1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

「前半上昇/後半下落」の往って来い相場、恒大集団問題や米金利上昇が逆風に

トウシル / 2021年10月7日 1時25分

写真

「前半上昇/後半下落」の往って来い相場、恒大集団問題や米金利上昇が逆風に

9月の新興株<マザーズ、ジャスダック>マーケットまとめ

 弱かった日本株も8月末から上向くと、9月前半は謎の覚醒モードに突入。日経平均株価が、株価指数として世界最強クラスのパフォーマンスを叩き出し始めます。日本独自のカタリストをもたらしたのが、3日の昼、突然流れた菅総理の退任報道でした。

 株高?株安?、どっちとも受け取れるニュースだったはずですが、初動は株高で反応。新政権への期待感が勝ったようで、この日に日経平均株価は節目の2万8,000円突破。そして7日には3万円の大台をぶち抜き、14日には年初来高値を更新しました。

 8月中旬まで、日本株は香港に次ぐ低パフォーマンスにあえいでいたこともあり、それまでに海外投資家も日本株を大幅売り越して(とくに先物)いました。“新政権期待”、これが、手前の先物売り分を買い戻すトリガーになったようです。

 日本株急騰のなか、大幅買い越しだったのが外国人で、とくに先物(買戻し?)でした。地合い好転でセンチメントが上向き、マザーズなど新興株にもプラスに働きます。

 ただし、海外勢の先物買戻しという需給要素が強い上昇でしたので、その需給要素を受けない新興株市場は東証1部に迫力負け…そんな月前半でした。

 ただ、これも月後半に一変。日本の個人投資家の間でも、ネット中心に不安が拡散していましたが、かなり影響したのが中国不動産大手「中国恒大集団」のデフォルト懸念でした。20日期限の利払いができない見込みと報じられるなか、その20日の日本市場が祝日で休場。

 何かあったら怖いから、連休前にポジションを減らしておこう…そんなムードがどんどん広がり、16日にマザーズ指数は3.6%安に。

 日本は23日も祝日でしたが、前日にFOMC(米連邦公開市場委員会)もあるなど、休み前にリスク軽減でポジション圧縮の動きが起きやすいカレンダーだったことも不運でした。

 また、28日は海運や半導体、これまで上がっていた大型グロース株などがそろって急落。FOMC後の米長期金利上昇によるグロース株売りの地合いはマザーズにも伝播し、この日も大幅安。

 さらに、自民党総裁選の29日、この日はマザーズ上場のIPO(新規上場株式)4社同日上場という過密スケジュールによる資金分散も影響し、月間安値を付けました。

 月間騰落率は、日経平均株価+4.9%、TOPIX(東証株価指数)+3.5%、日経ジャスダック平均+1.1%と、後半急失速ながらもプラスだったのに対し、東証マザーズ指数は▲0.7%。往って来いですが、前月比では少し足が出てしまう格好に。

9月の売買代金ランキング(人気株)

 売買代金ということで言えば、9月は「新興株以外」が大盛り上がり。個別株では海運大手3社が活況でしたが、日経平均が大きく動いたことで日経平均のブルベアETF(上場投資信託)にも短期資金が向かいます。

 とくに、まさかの3万円超えで、ダブルインバースETFを買う(=日経平均をショートする)“逆張り”の個人投資家が激増。ダブルインバースETFの信用買い残は、17日時点で1億3,442億口という過去最大口数に膨らみました。

 東証1部の売買代金は、9月は1日平均3兆4,060億円(8月は2兆3,700億円)と前月比44%増加。一方でマザーズは、9月の1日平均が1,556億円(8月は1,263億円)と前月比で23%の増加でした。

 8月に今年最低の売買代金を記録するなど、前月が超低水準だったことを思えば商いはいまだ低水準。東証1部界隈へ、短期の個人マネーも仕向けられた月だったといえそうです。

 その中で、本決算発表のあったプレミアアンチエイジングが今月もトップ。決算翌日の初動は急落となりましたが、押し目買い意欲も満載でした。

市場 コード 銘柄名 9月末
終値
時価総額
(億円)
売買代金
25日移動平均
(億円)
月間
騰落率
マザーズ 4934 Pアンチエイジ 13,610 1,187 96.4 -16%
マザーズ 4385 メルカリ 6,160 9,827 74.8 13%
マザーズ 4475 HENNGE 5,930 963 72.7 22%
マザーズ 7370 Enjin 4,105 303 62.2 -14%
ジャスダック 6890 フェローテック 3,190 1,237 57.7 -2%
マザーズ 4477 BASE 1,096 1,215 57.1 -4%
マザーズ 2158 FRONTEO 1,767 693 52.8 -1%
マザーズ 3998 すららNT 2,286 153 46.9 -17%
マザーズ 3936 グロバルウェ 2,300 134 44.0 84%
ジャスダック 1407 ウエストHD 4,975 2,290 41.4 1%
マザーズ 5759 日本電解 3,715 269 37.4 11%
ジャスダック 2484 出前館 1,682 1,438 27.5 8%
ジャスダック 5381 Mipox 1,170 141 26.0 15%
マザーズ 6027 弁護士コム 6,420 1,429 25.6 -8%
ジャスダック 2702 マクドナルド 5,260 6,994 25.2 0%
マザーズ 4485 JTOWER 8,750 1,923 24.8 -4%
ジャスダック 8256 プロルート 310 91 24.4 -16%
マザーズ 4169 エネチェンジ 3,945 541 23.3 65%
ジャスダック 4816 東映アニメ 20,640 8,669 23.2 24%
マザーズ 7342 ウェルスナビ 3,450 1,573 22.7 -9%

売買代金ランキング(5銘柄)

1 メルカリ(4385・東証マザーズ) 

 マザーズ指数の9月騰落率が▲0.7%だったのに対して、メルカリの月間騰落率は+13.2%。メルカリのマザーズ指数ウエイトは12%ですので、メルカリの上昇分で9月のマザーズ指数を約1.6%押し上げた計算になります。

 メルカリの影響力は、日経平均におけるファーストリテイリング以上。そして、そのメルカリが15日に上場来高値を更新し、時価総額が1兆円を突破したのは驚きでした。

 日経平均株価が年初来高値を付ける過程で、メルカリもグイグイ上値を切り上げていきました。個人投資家が上値を順張りで買い上がるとは思えず、さらに東証1部と一緒に上がっていたことを思えば、買いの主体は「外国人」で間違いなさそう。

 8月に本決算を発表後、外資系証券が投資判断を最上位に引き上げていました。複数の新サービスで次の成長ステージへ入るとの見方が、外国人の買いカタリストになったようです。

2 HENNGE(4475・東証マザーズ)

 昨年のコロナラリーで大出世したDX関連株でしたが、8月まで大幅調整。それが一転、9月に再評価の動きを強めたのは、海外投資家のHENNGE買い観測が広がったためでした。

 まずは3日、米系の運用会社アーチザン・インベストメンツが、保有目的を「純投資」として発行済み株数の5.84%保有を報告。さらに7日には、米系の運用会社で日本でも有名なキャピタル・リサーチも発行済み株数の6.02%を保有していたと報告しています。

 両社とも取得比率が5%を超え、報告義務が発生したのは8月末時点だったことで、8月の株価3,000円台辺りで拾い集めていたことが想像されます。

 ちなみに米キャピタルは24日、保有比率を7.83%に引き上げたと報告しており、株価5,000円~6,000円の水準でも買い増していた様子。ロングオンリーの海外勢が買う銘柄という安心感が、驚くほどの人気再燃につながりました。

3 BASE(4477・東証マザーズ)

 前月(8月)、月間騰落率▲32%という上場来最低パフォーマンスを記録したBASE。年初来安値圏での低空飛行が続くなか、リバウンドののろし上がるか? と期待されたのが10日の火柱高でした。

 きっかけは、国内証券による投資判断「買い」、目標株価1,830円での新規カバレッジ開始。レポート発行時終値が1,121円だったこともあり、7割弱のアップサイドを示唆する目標株価の高さに関心が向かったようです。

 ただ、レポート手掛かりに10日に23%も急騰したこともあり、あっさり高値警戒感が台頭。月後半は、新型コロナ感染者数の激減で経済正常化期待が広がるなか、地合いは同社のようなビジネスモデルの銘柄(ウィズコロナ株)には逆風に。

 一度上がったあとの調整となり…逆張りの買いで信用買い残を730万株と、前月末の541万株比で大きく膨らませてしまいました(=需給の重石)。

4 ウエストHD(1407・ジャスダック)

 世界的な脱炭素のトレンドに乗るとされ、再生エネルギー関連のテーマ株として人気化してきた銘柄。

 個別材料としては7日、米アマゾンと三菱商事が国内に450カ所以上の太陽光発電所網を構築すると一部で報じられ、その設備開発受託でウエストHDの名前が挙がったことを好感しました。上値を切り上げ、10日に付けた6,380円が現時点の上場来高値です。

 ただ、月後半に急失速。テーマ株としての個人投資家からの人気でプレミアムを乗せていた面が大きく、その反動が株価の逆流という形で目に見えて現れました。きっかけは、29日に予定されていた自民党総裁選で、脱原発を持論とする河野氏が劣勢との見方が広がったこと。

 河野氏立候補も買い材料にしていたため、岸田氏勝利を受けて「岸田関連銘柄買い/河野関連銘柄売り」のリアクションが強めに出ました。

5 日本電解(5759・東証マザーズ)

 IPO直後の強烈上昇で、地味な業態ながらも投資家からの知名度を高めた直近IPO銘柄。9月はトヨタ自動車との関連材料で大きく動意付く場面をつくりました。きっかけは、トヨタ自動車が7日、2030年までに車載電池へ1兆5,000億円を投資すると発表したこと。

 EV(電気自動車)拡大の恩恵を受けそうなEV関連銘柄が物色対象に。その一角として、8日に同社も急騰しました。

 同社は、昨年3月にトヨタと共同で全固体電池を製造するための技術に関する特許を出願していました。

 こちらについても24日付で、「全固体電池の製造方法」に関する特許が特許公報に公開されたことを発表。トヨタのEV開発のニュースとの感応度が強い銘柄として覚えておいて損はなさそうです。

9月の株価値上がり率ランキング

 7、8月に続き、グローバルウェイが3カ月連続のランクイン。7月21日の年初来安値からわずか2カ月、9月22日に年初来高値を付け、この間の瞬間最大上昇率では17倍超。

 仕手株チックな動きから始まりましたが、ここまで発展するとは…「信じられない」の一言ですが、圧巻でした。そのほか、トップ20のうち、時価総額100億円未満の小型株が半数。

 動意付いた材料としては決算サプライズが多かったのですが、サプライズ発生前の流動性・知名度の低い銘柄が、需給ギャップでつり上がるケースが多発しました。

 また、国内での新型コロナ感染者数の激減(理由不明)を受け、30日期限の緊急事態宣言解除が意識され、アフターコロナ株が物色対象に。需要の顕在化が早いと見られる旅行関連の小型株から、旅工房やHANATOURがランクイン。

 和心、247などもアフターコロナ株ですね。そのほか、ネット決済メインのGMOPGが軟調ななか、対面決済メインのGMOPG子会社GMO―FGが急騰しました。

市場 コード 銘柄名 月間
騰落率
9月末
終値
前月末
終値価格
時価総額
(億円)
ジャスダック 1783 アジアGTHD 113% 102 48 61
マザーズ 7050 フロンティアI 90% 3,085 1,623 142
マザーズ 3936 グロバルウェ 84% 2,300 1,248 134
ジャスダック 6898 トミタ電機 73% 2,523 1,462 21
マザーズ 4051 GMO-FG 68% 34,050 20,210 1,398
マザーズ 2983 アールプランナ 66% 4,145 2,500 55
マザーズ 4169 エネチェンジ 65% 3,945 2,385 541
ジャスダック 7298 八千代工 64% 999 610 240
マザーズ 7063 Birdman 52% 1,670 1,100 43
マザーズ 9271 和 心 48% 568 385 18
マザーズ 4490 ビザスク 42% 6,440 4,535 570
マザーズ 6548 旅工房 40% 1,481 1,059 83
マザーズ 6198 キャリア 39% 738 530 64
マザーズ 3628 データHR 37% 2,151 1,567 230
ジャスダック 9376 ユーラシア 36% 619 455 23
マザーズ 6561 HANATOUR 36% 1,091 804 120
マザーズ 1436 フィット 36% 1,155 852 49
マザーズ 4888 ステラファーマ 35% 653 484 187
ジャスダック 6626 SEMITEC 33% 11,280 8,500 321
マザーズ 7074 247 32% 1,225 928 55

