ドル/円、再び110円!ここがトップ? それともまだ円安?
トウシル / 2021年8月24日 9時40分
ドル/円、再び110円!ここがトップ? それともまだ円安?
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは110.50円
↓下値メドは109.10円
コロナ移動制限の緩和で起きたリベンジ消費熱は、価格に敏感な消費者によってすぐに冷やされる
23日(月曜)のドル/円は、引き続き「円安」横ばい。一時110円台。高値110.15円、安値109.65円、1日の値幅は0.49円。
週明けは109.73円からスタート。リスクオンのマーケットでよくある「ドル売り/円売り」で欧州時間に110.15円まで上昇。しかし110円台は相変わらず重く、NY時間夕方には109.65円まで押し戻し。終値は109.69円(前日比▲0.10円)。終値ベースの110円台は実現できず、前日比でもマイナスで終了しました。
今週末に行われるジャクソンホール会合では、FRB(米連邦準備制度理事会)がタカ派的な政策転換を宣言する可能性が低くなったという見方が増え、株式市場の不安が後退することで、リスクオンの株高につながりました。NY株式市場ではこの日ダウ平均が続伸。原油先物市場も大幅に反発。
しかし、この日発表された米景気指数が予想を下回ったこともあり、米長期金利は伸び悩み、1.25%台にとどまりました。1.30%という水準が、ドル/円が110円台を維持するための条件のひとつ。その米長期金利が大きく上昇しない限り、円安に戻るチャンスも低いままと考えます。
パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、ジャクソンホール会合で「緩和縮小と米利上げは別」だということを周知するのではないかといわれています。緩和縮小は利上げの前触れという市場の考えが修正を迫られることになれば、米長期金利の一段上昇はむずかしくなります。
23日のユーロ/円はユーロ高、一時129円台へ。高値129.14円、安値128.32円。
週明けはユーロ買いが強まり、オープンから全く下げることなく、128.32円を底にして欧州時間には129.14円まで上昇。5営業日ぶりに129円台を見ることができました。しかし、129円台の売りは重く、終値は128.82円(前日比+0.37円)。
20日のユーロ/ドルはユーロ高に反発。高値1.1750ドル、安値1.1689ドル。
先週は世界的な景気低迷不安を背景にユーロ売りに傾いていたマーケットでしたが、週明けは一転して反発。この日発表された欧州の重要な景気指数である8月PMIが、デルタ変異株蔓延のなかでも強い結果だったことがユーロ買いにつながりました。欧州時間に1.1689ドルまで下げましたが、前週末につけた今年の安値(1.1664ドル)の手前で反転すると、NY時間夕方には1.1750ドルまで上昇。終値は11746ドル(前日比+0.0046ドル)。
主要指標 終値
今日の為替トレッキング
今日の一言
最も重要な決定とは、何をするかではなく、何をしないかを決めることだ - スティーブ・ジョブズ
Every Time You Go Away
7月のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録では、FRBが緩和縮小に前向きであることが確認されました。FOMC参加者は「インフレ率は著しく上昇」したとインフレ(物価の安定)の状況を評価する一方で、FRBのもうひとつのマンデート(法的使命)である雇用市場については、「労働市場の回復はまだ道半ば」だとして、もう少し様子を見る必要があるとの意見でした。
そのため、パウエルFRB議長が今週末開催されるジャクソンホールでの講演では、緩和縮小(テーパリング)を予告する可能性は低いのではないかとの見方がでています。
7月FOMCが開催されたのは7月27、28日。しかし7月雇用統計の発表は、FOMCより後の8月6日。
その結果はどうだったかというと、非農業部門雇用者数が94.3万人増え、失業率は5.4%まで低下するという非常に強い数字でした。
今月発表された、米消費者マインドを表す代表的指標であるミシガン大学消費者態度指数の8月は、予想を大きく下回る結果となって、米国景気の先行き楽観論に冷や水を浴びせました。これも、FRBは緩和縮小を急がないという見方につながっています。
しかし、ミシガン大学消費者態度指数の詳細を見ると期待指数は低下していますが、 インフレ期待は10年ぶりの高水準に上昇しています。インフレ率の上昇が、消費者心理の悪化を引き起しているのであれば、緩和縮小はむしろ急ぐべきだという、反対の結論になります。
パウエル議長は緩和縮小に対して慎重なようですが、FOMCのタカ派陣営は9月会合での決定を強く支持しています。
今日の注目通貨: ユーロ/円
今週の予想レンジ ↑130.08円 ↓127.07円
今週のユーロ/円のブルベアの分かれ目は128.57円。
128.57円より上ならばユーロ買いが優勢、128.57円より下ならばユーロ売りが優勢。
2021年これまでの高値は134.12円、安値は125.09円。平均値は129.61円、値幅は9.03円。
1日の最大値幅は1.85円、最小値幅は0.29円。平均値幅は0.67円。
先週末の終値は、2020年終値に比べて3.08円の円安。
134.12円 : 2021年 高値
130.65円 : 第4 レジスタンス(HBO)
130.42円 : 08月 高値
130.08円 : 第3 レジスタンス
129.50円 : 第2 レジスタンス
129.47円 : 08月 61.8%
129.32円 : 第1 レジスタンス
129.18円 : 08月 平均値
128.88円 : 08月 38.2%
128.57円 : ピボット
127.93円 : 08月 安値
127.82円 : 第1 サポート
127.64円 : 第2 サポート
127.50円 : 2019年 高値(19年03月01日)
127.23円 : 2020年 高値
127.07円 : 第3 サポート
126.49円 : 第4 サポート(LBO)
2021年 ユーロ/円データ
(荒地 潤)
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