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ひたすら出遅れた日本株、新興株も低調ながら一部銘柄はカオスに

トウシル / 2021年11月10日 13時54分

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ひたすら出遅れた日本株、新興株も低調ながら一部銘柄はカオスに

10月の新興株<マザーズ、ジャスダック>マーケットまとめ

“岸田ショック”と名付けられたベアラリーが10月初旬まで継続。「誰が売ってるの?」「まだ売るの?」「なぜ売るの?」疑問だらけの下げ方で、日経平均株価が崩壊しました。

 その後の投資主体別売買データでは、外国人投資家の先物売りが主導していたことも判明しましたが、その渦中では「今日こそ底入れしそう」という期待感は醸成されていました。毎日が買い場に見え、日経平均の2倍動くレバETF(上場投資信託)の逆張り買いも加速度的に積み上がりました。

 あまりにハイボラな日経平均に関心が向かい、日経平均を横目に見ながらトレードする(日経平均が上がり始めたら買い、下がり始めたら売り)投資家がこの時期急増したのも特徴でした。構成銘柄、投資家層が違うマザーズ指数も、この時期はやたら日経平均に連動。その日経平均が底入れしたのが6日で、マザーズ指数もほぼ同タイミングでいったん底入れしました。

 10月は米長期金利の上昇を警戒する場面もありましたが、日本の投資家の心配を他所に、圧巻の強さで最高値を再び付けた米国株指数。

 中国恒大集団のデフォルト懸念の後退もあり、中国株市場も落ち着きを取り戻しました。10月月間騰落率はNYダウが+5.8%、ナスダック総合指数も+7.3%と大幅上昇! 香港ハンセン指数も+3.3%とリバウンドしたのに対し、我らが日本株は…。日経平均株価が▲1.9%、TOPIX▲1.4%、新興株市場では日経ジャスダック平均▲1.1%、東証マザーズ指数▲1.8%と全指数がマイナスでした。

 他国と比べたふがいないパフォーマンスの理由には、日本の独自要因が存在するはず。それでいえば10月は、月末に衆院選という政治イベントを控えていたことが挙げられます。

 選挙戦の終盤、メディアが相次いで自民党の苦戦予測を報道。これで選挙直前に売りヘッジをかけたり、買いポジションを減らす雰囲気につながった面もありそうです(衆院選の結果は自民党が絶対安定多数を確保、翌日11月1日はサプライズで日経平均大幅上昇)。

「日本株弱い」が浸透するなか、短期売買を前提にする投資家比率が平常以上に高くなっていた印象がありました。

 株価モメンタムが強い直近IPO(新規公開株)の数銘柄だけに資金が集中したり、動意付いた小型材料株をどこまでも買い上げたり…。決算内容を分析するとか、割安株を探して仕込むとか、銘柄ピックの努力をする投資家がへきえきするような地合いだったようにも思われます。

10月の売買代金ランキング(人気株)

 マザーズ市場全体の売買代金(=流動性)は前月に比べて減少しました。9月の1日平均売買代金1,556億円に対して、10月は1,403億円と約1割ダウン。日経平均の振れ幅が大きかったことで、日経平均ブルベア型ETFへ個人マネーがシフトしたほか、大型グロース株の逆張り買いなどへ個人の短期資金も向かったようです。前月までトップの座を維持してきたプレミアアンチエイジングが陥落。9月末の売買代金25日移動平均値96.4億円に対し、10月末は46.6億円と半減しています。

 10月のトップは時価総額でも最大のメルカリですが、全体的に1銘柄当たり売買代金は少な目。その理由として、個人の短期資金が直近IPO株へ向かったことも挙げられます。

 10月はIPO数が少なかったのですが、地合い悪で初値高騰が抑制された9月IPOの一角が人気化(※ちなみに、9月下旬以降に上場した直近IPO銘柄は、25営業日経過していないためランキングに含まれておりません)。なかでも、一番人気となったのがアスタリスクでした。10月末の売買代金5日移動平均値が194.9億円となるなど、他の銘柄の流動性を吸い上げながら上値をガンガン切り上げました。

市場 コード 銘柄名 10月末
終値
時価総額
(億円)
売買代金
25日移動平均値
(億円)
月間
騰落率
東証マザーズ 4385 メルカリ 6,150 9,819 96.1 0%
東証マザーズ 2158 FRONTEO 2,602 1,021 56.2 47%
東証マザーズ 4169 エネチェンジ 5,330 732 53.7 35%
東証マザーズ 4477 BASE 930 1,031 52.7 -15%
東証マザーズ 3936 グロバルウェ 10,050 588 50.4 337%
ジャスダック 6890 フェローテック 3,800 1,480 49.3 19%
東証マザーズ 4934 Pアンチエイジ 11,950 1,042 46.6 -12%
ジャスダック 1407 ウエストHD 6,340 2,918 39.5 27%
東証マザーズ 7373 アイドマHD 8,280 628 37.7 49%
東証マザーズ 5759 日本電解 4,570 331 34.1 23%
東証マザーズ 4889 レナサイエンス 743 94 32.4 -9%
東証マザーズ 4485 JTOWER 10,790 2,372 27.4 23%
東証マザーズ 4475 HENNGE 5,610 911 25.9 -5%
ジャスダック 5381 Mipox 1,171 141 24.4 0%
東証マザーズ 7370 Enjin 2,762 204 22.8 -33%
東証マザーズ 4483 JMDC 8,540 4,805 21.4 11%
ジャスダック 6324 ハーモニック 5,140 4,951 20.7 -5%
ジャスダック 2702 マクドナルド 5,090 6,768 19.9 -3%
東証マザーズ 6027 弁護士コム 6,840 1,523 18.1 7%
ジャスダック 2484 出前館 1,360 1,783 18.0 -19%

売買代金ランキング(5銘柄)

1 メルカリ(4385・東証マザーズ)

 前月に時価総額1兆円の大台に乗せたメルカリ。米長期金利の上昇で大型グロース株が軟調な地合いでも、別格の動きで上場来高値を切り上げました。ピークは19日に付けた6,980円。

 おそらく海外投資家が買い主体と見られますが、新サービス拡大で次の成長ステージに入るというカタリストが資金流入の背景にあったと見られます。

 注目されてきたネットショップ開設事業についても、7日にEコマースプラットフォーム「メルカリShops」の本格提供開始が発表され、この日も大幅高で反応していました。

 月後半は利益確定売りに押されましたが、これは29日に発表予定だった第1四半期決算を前にした動きだったように見られます(直前発表のZOZOが急落するなど、高バリュエーション銘柄の決算リアクションが非常に悪かったため)。

 なお、29日に発表した第1四半期決算は、営業利益が前年同期比2.3倍と市場予想を上ブレ。また、東証の新市場区分で「プライム市場」への変更申請に向けた準備を行うとも発表していました。マザーズの大黒柱も、近い将来、マザーズから卒業しそうです。

2 FRONTEO(2158・東証マザーズ)

 マザーズの人気株として定着しそうなFRONTEO。何といっても、材料性が豊富(おそらくマザーズで最も豊富)。その材料も、同社IRが発信するリリースで創出されている点に特徴があります。

 時系列で振り返りますと…1日に同社のAI(人工知能)エンジン「KIBIT」を三菱UFJモルガン・スタンレー証券が導入したと発表。4日には、医学論文を解析し、製薬企業を支援するAIシステムの提供を開始したと発表しました。

 まだ続きます。米破産法訴訟案件の調査において「KIBIT」のレビューツールがプロセスの効率化に成功したと発表(11日)→マイクロソフトのクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」上での医学論文探索AIの提供開始を発表(19日)→AIツールを「Microsoft Azure」上で提供開始すると発表(25日)→韓国子会社が韓国のITサービス企業と業務提携したと発表(27日)…いずれも買い材料にしながら、株価は上場来高値を更新しました。

 ちなみに、11月も初日の1日から早速リリースを出していました。

3 エネチェンジ(4169・東証マザーズ)

 8~10月まで3カ月連続で月間30%超の上昇率を記録、株価の景色は大きく様変わりしました。10月は、月初いきなり一時ストップ高を付けるなど好発進。9月末、海外のエネルギーベンチャー企業への投資に特化した脱炭素テックファンドを組成すると発表したことが材料になりました。日本ユニシス、東芝エネルギーシステムズも参画し、海外エネルギーベンチャー企業の日本市場参入を支援するとのこと。

 また、月後半は、電力の切り替えサービスを手掛けるオーベラス・ジャパンの全株式取得による子会社化を発表。オーベラス社が不動産業界を主要顧客にしていることから、巨大市場の不動産業界へのサービス提供による自社プラットフォーム価値の向上が期待されているようなのですが…20日に東証が信用規制をかけると発表しています。

