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コロナの次は世界的エネルギー危機。リスクオフのドル安でドル/円は111円台維持できず

トウシル / 2021年10月5日 10時0分

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コロナの次は世界的エネルギー危機。リスクオフのドル安でドル/円は111円台維持できず

今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは111.65

下値メドは110.30

パウエルFRB議長、来年2月で退任の可能性。米民主党急進左派議員が交代求める

 4日(月曜)のドル/円は「円高」続行。 高値111.30円、安値110.82円、1日の値幅.48円。 
この日は110.91円からスタート。東京時間から何度か111円台を試したあと、欧州時間に111.30円をつける。米10年債利回りが1.51%近辺まで高くなり111円の必要条件を満たしたことも理由になりました。しかし、原油価格の急騰を背景に資源通貨が対ドルで上昇するなかで再び111円を割ると110.82円まで下落。終値は110.92円(前日比▲0.15円)

 今日のハイライトはRBA(豪準備銀行)の政策会合。RBAは2024年までは政策金利据え置きのスタンスですが、マーケットは2022年の利上げを織り込み済。国内では低金利を背景に不動産バブルが発生しつつあり、借り手の所得や資産の審査をせずに融資するいわゆる「うそつきローン」が横行する状況。金利据え置きは近い将来見直されると考えているからです。

 一方で、中国の景気減速が豪経済を直撃するおそれが高く、RBAは簡単に利上げもできない状況。資源価格の上昇にもかかわらず豪ドルのパフォーマンスが冴えないのは、 NY株価の下落や恒大集団の破綻リスクの不安の方が大きいせいもあります。

 緊急事態宣言が解除された日本では、1年半ぶりに明るいムードが戻ってきたようですが、明るい年末になると安心してはいられない。コロナの次はエネルギー危機とインフレがやってくるからです。中国の北京では電力不足で計画停電を実施、インドも停電は避けられない状況。欧州では、天然ガス価格の急騰でガス料金が今年の初めに比べて400%(!)も値上り。英国では逆ザヤになったエネルギー供給業者がばたばたと倒産しています。そのなかでOPECプラス(石油輸出国機構プラス)はこの日、原油消費国の増産要求を無視して毎月日量40万バレルを維持。NYの原油先物価格は7年ぶりの高値をつけました。

 FRB(米連邦準備制度理事会)のブラード連銀総裁は、 PCE(個人消費支出)コアインフレは来年2.8%まで上昇すると予想。さらにインフレはFRBの目標値である2%には「戻らない」可能性があるとも警告しています。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

※次回10月6日(水)の毎ヨミ!為替Walkerは休載です。 

今日の為替トレッキング

今日の一言

心配事の80%は起こらない – ミシガン大学調査

Two of Hearts

 米国でコロナウイルスワクチンの接種が本格化する前、米経済再開の見通しがまったく不透明なときに、FRB(米連邦準備制度理事会)は、FOMC(連邦公開市場委員会)において、政策のフォワードガイダンスに関して重要な変更を行いました。2020年12月のことです。

 FOMCは、政策のフォワードガイダンスを従来の「今後数カ月」といったような、期間を定めた定量的なガイダンスから、最大雇用と物価安定の目標達成に向け「一段の著しい進展があるまで」という、数字では表わせない定性的なガイダンスへと修正しました。9月のFOMCでパウエル議長は、物価安定(インフレ率)に関しては「目標に達した」と認めました。では完全雇用はどうか?実はこの定義を巡ってFRB内部で見解の相違があるようです。

 パウエル議長は、最大雇用に向けた十分な「進展」があれば十分との意見ですが、ブレイナード理事は目標の「実現」を望んでいます。パウエル議長とブレイナード理事のどちらがFOMCメンバーに対してより説得力を持つかによって、緩和縮小の終了時期、そして利上げというFRBの重要政策の見通しが異なってきます。

 今週金曜日に9月雇用統計の発表があります。市場予想によると、失業率は5.1%に低下、NFP(非農業部門雇用者数)は50.0万人増加。2021年1月から8月までの期間、雇用者増は月平均で56万人増えています。今後もこのペースで増えていくとするならば、米国の雇用者数は、来年の5月には新型コロナで失われた分を全て回復することができます。順調に増えているからよしとしようじゃないかというのがパウエル議長。コロナ前に戻るまでは安心できないというのがブレイナード理事。

 ブレイナード理事は、パウエル議長が来年2月に再任されない場合に議長職を引き継ぐ公算が高いといわれています。ブレイナード理事はエコノミストで、自分の経済チームを持ち、米財務省出身でイエレン財務長官とは非常に親密な関係。米民主党急進派から強い支持を受け、女性を積極登用するバイデン政権にとっても適材。パウエル議長は、やや不利なようです。

今日の注目通貨:豪ドル/円

今週の予想レンジ ↑82.05円 ↓79.21円
↑ 9月高値は82.03円
↓ 80円割れのリスクある

 今週の豪ドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は、80.63円。
80.63円より上ならば豪ドル買いが優勢、80.63円より下ならば豪ドル売りが優勢と判断します。

 2021年これまでの高値は85.80円、安値は77.89円。平均値は81.85円。
1日の最大値幅は1.84円、最小値幅は0.19円。平均値幅は0.68円。
2021年のこれまでの値幅は7.91円。

82.59円 :     第4レジスタンス (HBO)
82.05円 :     第3レジスタンス
82.03円 :     09月 高値

81.51円 :     第2レジスタンス
81.34円 :     第1レジスタンス

80.81円 :     09月 61.8%

80.63円 : ピボット

80.44円 :     09月 平均値
80.06円 :     09月 38.2%

79.92円 :     第1サポート
79.75円 :     第2サポート 
79.21円 :     第3サポート

78.85円 :     09月 安値
78.67円 :     第4サポート  (LBO)

77.89円 :     2021年 安値

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

2021年 豪ドル/円データ

※次回10月6日(水)の毎ヨミ!為替Walkerは休載です。 

(荒地 潤)

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