ドルの一人負け! ドル/円は買いか、売りか?
トウシル / 2021年7月30日 9時56分
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ドルの一人負け! ドル/円は買いか、売りか?
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは110.30円
↓下値メドは108.85円
オランダ裁判所、ロイヤルダッチシェルに2030年までに45%排ガス削減を命じる
29日(木曜)のドル/円は「円高」。高値109.95円、安値109.42円、1日の値幅は0.42円。
この日は109.90円からスタート。110円手前には再びドル売りが集まってきているようで、高値は東京午前につけた109.95円まで。欧州時間に再度上をトライしましたが109.91円でギブ。その後は売りが強まり、NY時間夕方に109.42円まで下げて、20日の安値(109.33円)に接近しました。終値は 109.49円(前日比▲0.42円)。
今週のマーケットの3大リスクといわれていた、「FRB(米連邦準備制度理事会)のタカ派転向」、「デルタ変異株の感染拡大」、そして「中国の規制強化による株価下落」に対する懸念がこの日はやや薄れたことで、リスクオンのドル売りにつながりました。
FOMC(米連邦公開市場委員会)は今週行われた7月の会合で、米国の経済が進展していることを認めるタカ派的な声明を出しました。しかし記者会見のパウエル議長は、労働市場の回復はまだ道半ばだとして、緩和縮小の時期を明示しなかったことがハト派的印象を与えた。全体としてFOMCの決定はバランスがとれていましたが、株式市場にとっては安心、FX市場にとってはやや不満の結果となったようです。
米議会で超党派によるバイデン・インフラ投資法案が成立したこともあり、米国経済成長を背景にしたドル高の動きが強まる期待がありましたが、NY時間に発表された第2四半期米GDP(速報値)が、前期比年率+6.5%増と、予想(+8.5%)を大きく下回ったことでドル買いは減速。それが円高という形になって現れています。
英国は、新型コロナ対策の規制が全面解除となったあとも、新規感染者は6日連続で減少。コロナ感染「今後数ヵ月で収束する」という楽観的な見通しも出回るようになってポンド買い、ドル売りにつながりました。 ポンド/円の上下の重要テクニカルレベルは、今日の注目通貨をご覧ください。
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主要指標 終値
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今日の一言
人生には禍も福もない。考え方ひとつでどうにでもなる。本当に幸福な人は自分の幸福を自覚出来る人だ。
Are You Lonesome Tonight?
6月の米雇用統計では、NFP(非農業部門雇用者数)は、今年最大となる85.0万人の増加となりました。(5月58.3万人、4月27.8万人)。米国の労働市場はコロナ禍からしっかりと立ち直りつつあるようです。ところが、めでたしめでたしとはいかないのです。
これまでは仕事がなかった。ところが、全米の企業が一斉にスイッチをオンにして、従業員を増やそうとするなかで、今度は十分な働き手を確保できなくなっている。米国の労働人口が減ってしまったというのでしょうか?
米国では2020年1月に比べて就業者数が約900万人減少しました。しかし今年4月のデータによると、ほぼ同数の求人募集がりました。失業者がいて仕事もある。それなのに雇用が伸びないのは、米国の労働人口の減少が原因ではなく、短期的な雇用のミスマッチの問題と考えられます。
米国の雇用市場は極端な売り手市場になっていて、できるだけ自分を高く売ろうとしたり、より良い仕事を求めて転職を繰り返したりしている人が増えている。米国で4月に仕事を辞めた労働者の割合は、過去20年で最大の水準。失業給付金がたっぷりもらえるから、すぐに働かずにゆっくりと自分に合う仕事を探すこともできる。雇用のミスマッチを原因とした雇用者数低迷はもう少し続くことになる。
しかし、仕事から離れる期間が長くなればなるほど、いったん流れが変わった時には堰を切ったように人々が雇用市場になだれ込み、雇用統計の雇用者が100万人どころか、月200万人に急増する上向きリスクも高まっているのです。
パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、7月FOMC(米連邦公開市場委員会)後の記者会見で「雇用市場(の回復)は、まだまだ十分とはいえない」との見解を示しました。だから「緩和縮小を急ぐ必要がない」とつながっていくわけですが、もし雇用者が100万人を超えるならば、この理由は通用しなくなる。
マーケットの期待は急に盛り上がり、緩和縮小は9月では遅い、8月ジャクソンホールで発表だ、ということになります。
パウエルFRB議長がいくら否定したところで、マーケットは利上げ前倒しを織り込み、米長期金利の急上昇を引き起こす可能性があります。
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今日の注目通貨
ポンド/円:予想レンジ ↑157.22円 ↓145.99円
ブルベアの分かれ目は151.61円。151.61円より上ならば買い優勢、151.61円より下ならば売り優勢。
2021年これまでの高値は156.07円、安値は139.52円。平均値は147.79円、値幅は16.55円。
1日の最大値幅は2.42円、最小値幅は0.29円。平均値幅は1.04円。
先週末の終値は、2020年終値に比べて10.85円の円安。
163.87円 : 2014年 安値
159.37円 : 第4レジスタンス(HBO)
157.22円 : 第3レジスタンス
156.61円 : 2018年 高値
156.07円 : 2021年 高値
155.08円 : 第2レジスタンス
154.42円 : 第1レジスタンス
151.61円 : ピボット
149.75円 : 2021年 61.8%
148.80円 : 第1サポート
148.14円 : 第2サポート
147.79円 : 2021年 平均値
145.99円 : 第3サポート
145.84円 : 2021年 38.2%
143.85円 : 第4サポート(LBO)
139.52円 : 2021年 安値
139.44円 : 2018年 安値
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2021年 ポンド/円 データ
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(荒地 潤)
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