最高の伸びになりました。今回は8%前後の伸びが予想されていますが、日本最大の貿易相手国だけあって、その結果は日本の輸出株にも影響を与えそうです。
7月15~16日には、日本の金融政策を決める日本銀行の金融政策決定会合が開かれます。日銀はすでに打てる金融政策をすべて打ち尽くしている感があるので、これまで株価下支えのために購入してきたETF(上場投資信託)(2021年3月末の元本残高は約35兆円)を個人に割引価格で販売する、といったサプライズな発表がない限り、注目度は低そうです。
日本でもデルタ株の感染が広がり東京に緊急事態宣言が発令される中、首都圏では無観客でオリンピックが開催されることになりました。ある意味、異常な状況が、株式市場にどんな影響を与えるのか、もしくは与えないのかに注目しましょう。
(トウシル編集チーム)
この記事に関連するニュース
-
トランプ相場で半導体株急落!AIバブル崩壊?バイデン氏撤退で反転上昇?
トウシル / 2024年7月22日 13時34分
-
相場展望7月22日号 米国株: 主要株価指数は、半導体関連株価の大幅下落が波及し反落 日本株: 米SOXと共に下落、買い手不在のため「落ちる剣は握らない」
財経新聞 / 2024年7月22日 13時6分
-
トランプ銃撃事件&米利下げ期待で株高続く!?今週は「次、上がる株探し」で乱高下?
トウシル / 2024年7月16日 13時45分
-
相場展望7月8日号 米国株: 米早期利下げ観測で、株価指数は最高値も、市場変化に留意 日本株: 投資家心理は強気続くが、過熱感と夏枯れに留意
財経新聞 / 2024年7月8日 10時20分
-
日経平均「再度の4万1000円突破」は十分に可能だ 「米国利下げ後ずれ」「中国減速」のリスクは?
東洋経済オンライン / 2024年7月1日 9時30分
ランキング
-
1昨年度の郵便事業896億円の営業赤字、前年度の4倍超…封書やはがき減収・集配や運送委託費増
読売新聞 / 2024年7月25日 18時13分
-
2日経平均は7日続落し1200円超安、今年最大の下げ 米株安・円高進行で
ロイター / 2024年7月25日 15時38分
-
3RIZIN「手越祐也の国歌独唱を批判」は失礼なのか 手越が辞退し、選手に批判が集まっているが…
東洋経済オンライン / 2024年7月24日 19時30分
-
4だからファミリー客が次々と来店している…快進撃を続ける「丸源ラーメン」と競合チェーンの決定的違い
プレジデントオンライン / 2024年7月25日 10時15分
-
5自動車や鉄鋼、中国事業を縮小 日本企業、販売低迷で転換へ
共同通信 / 2024年7月25日 19時4分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)