米「利上げ」はまだ。でも、「緩和縮小」はもうすぐ。 ドルは弱気と安心していたらケガをする?
トウシル / 2021年7月29日 9時56分
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米「利上げ」はまだ。でも、「緩和縮小」はもうすぐ。 ドルは弱気と安心していたらケガをする?
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは111.70円
↓下値メドは109.20円
国境炭素調整が保護貿易の新たな口実に使われるおそれ
28日(水曜)のドル/円は 110円を挟んで上下。高値110.28円、安値109.73円、1日の値幅0.55円。
この日は109.73円からスタート。全く下がらず安値も109.73円。まずは円安に進み、欧州時間に110円台へ。NY時間午後、FOMC(米連邦公開市場委員会)会合後に一瞬110.28円まで上昇しましたが、すぐに売りに押し戻される。終値は109.91円(前日比+0.10円)。
夏休み前最後となる7月会合を終えたFOMCは声明文を発表しましたが、これが予想以上に強気な内容でした。「米経済は、FRB(米連邦準備制度理事会)の目標に向けて前進した。」すなわち、緩和縮小開始を検討するに十分なほど、経済は回復していることを認めたことになります。次回9月のFOMC、あるいはその前の8月ジャクソンホールにおいて、正式に緩和縮小を発表する可能性が高まってきました。
FRBの緩和政策は、コロナ禍の米経済を支えることが本来の目的。したがって米経済が回復するに伴い、緩和政策の必要も少なくなります。米国景気回復の前提はコロナ感染の抑制が前提条件ですが、パウエルFRB議長が、慎重ながらもデルタ変異株について深刻な懸念を示さなかったことも、強気サインと受け取られました。
だからといって、FRBがタカ派に転向したと断定するのはまだ早い。緩和縮小はリスク管理ツールのひとつ。インフレ急上昇した場合の準備を怠りなく行っているのであって、必ずしも実施するわけではありません。パウエルFRB議長は、インフレは一時的、ましてや利上げは「まだまだ先」と記者会見で強調しました。これはマーケットにとってはやや失望となりました。
FOMCの会合結果は、全体を通して見ると、タカ派、ハト派に極端に偏らずバランスがとれていました。声明文は強気(タカ派寄り)、一方パウエルFRB議長の会見は慎重(ハト派寄り)。それに合わせてドルも上下しましたが、新しい方向感はでませんでした。
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主要指標 終値
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今日の一言
今日できても、翌日、一歩を踏み出せるか。それが勝敗を分ける
Bridge Over Troubled Water
バイデン大統領は4月、「米国における一世代に一度の投資」と銘打って、大インフラ投資計画を発表しました。先月には超党派の上院議員グループと暫定的な合意に達したことを明らかにしました。投資計画は当初案から約半分の規模に減り、8年間で1.2兆ドル(約130兆円)になりましたが、民主党と共和党が協力する「超党派」による合意に向けて前進したことは意義がありました。バイデン大統領はこの投資計画を、トランプ前大統領によって分断されたアメリカ政治を修復する象徴としたい考えがあるからです。
米国の第1四半期の成長率は、1.9兆ドルの追加経済対策の効果で年率6.4%まで拡大。FRB(米連邦準備制度理事会)は、このペースが今年いっぱい続くとみています。
過去70年間で最大規模となるインフレ投資計画は、米国の景気回復をさらに後押しするとの期待がありますが、支出は約8年間に渡って行われるため、(現金給付のような)即効的な成長効果は期待できないようです。
バイデン・インフラ投資計画には、財源をどうするのか、という大問題があります。1.9兆ドルの追加経済対策については、 速やかな経済成長を促すことによって財政赤字は減らすことは可能という考えのもと、イエレン財務長官は米国債発行で賄う考えです。
しかし、さすがにインフラ投資計画については、米債発行だけでは足りず増税は避けて通れない。インフラ投資は、資産の再配分であって、景気刺激策としての即効性はないと指摘される理由です。ただ、超党派の上院議員グループとの合意には法人税増税は盛り込まれていません。
コロナ対策による政府の債務増加は、米国だけではなく、世界共通の問題となっています。失業給付金やワクチン代(一人4.000円ともいわれる)やそれにかかわる人件費などのコスト、景気刺激策としてのGo To トラベルとかは、最終的に国民が負担するのです。
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今日の注目通貨
豪ドル/円:今週の予想レンジ ↑82.89円 ↓79.25円
今週の豪ドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は、81.07円。
81.07円より上ならば豪ドル買いが優勢、81.07円より下ならば豪ドル売りが優勢と判断します。
2021年これまでの高値は85.80円、安値は78.85円。平均値は82.33円、値幅は6.95円。
1日の最大値幅は1.84円、最小値幅は0.19円。平均値幅は0.66円。
先週末の終値は、2020年終値に比べて1.92円の円安。
85.80円 : 2021年 高値
83.59円 : 第4レジスタンス (HBO)
84.20円 : 07月 高値
82.89円 : 第3レジスタンス
82.53円 : 07月 61.8%
82.20円 : 第2レジスタンス
82.02円 : 07月 平均値
81.98円 : 第1レジスタンス
81.50円 : 07月 38.2%
81.07円 : ピボット
80.16円 : 第1サポート
79.95円 : 第2サポート
79.84円 : 07月 安値
79.25円 : 第3サポート
78.85円 : 2021年 安値
78.56円 : 第4サポート (LBO)
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/6/d/-/img_6d3cfb1a3ecd8cdc18969406f6e9c5b5114937.jpg)
(荒地 潤)
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