円安終わった?ドル/円 110円割れ。嫌な予感
トウシル / 2021年9月10日 9時38分
円安終わった?ドル/円 110円割れ。嫌な予感
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは110.75円
↓下値メドは108.95円
イスラエルのコロナ感染者、9月4日までの1週間で人口当たりが「世界最多」となる
9日(木曜)のドル/円は「円高」。高値110.28円、安値109.62円、1日の値幅は0.66円。
この日は110.21円からスタート。東京時間朝の110.28円で早々に上昇が抑えられると、その後は米長期金利の低下に連れて南下、NY時間には109.62円まで円高になりました。しかし109.50円前後の押し目買いゾーンでは跳ね返されて終値は109.74円(前日比▲0.53円)。
ドル/円は比較的大きく「円高」に動きました。米10年債利回り1.30%という水準は、ドル/円が110円台を維持するための必要条件。この日(9日)は一時1.28%前後まで下げたので、ドル/円も110円台を維持できませんでした。
米長期金利の下落は調整、FRB(米連邦準備制度理事会)は予定通り緩和縮小を開始する。先週の雇用統計の結果も、米経済が力強い前進を続けるなかでの一時的な弱さ。マーケットはそう考えています。しかし、米経済回復の勢いがピークアウトした結果として米金利が低下するならば、「金利安で株高」の相関関係は崩れることになります。
明日で、米同時多発テロ(911)から20年です。
アメリカ軍は8月31日、アフガニスタン時間午後11時59分をもって同地から完全撤退しました。2001年9月11日の米同時多発テロをきっかけに始まった米国史上最長の戦争に、ついに終止符が打たれました。しかし、性急ともいえるアフガニスタン撤退によって、アメリカは外交戦略の国際的信用を失い、西側同盟に亀裂が走りました。中東の地政学リスクも高まっています。
国内的にも今回の撤退作戦は問題を引き起こしています。これまで目立った失政やスキャンダルもなく、攻め手を欠いてきた野党・共和党にとっては反撃のチャンスで、トランプ前大統領は「米国に大きな恥をもたらした」とバイデン政権を酷評しました。共和党だけではなく、民主党内部からも「インテリジェンス(情報分析)に失敗があり、外交力と想像力が欠如していた」と、疑問の声があがっています。バイデン政権に対する支持低下は、米国政治の不安定化につながります。
バイデン大統領の政策の目玉ともいえる超大型景気刺激策は、超党派による成立がさらに困難な状態になったといえます。マーケットの関心は、地政学リスクよりも、むしろこちらにあります。ワクチン展開でコロナ収束、そして景気刺激策でアメリカ経済復活、という明るいシナリオを支える材料が次々と弱まっていることはドル安につながる可能性があります。
主要指標 終値
今日の為替トレッキング
今日の一言
「それは1年経っても重要な問題なのか?」1年後に問題にならないなら、今だって問題ではない
ハエハエカカカ・ECB
9日のユーロ/円はユーロ安。高値130.33円、安値129.67円。
この日は東京時間から上値が重く、130.33円で上昇をあきらめる。ECB(欧州中央銀行)会合後は130円を下に抜け、 129.67円まで下落。終値は129.74円(前日比▲0.56円)。終値129円台は7営業日ぶり。
この日行われた会合でECBは、PEPP(コロナ危機対策の債券購入特別プログラム)を現行の月間800億ユーロから600から700億ユーロに減額することを発表。さらに12月会合に見直しを行い、来年3月にはPEPPを完了する予定であることを示唆しました。
ECBはFRB(米連邦準備制度理事会)より「先に」緩和縮小するという期待が盛り上がり、ユーロは一時対ドルで1.1841ドルまで上昇。しかし、会合後の会見でラガルドECB総裁は、PEPP減額は緩和縮小ではなく調整の一環にすぎないと述べたことで、今度は1.1800ドル近くまで下落しています。ECBの中期インフレ見通しが、目標とする2.0%を大きく下回っていることもユーロ買いの勢いを削ぎました。
ECB政策の手の内がわかったので、次はFOMC(米連邦公開市場委員会)待ちです。両中央銀行の政策方針を比較すればユーロの方向が決まるでしょう。
今日の注目通貨:ドル/円
今週の予想レンジ ↑110.69円、↓109.01円
↑ 8月高値の110.80円台が重要ポイント
↓ 109.50円以下に買い
今週のドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は109.85円。109.85円より上ならばドル買い優勢、109.85円より下ならばドル売り優勢。
2021年これまでの高値は111.66円、安値は102.59円。平均値は107.13円。
1日の最大値幅は1.14円、最小値幅は0.18円。平均値幅は0.57円。
2021年のこれまでの値幅は9.07円。
112.40円 : 2019年 高値(19年04月24日)
112.22円 : 2020年 高値(20年02月20日)
111.66円 : 2021年 高値
111.01円 : 第4レジスタンス(HBO)
110.80円 : 08月 高値
110.69円 : 第3レジスタンス
110.37円 : 第2レジスタンス
110.27円 : 第1レジスタンス
110.01円 : 08月 61.8%
109.85円 : ピボット
109.76円 : 08月 平均値
109.52円 : 08月 38.2%
109.43円 : 第1サポート
109.33円 : 第2サポート
109.01円 : 第3サポート
108.72円 : 08月 安値
108.69円 : 第4サポート(LBO)
107.32円 : 2019年 安値
2021年 ドル/円データ
(荒地 潤)
この記事に関連するニュース
ランキング
-
1『地面師たち』積水ハウスの“秘密文書”に見る巨額詐欺事件の真相「ずさんな手書き稟議書」「急展開した取引」の背景に派閥争い
NEWSポストセブン / 2024年9月23日 11時13分
-
2出戻り社員「アルムナイ採用」が増えた切実な事情 かつては"裏切り者扱い"も今や大歓迎だが…
東洋経済オンライン / 2024年9月23日 11時0分
-
3なぜ、「パン屋さん」みたいなセブンが増えているのか できたてのカレーパン、ドーナツ、メロンパンを強化する背景
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月23日 6時15分
-
4「効率化で"不要になった社員"」活用する術ある?
東洋経済オンライン / 2024年9月23日 13時0分
-
5「一石二鳥」商品が続々登場 日々使って、災害時にも
共同通信 / 2024年9月23日 15時31分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください