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先高感は強いが、2万2,000円水準からは一段高できるかどうか

トウシル / 2017年10月31日 16時0分

先高感は強いが、2万2,000円水準からは一段高できるかどうか

先高感は強いが、2万2,000円水準からは一段高できるかどうか

日経平均は16連騰で止まるものの、すぐに反発となり21年ぶりに2万2000円台で引ける

先週の予測

 衆院選の与党の大勝を受けて、アベノミクス加速期待でもう一段の可能性があるものの、連騰記録が57年ぶりに連騰最高記録と並ぶ14連騰を更新すれば、目標達成感が出る可能性があるとしました。相場水準としては、上昇が続いたとしてもNYダウで1つの上値の目安として2万3,300~2万3,500ドル、日経平均で2万2,000円をメドとしました。

結果

 海外投資家の買いの勢いは止まらず、24日(火)の16連騰で連騰記録はストップするものの、1日の反落のあと、すぐに2日続伸となり週末の27日(金)は21年ぶりの2万2,000円台回復となりました。
衆院選の与党大勝の結果を受けた23日(月)は、+251円の2万1,709円と高寄り。いったん伸び悩むものの、後場に+265円の2万1,723円まで上昇後、高値圏で推移し終値は+239円の2万1,696円に。15連騰となって連続上昇記録を更新しました。上げ方をみると、先物主導で主力値ガサ株を中心に買われ、中小型株などの現物株はついていけない状況でした。
 24日(火)は、前日の米国株安を受け▲26円の2万1,670円と売り先行で始まるものの、企業業績の上ブレ期待とカラ売りの踏み上げが続き、プラスに転じて+108円と16日連騰となりました。
 25日(水)は、買い先行で始まるものの、連騰の高値警戒感から利益確定売り優勢となり、▲97円の2万1,707円と17日ぶりに反落しました。 
 26日(木)は、前日の欧米株安にかかわらずしっかりした動きで+32円の2万1,739円とすぐに反発となりました。
 27日(金)は、ECB(欧州中央銀行)の今後の量的緩和縮小ペースが穏やかなものになるとの見方からドルが114円台まで買われたことで日経平均は+163円の2万1,903円で寄り付きました。買い圧力が強く1996年7月5日の終値2万2,232円以来、2万2,008円と21年ぶりに2万2,000円台回復となりました。
 27日(金)の米国市場は、7~9月期の決算がそろって好調で、ナスダックとS&P500は最高値更新。NYダウは+33ドルの2万3,434ドルでした。シカゴの日経先物は±0円の2万2,050円でした。

今週は、2万2,000円水準を上放れするかどうかは、米国株式を為替次第

 海外投資家の資金は、衆議院選挙での与党大勝を受けた安倍首相の長期政権への安定期待から資金流入が継続しており、相場全体の先高感は強い状況となっています。今週は決算発表の第一弾のピークを迎えて様子見が高まれば一服してもおかしくありません。全体チャートをみてみると2万2,000円水準が目先の上値のフシとなっています。ただし、米国市場で12月の追加利上げ観測が高まって円安進行し、税制改革実現期待で米国株式の上昇が継続すればツレ高する可能性もあります。その場合、次の上値のメドは1996年6月26日の2万2,750円が意識されることになります。
今週は、まず2万2,200円水準でもみあうのか、そのまま上へ行くのか、それともいったん調整するのか、ちょっとした分岐点にきているといえるかもしれません。
 30日(月)は、先週末の米国株高で買い先行となり、+39円の2万2,047円で寄り付き、2万2,086円まで上昇後、利益確定売りで▲87円の2万1,921円まで下落。しかし、そこから売り込む動きとはならず、2万2,000円をはさんだもみあいとなって大引けは+3円の2万2,011円と3日続伸となりました。 東証1部の売買代金は4兆373億円と2016年2月以来の4兆円超えとなり、出来高も23億7,158億株と膨らんでいます。ただこれは1-3月期決算銘柄の浮動株調整などトピックスのリバランスによるものです。


(指標)日経平均

先週の予測

 米国株式の最高値更新が続けば、もう一段高が期待できるものの一服する可能性があるとしました。ただし、そのまま上昇が続くとしたら2万2,000円水準が1つ目のフシになるとしました。

結果

 安倍政権の長期安定を好感した外国人買いが続き、10月24日(火)まで16日続伸と連騰記録を更新。翌日、反落となったものの10月26日(木)+32円、10月27日(金)は+268円と大幅続伸となって21年ぶりに2万2,000円台で引けました。

今週の予測

上場企業の1つ目のピークや日米の金融政策が注目となります。米国株高・円安が継続すれば次の上値目標は1996年6月26日の2万2,750円を目指すことになりますが、その前に2万2,000円水準を一気に上に抜けるかどうかがポイントとなります。一般的に、決算発表が本格化すれば様子見が強まりやすいのですが、外国人の積極的な買いで先高感があり、経験則を超えた上昇が続くのかどうか期待されるところもあります。

 

(指標)NYダウ

先週の予測

予算が上院を通過したことで税制改革実現の期待が高まり、上昇要因が多いものの高値警戒感も出ており、どこで一服してもおかしくないとしました。目先は、2013年10月7日の1万4,719ドルからの上昇ラインの延長線上にある、2万3,300~2万3,500ドルをメドとしました。

結果

好業績を受けて10月24日(火)には2万3,785ドルまで上昇。その後は高値もみあいとなって週末は2万3,434ドルで引けました。

今週の予測

先週、上院、下院で18年度予算案が可決したことで、税制改革の実現に向けた議会動向が注目です。税制改革は法人減税や海外保留利益への低税率適用が実現すると企業業績のサポートとなります。

 

(指標)ドル/円

先週の予測

日本の衆院選の結果とFRB(米国連邦準備制度理事会)議長人事に注目としました。日本は与党の大勝はアベノミクス加速期待からの円売り、FRB議長人事はタカ派であってもハト派の人選であっても、FRBの金融正常化方針は変わっていないためドル買いが想定されるとしました。

結果

与党の大勝を受けアベノミクスの継続で株価が上昇し円安の動きに。さらに米国では税制改革期待やGDP(国内総生産)が予想を上回ったことでドル買いが進み、一時1ドル=114.45円となりました。しかし週末にスペインの政局を嫌気して113.69円までドルが売られました。

今週の予測

10月31日~11月1日のFOMCで12月の追加利上げ観測が高まるのかどうかがポイントです。先週ECB(欧州中央銀行)が金融正常化を慎重に進める姿勢を示したことで、FRBの金融正常化の推進を想定した動きとなって12月の追加利上げ観測が高まる可能性があります。また、FRBの次期議長にタカ派のテイラー氏が指名されれば、同じくドル買い要因となります。指名されなかった場合は、一時的にドル買いが後退するかもしれません。一方、北朝鮮が水爆実験を実施する可能性もあり、地政学的リスクがドルの上値を抑えることになりそうです。

 

(出島 昇)

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