値上がり率ランキング(5銘柄)

1 アジアゲートHD(1783・ジャスダック)

 怪しさ満載の値動きでしたが、仕手系材料株として株価は2倍高に。8月末の株価は48円と超低位株で、時価総額も約61億円の超小型株でした。この時点では信用買い残もわずか1,400万円程度で、1日の売買代金も1,000万円未満。

 少額の買いで値が飛びやすい銘柄でしたが、動意付いたことで値幅取り狙いの個人短期マネーを呼び込んだことで値を飛ばしました。

 材料と言えるとすれば、27日のリリースくらいでしょうか。不動産事業を展開するNC MAX WORLDという会社に49%出資し、持分法適用会社にすると発表しています。

 業績に反映されることへの期待、ということでしょうが、そもそも急に動意付いたのはその2週間前。怪しさ満載…。

2 フロンティアインターナショナル(7050・マザーズ)

 決算に関するポジティブサプライズをきっかけに、買い注文に対する売りの少なさ(持っていた短期の個人投資家が少ない)から生じる需給ギャップで急騰した銘柄。

 同社は13日、今第1四半期の売上高が前年同期比79%増、営業損益は2.57億円の黒字(前年同期は1.9億円の赤字)に転換したと発表しました。デジタルでのイベント配信やオンライン案件の大幅伸長が理由のようです。

 また、中間期の業績予想も初めて開示。営業利益が前年同期比3.7倍の11億円見通しとし、伸び率の高さがサプライズとなりました。

 決算ポジティブ銘柄ですが、それを期待して保有していた個人投資家が少なかったのが最大のポイント。決算直前時点の25日移動平均売買代金は、わずか1,279万円でした。

 流動性、知名度とも極めて低い状態で注目を浴びたため、膨らんだ買い注文に対して売り注文が圧倒的に不足し…発表翌日から2日連続ストップ高買い気配で、上限値幅4倍拡大の措置が発動した16日にようやく(発表前比73%高で)寄り付きました。

3 グローバルウェイ(3936・東証マザーズ)

 今年の上昇率ナンバーワン新興株です。当初は仕手系材料株でしたが、流動性があまりにも高くなったことで、大口の個人短期勢、アルゴリズムまで参戦し始めた印象。前月に発表した1対5の株式分割接近も株価にはプラス方向へと働きました。

 1対5の株式分割の権利落ち日は15日。株式分割で買いやすくなるため株価は上がる、と思われがちですが、実際は分割後に急落するケースは意外に多いといえます。しかし同社の場合、5分割で買いやすくなった15日がストップ高買い気配に。

 そこから22日高値まで水準を切り上げたのですが…やはり買ったのは個人の信用組。東証が24日売買分からの増担保規制を発表。これで2日連続ストップ安に。それでもなお、株価は当初に比べて高株価です。いつまで高値維持するのか、はたまた高値を再度突き破るのか…。

4 アールプランナー(2983・東証マザーズ)

 名古屋を中心に、戸建て住宅の請負・分譲を展開。マザーズ銘柄としては業態が地味なこと、愛知県地盤のため知名度が低かったこともあり、マザーズでは珍しい予想PER(株価収益率)7倍台の低PER株でした。

 その同社が6日、中間期業績の上方修正を発表。コロナ禍での生活スタイル変化で戸建て住宅の需要が高まり、営業利益は前年同期比2.4倍に大幅増額しました。

 同社についても、流動性、知名度とも極めて低かった銘柄。中間期業績の増額発表直前の25日移動平均売買代金は1,065万円でした。

 時価総額も27億円台と超小型だったこともあり、決算サプライズで集まった買い注文に見合うだけの売り注文はなかなか集まらず…翌日はストップ高買い気配、月間では66%高と、株価は景色を変えました。

5 Birdman(7063・東証マザーズ)

 マイナー小型株が決算材料で急騰、勢いとしてはナンバーワンだったと思われます(“往って来い”気味となり、月間上昇率としては52%高どまりでしたが…)。14日、今2022年6月期の業績予想を、売上高は33.1億円(従来予想25.0億円)、営業利益は2.1億円(同1.0億円)へ大幅増額。

