米雇用統計前のドル高・円安、不吉な予感がするのはなぜ? 9月ドル/円の予想レンジは、下107.80円、上111.95円
トウシル / 2021年9月2日 9時27分
![米雇用統計前のドル高・円安、不吉な予感がするのはなぜ? 9月ドル/円の予想レンジは、下107.80円、上111.95円](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushiru/toushiru_33732_0-small.jpg)
米雇用統計前のドル高・円安、不吉な予感がするのはなぜ? 9月ドル/円の予想レンジは、下107.80円、上111.95円
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは110.85円
↓下値メドは109.35円
世界の人流、コロナ前の90%までに回復。欧州が米国上回る
7月のドル/円の高値は7月2日につけた111.66円。8月の高値は8月11日につけた110.80円。いずれも米雇用統計の発表日とその後1週間以内につけています。「雇用統計が月の高値をつくる」パターンで、その後ドル/円は沈下していきます。面白いのは、月末になると今度は次の雇用統計を目指して再上昇すること。そして、雇用統計で高値をつけて…というパターンが「ドル/円あるある」。米雇用統計の発表は明日3日。その前にドル/円が上昇していることが気になります。
1日(水曜)のドル/円は、「円安」持続。高値110.42円、安値109.88円、1日の値幅は0.54円。
この日は109.99円からスタート。東京時間夕方に110.42円まで上昇して高値。NY時間になって110円を抜け109.88円まで下落しましたが、買い戻されて終値は110.05円(前日比+0.05円)
欧州時間まではドル買い優勢で、ドル/円は約3週間ぶりの高値をつけました。ところが、この日発表された民間版雇用統計のADP雇用データが予想より悪く+37.4万人(予想+61.3万人)だった。明日「本番」の雇用統計もあまり期待できないというネガティブな雰囲気がドル上昇を止めました。
もっとも両データの関係性は最近薄れているので、あまり深く考える必要はないかもしれません。前回もADPの+32.6万人に対して雇用統計は+94.3万人と大きな開きがありました。それよりも、重要な景気指数である9月米製造業ISMの雇用指数が9ヵ月ぶりの低水準まで悪化していることに注意。
なお、8月雇用統計の詳しい解説は「いよいよこれが「最後の」雇用統計!パウエルFRB議長は、ホークスに勝利できるか?」をぜひお読みください。
1日のユーロ/円は堅調。高値130.45円、安値129.84円。
この日の安値は、始値と同水準の129.84円。買いたい人が多く、オープンから全く下がることなく上昇して、NY時間には130.45円まで上値を伸ばしました。終値は130.28円(前日比+0.38円)。終値130円台は7月30日以来。
1日の豪ドル/円は上昇、 81円台へ。高値81.23円、安値80.39円。
豪ドル/円もユーロ/円と同じストーリーでオープン直後に80.39円まで下げてからあとは上げるのみ。80円台半ばの厚い売りをこなしてからは上昇が加速して、東京時間夕方に81円台に入ると、NY時間には81.23円まで上伸。終値は81.07円(前日比+0.61円)。81円台は8月13日以来。
ジャクソンホール会合前にタカ派FRB(米連邦準備制度理事会)を想定して売った分の買い戻しはほぼ完了。豪ドルが一段高を目指すかどうかは、明日の米雇用統計にかかっています。
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主要指標 終値
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※9月3日(金)の「毎ヨミ!為替Walker」は休載します。
今日の為替トレッキング
今日の一言
「今を生きる」とは、将来の不安に心乱されず、過去を引きずらず、この瞬間に集中すること
Get Down Tonight
8月雇用統計の詳しい解説は「いよいよこれが「最後の」雇用統計!パウエルFRB議長は、ホークスに勝利できるか?」をぜひお読みください。
米国ではコロナ前の2020年1月に比べて、就業者数が約900万人減少しています。しかし今年4月のデータによると、ほぼ同数の求人募集がありました。仕事があるのに雇用が伸びないのは、なぜなのか。
それは全米の企業が一斉に採用を拡大しようとしたため、十分な労働力を確保できなくなっているからだといわれています。米国の労働人口が減少しているわけではなく、短期的な雇用のミスマッチが理由です。
米国の雇用市場は今、極端な売り手市場になっていて、できるだけ自分を高く売ろうとしたり、より良い仕事を求めて転職を繰り返したりしている人が多くいる。米国で4月に仕事を辞めた労働者の割合は、過去20年で最大の水準。失業給付金がたっぷりもらえるから、すぐに働かずにゆっくりと自分に合う仕事を探すこともできる。
パウエルFRB議長は「月間100万人近い雇用増を見たい」と発言していました。もし非農業部門雇用者数が1ヵ月に100万人増えていくと仮定するならば、今年12月には、米国の雇用市場はコロナ前の完全雇用状態に戻ることができます。そうなれば、「米経済の著しい進展」の証拠が揃ったとして、米利上げに対するマーケットの期待は一気に盛り上がることになります。
米労働省が発表したJOLT求人件数によると6月の求人は1,000万件を突破。これは失業者の総数を上回る件数です。いったんスイッチが切り替われば、人々は堰を切ったように雇用市場になだれ込み、毎月の雇用が100万人どころか、月200万人に急増するような「過熱」リスクも高まっています。
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今日の注目通貨:ドル/円
9月の予想レンジ ↑111.96円 ↓107.80円
8月雇用統計の詳しい解説は「いよいよこれが「最後の」雇用統計!パウエルFRB議長は、ホークスに勝利できるか?」をぜひお読みください。
9月のドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は109.88円。109.88円より上ならばドル買い優勢、109.88円より下ならばドル売り優勢。
2021年これまでの高値は111.66円、安値は102.59円。平均値は107.13円。
1日の最大値幅は1.14円、最小値幅は0.18円。平均値幅は0.57円。
2021年のこれまでの値幅は9.07円。
114.55円 : 2018年 高値
112.75円 : 第4レジスタンス(HBO)
112.40円 : 2019年 高値(19年04月24日)
112.22円 : 2020年 高値(20年02月20日)
111.96円 : 第3レジスタンス
111.66円 : 2021年 高値
111.16円 : 第2レジスタンス
110.92円: 第1レジスタンス
109.88円 : ピボット
108.84円 : 第1サポート
108.59円 : 第2サポート
108.20円 : 2021年 61.8%
107.80円 : 第3サポート
107.32円 : 2017年 安値 LAST
107.13円 : 2021年 平均値
107.01円 : 第4サポート(LBO)
106.06円 : 2021年 38.2%
104.61円 : 2018年 安値
104.01円 : 2019年 安値
102.59円 : 2021年 安値
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/8/d/-/img_8da05e086c212b872b7f896b7ac845fb105765.jpg)
※9月3日(金)の「毎ヨミ!為替Walker」は休載します。
(荒地 潤)
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