ドル/円バリ上げで111円接近中!この勢いは続かない?
トウシル / 2021年9月27日 9時41分
ドル/円バリ上げで111円接近中!この勢いは続かない?
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは111.40円
↓下値メドは109.90円
首相交代で、アベノミクス以来続く政府と日銀との関係が見直される可能性
24日(金曜)のドル/円は「円安」。高値110.79円、安値110.25円、値幅は0.54円。
この日は110.30円からスタート。東京時間朝に110.25円まで少し下げたあとは上昇に転じ、午後には110.50円を上に抜けて今月の高値を更新。達成感からいったん110.30円まで緩みましたが、買いたい人は多く再び上昇を始めるとNY時間午後には110.79円まで上値を伸ばす。終値は110.74円(前日比+ 0.41円)。次の目標は8月高値110.80円、7月高値111.66円。安値の110円台は今月8日以来。
24日のユーロ/円は、「ユーロ高」。高値129.85円、安値129.38円。
NY時間の朝に129.38円まで下げたあと、NY時間夕方に129.85円で反発。終値は129.80円(前日比 +28円)。9月14日以来ご無沙汰の130円台がやっと見えてきました。
先週のマーケットの話題は、前半は中国恒大集団、後半はFOMC(米連邦公開市場委員会)が独占しました。破綻に備えたリスク落としと米利上げ前倒しによる米10年債利回りの急上昇でマーケットは右往左往しましたが、投資家は株と債券のポートフォリオを十分にヘッジしていたようで、パニックになることはなく、週が終わってみればNYのダウ平均株価は週間では4週間ぶりの反発。
ドル/円急上昇は、行き場を失ったエネルギーがFXに向かった結果といえます。その意味ではこの円安に持続性があるかもう少し様子を見たい。恒大集団の破綻リスクは、現在の状態をマーケットが適正に織り込んだだけで、リスクが消えたわけではない。その意味では本当のリスクオンとはいえません。
今週前半は、金融シンポジウム「ECBフォーラム」の主要中央銀行総裁による討論会に注目。29日にラガルドECB(欧州中央銀行)総裁、ベイリーBOE(イングランド銀行)総裁、黒田日銀総裁、そしてパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が発言予定。
中国政府の次の標的は暗号資産で、ビットコインなどの決済や関連サービスを全面的に禁止すると発表しました。こちら動きも注目。
主要指標 終値
今日の為替トレッキング
今日の一言
故にことごとく用兵の害を知らざる者は、則ちことごとく用兵の利をも知ること能わざるなり(戦の損害を十分知りつくしていない者には、戦の利益も十分知りつくすことはできない)- 孫子
Rule The World
FRB(米連邦準備制度理事会)は、かなり意図的に、そしてとても周到に、来るべき緩和縮小の開始に向けて、マーケットを誘導しようとしてきました。
約2カ月前、クラリダFRB副議長は、米経済の先行きについて、「インフレ見通しのリスクは上向き」、「雇用市場は、2022年末までに最大雇用に達する」と、かなり強気の見解を示しました。
FRBの金融政策のデュアルマンデート(2つの法的使命)は「物価の安定」と「完全雇用」。クラリダ副議長の予測によると、この両方ともが2022年中に達成可能。FRBの金融政策立案における指導者的立場にあるクラリダ議長の発言は単なるタカ派的見解というレベルを超えて重く受け止められました。
その考えに沿う形で、9月FOMC(米連邦公開市場委員会)後の会見で、パウエルFRB議長は「量的緩和政策は2022年半ばで終了するのが妥当」であると発表しました。
FRBは、コロナ対策で大きく膨らんでしまったバランスシートを安定した状態に戻すために、緩和縮小をできるだけ早く完了させる必要があると考えています。現在のFRBの量的緩和政策による債券購入額は毎月1,200億ドル。毎月150億ドルずつ削減していくとして、8ヵ月必要。2022年6月に終了するには、逆算すると緩和縮小は今年の11月から始まることになります。
では利上げはいつから始まるのか?9月公表の最新ドットチャートによると、FOMCメンバー18名のうち9名が2022年の利上げを予想しています(1回が6名、2回が3名)。量的緩和終了の経済効果を測定するためにも、利上げ開始までにある程度の期間を持たせることが必要だとFRBは考えます。その期間が半年で充分なのかはまだわかりません。前回の利上げサイクルでは、量的緩和が終了したあと最初の利上げまでに1年2カ月の間隔がありました。
今日の注目通貨:ドル/円
今週の予想レンジ ↑112.02円、↓108.68円
↑ 2021年高値は111.66円
↓ 109.50円以下の買いは堅い
今週のドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は110.35円。110.35円より上ならばドル買い優勢、110.35円より下ならばドル売り優勢。
2021年これまでの高値は111.66円、安値は102.59円。平均値は107.13円。
1日の最大値幅は1.14円、最小値幅は0.18円。平均値幅は0.57円。
2021年のこれまでの値幅は9.07円。
112.66円 : 第4レジスタンス(HBO)
112.40円 : 2019年 高値(19年04月24日)
112.22円 : 2020年 高値(20年02月20日)
112.02円 : 第3レジスタンス
111.66円 : 2021年 高値
111.38円 : 第2レジスタンス
111.18円 : 第1レジスタンス
110.79円 : 09月 高値
110.35円 : ピボット
110.15円 : 09月 61.8%
109.95円 : 09月 平均値
109.75円 : 09月 38.2%
109.51円 : 第1サポート
109.32円 : 第2サポート
109.11円 : 09月 安値
108.68円 : 第3サポート
108.04円 : 第4サポート(LBO)
107.32円 : 2019年 安値
2021年 ドル/円データ
(荒地 潤)
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