 材料は大きな話に見えますが、買ったのは(機関投資家ではなく)信用取引の個人投資家ばかりだった、と解釈できそうです。

4 フェローテック(6890・ジャスダック)

 中国の電力不足の影響など外部環境による業績影響が警戒され、10月初旬に向け株価は想像以上の下落に。年初来高値は9月13日に付けた4,100円でしたが、ここから10月5日安値2,734円まで実に3割以上の下落率となったわけで…今思えば信じられない調整でしたが、5日の安値をボトムに強烈なリバウンドを実現! 下げた分をほぼ全部取り返す勢いで戻しました。

 日本株全体が底入れしたタイミングでリバウンドを始めたのですが、好感されたのは14日の中国における電力不足影響についてのリリースでした。同社によれば、中国の全ての工場で通常通りの稼働となり、二酸化炭素削減目標に対する計画停電の要請も出ていないとのこと。

 これが、中国の電力不足懸念でショートした向きの買い戻しを誘発。そのほか、月の下旬は、一部国内証券の投資判断引き上げ、目標株価大幅引き上げ(3,000円→5,400円)も買い材料視されました。なお、同社の中間決算発表は11月12日予定です。

5 日本電解(5759・東証マザーズ) 

 米テスラ株が7-9月期の好決算、レンタカー大手ハーツによるEV(電気自動車)10万台受注などで急騰!「時価総額1兆ドルクラブ」に仲間入りしたことが話題になり、その余波が日本のテスラ関連銘柄に流れてきました。関連銘柄の筆頭は、米テスラにEV電池を供給するパナソニック…なのですが、テスラ関連銘柄の「次点は日本電解」と株式市場では認識しているようです。

 同社にとって最大の顧客がパナソニックで、車載電池関連の銅箔を提供しています。そのパナソニックはテスラにEV電池を提供していますので、パナソニックに次ぐテスラ関連銘柄は日本電解という理解になっているようです。

 ちなみに同社株といえば、信用買い残がやたら積み上がった個人投資家に人気の銘柄。10月末時点の信用買い残が135万株と、発行済み株数の18%強! 高値更新で需給は好転しましたが、下がり始めると戻り売り圧力に相当悩まされそうな銘柄ともいえます。

10月の株価値上がり率ランキング

 度肝を抜く上昇率でトップに返り咲いたのがグローバルウェイ。7~10月まで4カ月連続で値上がり率ランキング上位に入るという、超希少事例になっています。その上昇率も想像をはるかに凌駕(りょうが)。7月21日に付けた年初来安値から10月末終値まで、たった3カ月で株価は45倍!

「さすがにバブルが弾けたか?」と思わせてから復活を何度も繰り返し…この不死身っぷりには驚くしかありません。ファンダメンタルズと完全に切り離されたことで、仮想通貨のような感覚で取引される株、といったところでしょうか。

 グローバルウェイが刺激になったのは間違いなく、業績インパクトに落とし込めないような“怪しいけど何だかすごそう”的な材料への食い付きがすさまじいことに。2~4月にかけ、今でいうグローバルウェイのように仕手株化していたINCLUSIVEが再ブレークに成功。

 そのほか、今話題の「メタバース(ネット上の仮想世界)」に関連する材料が付いた銘柄が爆上げするなど、小型株の一角で鉄火場状態に。

市場 コード 銘柄名 月間
騰落率
10月末
終値
前月末
終値
時価総額
(億円)
東証マザーズ 3936 グロバルウェ 337% 10,050 2,300 588
東証マザーズ 7078 INC 197% 2,551 858 200
ジャスダック 3083 シーズメン 114% 640 299 18
東証マザーズ 9245 リベロ 93% 2,790 1,448 148
東証マザーズ 3498 霞ヶ関キャ 79% 3,920 2,192 264
東証マザーズ 7072 インテM 76% 3,455 1,958 107
東証マザーズ 6522 アスタリスク 63% 10,310 6,310 176
ジャスダック 7808 CSランバー 63% 3,050 1,875 56
東証マザーズ 2983 アールプランナ 57% 6,490 4,145 86
ジャスダック 4235 UFHD 51% 2,266 1,497 158
東証マザーズ 7373 アイドマHD 49% 8,280 5,550 628
東証マザーズ 2158 FRONTEO 47% 2,602 1,767 1,021
東証マザーズ 3927 フーバーブレ 45% 1,117 772 63
ジャスダック 3192 白 鳩 42% 384 271 26
ジャスダック 2315 CAICA 36% 217 160 246
東証マザーズ 7091 LPF 35% 2,754 2,038 124
東証マザーズ 4169 エネチェンジ 35% 5,330 3,945 732
東証マザーズ 6092 エンバイオHD 32% 830 628 55
ジャスダック 7585 かんなん 31% 700 534 30
ジャスダック 4777 ガーラ 31% 294 225 56

値上がり率ランキング(5銘柄)

1 グローバルウェイ(3936・東証マザーズ)

 9月の株式5分割後、信用取引での買いが過熱したことで東証が増担保規制をかけてクールダウン。ド派手な値動きも沈静化して迎えた10月でしたが、まさかの月間4.3倍高に! 大型分割も終わり、ひと相場終わったか? と見せかけてからの再動意…そのきっかけは、またしても株式分割でした。

 同社は12日、11月3日時点の株主を対象とした3分割を発表。しかも、その発表タイミングは前述の増担保規制の解除を東証が発表した直後でした。

 信用規制の解除と株式分割の合わせ技に、翌13日は当然のようにストップ高買い気配で反応。ここからストップ高を連発させながら、株価は大暴騰します。大台1万円(11月の3分割考慮前株価ベース)目前で一度失速するも、3分割直前に再度ヒートアップ。

 暗号資産の「タイムコイン」の売却による小幅な上方修正から始まりましたが、まさかここまで発展するとは…破壊神恐るべし。

2 INCLUSIVE(7078・東証マザーズ)

 グローバルウェイ劇場前でいえば、マザーズの今年最大の上昇率銘柄だったのは同社でした。ホリエモンこと堀江貴文氏が同社の大株主となったことで話題になり、株価が大きく上昇したところで3分割を発表。グローバルウェイ劇場の先例だったようにも思われます。

 昨年末の株価は300円(株式分割考慮後)程度でしたが、それが4月高値2,576円まで8倍以上に大暴騰。その高値から、10月25日の751円まで、わずか半年で株価は7割減という、株の恐ろしさを示すような事例でもありましたが…。

 そのINCLUSIVEが再ブレイクし、まさか4月高値をぶち抜くほど上昇するとは、これまた株は恐るべし…。着火のきっかけは、26日正午のリリースでした。北海道にあるISTというベンチャー企業との資本提携で合意したと発表。

 このISTは、観測ロケットや小型衛星を開発・製造しており、堀江貴文氏も出資する宇宙ベンチャー。今回の資本提携後に宇宙産業領域への進出を検討するようです。

3 シーズメン(3083・ジャスダック)

 流動性が極めて低い、ジャスダックのマイナー超小型株に、今が旬のテーマ性が付いたことで想像以上の急騰劇へ。22日、同社は外神田商事との業務提携を通じて、メタバースファッション事業に参入すると発表。

 ネット上の仮想空間「メタバース」は、米フェイスブックが年間1兆円投じ、社名をメタに変更したことで10月下旬から関心が急激に高まりました。その流れとタイミングが合ったこともあり、メタバース関連銘柄として知名度を一気に上げた格好に。

 シーズメンはアメカジ系のアパレルメーカーですが、メタバースファッション事業とはどういうものなのでしょうか? 同社リリースによれば、「アバター」の独特な服を普段使いできるファッションとして再デザインし、現実の衣料品として商品化するそうです。

 また、現実の衣料品をメタバースのアバター用に変換する事業も検討しているそうです。イマイチ収益化につながるイメージは湧きませんが、業績インパクトより“メタバース関連銘柄”に認定されたことが何より大きかったようで…。

4 リベロ(9245・東証マザーズ)

 9月28日に東証マザーズ上場を果たしたばかりの直近IPO銘柄。その直近IPO銘柄の中でも、当初は最も人気薄のマザーズ銘柄といった位置付けでした。

 公開価格は1,400円で初値は1,940円、その後は公開価格を下回ると上場来安値を切り下げる一方。そして、出来高もIPOとは思えないほど激減していました。そんな状況が一変したのは、いちよし経済研究所による投資判断「買い」、目標株価4,000円での新規カバレッジ開始でした。

 こうしたレポートで上がること自体は珍しくないのですが、今回は非常にレア事例といえます。11日付だったため、上場からわずか10営業日。そんなタイミングでIPO株にレーティングが付く自体珍しいうえに、時価総額60億円程度の小型株にレーティングを付けることも珍しいことです。

 また、その時点の株価の3倍以上の目標株価設定だったこともサプライズで、一躍直近IPOの人気銘柄に。こういうIPO直後銘柄への買い推奨レポート、これから増えるのでしょうか?

5 アスタリスク(6522・東証マザーズ)

 9月30日に東証マザーズ上場を果たした直近IPO銘柄で、流動性も含めて10月の月間MVP銘柄といえます。モバイル機器などに装着するバーコードリーダーやRFIDリーダーを「AsReader」というブランド名で大企業や病院など幅広い顧客層に提供しているベンチャー企業です。公開価格は3,300円で、初値は5,760円でした。

 この銘柄がセカンダリーで人気化したきっかけは、上場後最初の決算発表でした。8月決算企業ですので、今回発表分は本決算。上場直後は情報が少ないため、どういったガイダンスを出すのか? は未知数です。

 そんな状況で出した最初のガイダンスは、今2022年8月期の売上高が前期比40%増の25億円、営業利益が同71%増の3.87億円でした。自動販売機メーカー、流通業者向けで大型案件の成約が見込めるようで、伸び率の高さにポジティブサプライズが発生。

 これといった類似企業も見当たらないこと、値がさ株となったことで短期資金が集まりやすかったこと―などもあり、発行済み株数を超えるような出来高を記録する日も発生しました。

11月に注目したい新興株の動き

 10月の日本株出遅れ元凶と見られた衆院選ですが、「自民党が単独過半数を確保」という株式市場的にはポジティブな結果。政治の安定という面では、海外投資家が日本株を見直す理由になるかもしれないな、という結果でイベント通過しています。

 もちろん、国内要因だけで動かないのが日本株。選挙が終われば、テーパリング開始が見込まれるFOMC(米連邦公開市場委員会)が警戒されたわけですが…。そのFOMCでは、11月後半からのテーパリングが決定。織り込んできた内容、かつタカ派的なサプライズも無かったことで、株式市場はリスクオン的に反応しました。

 米国では、テーパリング開始は織り込み済みで、来年の利上げに目線が移行していると伝わっています。その利上げのペースが緩やかという想定で米長期金利の上昇も鈍化していますが、「米長期金利の上昇→米グロース株の下落」の組み合わせに、日本のグロース株は激弱体質。今月も引き続き、米金利と米グロース株動向には注意が必要といえそうです。

 ただ、FOMC手前でのテスラ株急騰などを見る限り、テーパリングお構い無し感は相当強いと言えます。好決算の米グロース株や、IPO株が尋常じゃない上がり方をするなど、バブルな香りも漂う勢い。日本の投資家が心配し過ぎと見るか、向こうが楽観過ぎて危険と見るか…本当に難しい状況とも言えそうです。

 さて、11月の日本の新興株。ひとまず、“3カ月に1度恒例の決算発表シーズン”ということで、ここは見極める必要がありそうです。マザーズ銘柄の決算発表は、決算発表シーズンの終盤に集中するのが毎度のパターン。

 今回でいえば、東証1部の主力企業の大半が発表を終えた後、11月8~12日にマザーズだけで約220社、最終日の12日に計128社が予定しています。ここがピーク。直近2四半期は、決算発表ラッシュ通過でマザーズ指数が底入れ(決算発表ラッシュに向けて下落→通過でリバウンド)していますので、警戒ムード(下落)で突入するなら、通過後の後出しジャンケン的逆張り買いエントリーに妙味がありそう。

 やたら盛り上がったグローバルウェイは、10日に決算発表を予定しています。また、10日はJTOWERが発表予定。12日は指数ウエイトの高いフリーや、主力のメドレー、流動性の高いエネチェンジのほか、直近IPOのセーフィーなどが発表を予定しています。

 昨年来の個人投資家急増、信用買い残の増加を見る限り、決算発表に過大な期待(上方修正、株式分割などプラスアルファ要素)を乗せたプレポジションが人気銘柄にはかかっている傾向があります。そのため、現状は“決算発表=ストレス”でしかない…。

 これを通過し、プレポジションの解消が進んだ後、アク抜け感が広がるというシナリオが逆張りなら有効でしょう。また、決算でポジティブサプライズがあった銘柄に対する買い意欲は、近年まれに見るレベルで高いものがあります。順張りなら、決算内容を見て、直後の株価の動きを見てからの後出しジャンケンで十分といえそうです。

(岡村 友哉)

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