 併せて、新進気鋭のアーティストやクリエイターと連携し、新しいエンタメを創出するエンターテイメント・トランスフォーメーション事業を新設するとも発表しました。後者の新事業の材料としての強度は分かりかねますが、前者の業績修正は明らかにポジティブサプライズ。

 同社も発表前の時価総額は27億円台と超小粒で、発表直前の25日移動平均売買代金はたった400万円でした。ほぼ売買されていなかった銘柄に短期マネーが集まったことで、強烈な需給ギャップが発生。

 発表翌日から2日連続ストップ高買い気配で、上限値幅4倍拡大の措置が発動した17日に全株一致しました。この日の高値が3,150円でしたので、発表前終値1,088円に対し、瞬間最大で190%の上昇率を記録。社名の通り(?)、空高く飛びました。

10月に注目したい新興株の動き

 10月の新興株、(現時点では)「上がりそうな匂いが全然しない…」と感じている投資家が多そう。それくらい、9月末からの大逆流は、個人投資家の心を折る展開だったように思います。

 証券業界の解説者の大半が「まだ上がる」と言っていた海運株が急落(急落すると手の平返しになっている気がしますが)。

 上半期の上げが強かった銘柄に片っ端から売りがバンバン入っているような雰囲気で、レーザーテックなど半導体株、ベイカレントなど大型グロース株がすさまじい勢いで下げています。

 謎の覚醒モードに入って3万円を超えた日経平均株価も、証券業界の解説者は「これでも割安だから3万2,000円になってもおかしくない」的論調を主流にしていましたが、猛烈なスピードで上げた日経平均も猛烈なスピードで逆流(下落)しています。

 一方で、このタイミングで緊急事態宣言が全面解除され、コロナ経口薬の進展ニュースもあってアフターコロナ株(リオープニング銘柄)が買われています。

 アフターコロナ株の波に乗っている投資家も多いのでしょうが、圧倒的多数は海運の急落、任天堂の安値、そして日経平均の水準切り下げに“逆張り”で買い向かっているように見えます。

 値ごろ感で買っては崩されロスカット、リバウンドを信じてホールド…つい先日まで、売り方の買い戻しも誘発しながら好需給でモメンタムをつくっていた銘柄群が、需給を短期間で悪くしてしまった印象です。

 関与した個人マネーが大きいだけに、個人の信用評価損益率も悪化。これが、個人メインの新興株市場にはマイナス要素となります。

 加えて、FOMC後の米長期金利上昇で米グロース株が弱いこと、中国恒大集団のデフォルト懸念を無傷で通過できる気がしないこと、新興株でいえば大型のアフターコロナ株が極めて少ないこと―なども気掛かりで、冒頭に戻りますが「上がりそうな匂いが全然しない…」な10月の新興株市場。

 とはいえ、ここから「大きく下がりそうな匂いもそこまでしない…」のが今の新興株市場でしょうか。海運活況に乗ってマザーズも上がってきたわけでもなく、日経平均大幅高の9月もマザーズは月間マイナス。IPOも初値で2倍になる銘柄がある程度で、初値11倍高銘柄が生まれた昨年のような過熱感は皆無です。

 この雰囲気の中、「新興株が上がるカタリストがない」という状況といったところ。反動が出るほどの過熱感が手前で発生していないけど、あえて新興株を物色する理由がない…。

 目下では、人気銘柄の株価急落で信用評価損益が悪化し、個人のセンチメントが悪く、需給的なアゲインストが強くあります。こういう場面では、需給要因で大きく崩れた銘柄の押し目を拾うとか、安く仕込むチャンスを待つくらいのスタンスが良さそう

 ちなみに10月のマザーズ指数は、過去10年のうち8回、9月と逆の動きになった」というトラックレコードがあります。9月に上昇したのが6回で、10月はそのうち5回が下落。9月に下落したのが4回で、10月はそのうち3回で上昇しています。

 今年の9月は下げていますので、10月が反転上昇になってもおかしくないように思います(海運や半導体に向かっていた短期マネーは、アフターコロナ株も一巡すれば、必ず別の何かに向かうはずです)。

(岡村 友哉)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング