DAIBOUCHOUさんの2022年2大注目銘柄(日本株):国内の小売業銘柄で期待の企業は!?
トウシル / 2021年12月6日 6時0分
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DAIBOUCHOUさんの2022年2大注目銘柄(日本株):国内の小売業銘柄で期待の企業は!?
日本株投資家・DAIBOUCHOUさん×2022年の2大注目銘柄
▼DAIBOUCHOUさんプロフィール
投資の世界では広く知られる有名投資家の1人。不動産株への集中投資で2006年に資産10億円を達成。その後、ライブドアショックやリーマンショックで大きく資産を減らすが、割安な成長株を見極めて投資するという手法により、再び資産を増やしている。投資ブログ「専業投資家DAIBOUCHOUの軌跡」を運営。著書に『5年半で資産500倍! DAIBOUCHOU式 サイクル投資法』がある。
今年はどんな年だった?
Q:2021年を振り返って、どんな年でしたか?
A: 日本株が好成績!自動車部品メーカーなどのバリュー株が特に好調
2021年は、日経平均が+8.5%(昨年+16.0%)、マザーズ指数が▲3%(昨年+33.3%)なのに対してTOPIX(東証株価指数)が+13.5%(昨年+4.8%)と好調でした。ひと言でいえばリターンリバーサル相場(これまでよかった銘柄が相対的に悪くなり、これまで悪かった銘柄が相対的によくなる相場のこと)だったと思います。
海運株や資源株などアベノミクス相場でも報われなかった大型シクリカル株(景気変動の影響を受けやすい銘柄)が急騰しました。また、自動車メーカーの需要と株価回復により、自動車部品メーカーなどのバリュー株が反発し、東証2部指数が+17.2%(昨年▲9.6%)と好成績でした。
※株価指数は2021/11/15時点の数字
その半面、BASE(4477)やマクアケ(4479)、チェンジ(3962)、グレイステクノロジー(6541)のようなウィズコロナ株が売られました。とはいえ、ウィズコロナ株が全滅したわけではなく、SHIFT(3697)、ベイカレント・コンサルティング(6532)、マネジメントソリューションズ(7033)など株価が続伸した銘柄もあります。
私自身は、日本株投資で+20%前後(2021/11/15時点、配当込、税引前)とまずまずの成績を残しました。昨年から保有していたウィズコロナ株での損失もありましたが、N・フィールド(6077)のTOB、荏原実業(6328)、日立造船(7004)、神鋼環境ソリューション(6299)、TREホールディングス(9247)などの環境設備投資関連、ジェイリース(7187)、USEN-NEXT HOLDINGS(9418)、プレミアグループ(7199)、コメ兵ホールディングス(2780)、シーアールイー(3458)、アンビスホールディングス(7071)、チャーム・ケア・コーポレーション(6062)などの好業績中小型株、さらにはケイアイスター不動産(3465)やアールプランナー(2983)など好業績戸建て関連、LAホールディングス(2986)やウェルス・マネジメント(3772)などの不動産開発関連などで利益を得ることができました。
※N・フィールド(6077)、神鋼環境ソリューション(6299)は2021年に上場廃止
来年はどうなる?
Q:2022年はこんな年になる!という予測を教えてください
A:経済回復で業績相場に展開する流れ。ESG関連の動きに注目!
コロナショック以降、大規模な金融緩和が世界中で実施され、金融相場が続きました。2022年はテーパリング(量的緩和の縮小)で金融緩和が一服する半面、コロナ禍の収束にともなう経済回復で業績相場に展開していくと思います。世界的に見て、日本のコロナ感染者数は極端に少なく、経済回復の障害が少ない印象です。
一方で、ESG関連の動きも見られるでしょう。環境対策、脱炭素にともなう供給制限によって資源高、インフレが進み、省エネを目的とする設備投資が進展するでしょう。
ESGをマイナス評価せず、環境、省エネルギー、脱炭素に役立つ日本の製品、サービスの普及、輸出の促進などプラス面に注目するつもりです。
また、コロナ禍で、人々の間に生活防衛意識が根付いたため、ディスカウント業態にも一定の需要があると考えます。そんななかで私は、2022年もフルポジを継続する予定です。
2022年の2大注目銘柄その1:自身の最注目銘柄は!?
Q:2022年に最も注目している銘柄を1つ教えてください
A:Genky Drugstores(9267)
北陸地方や東海地方を中心にドラッグストア「ゲンキー」を展開する、Genky Drugstores(9267)を挙げます。ドラッグストアという業態を取っていますが、生鮮食品、惣菜に強く、売上げ全体の65%を占めます。
岐阜県内に「岐阜安八RPDC(リージョナルプロセスディストリビューションセンター)」という拠点を設けていて、食品加工から物流まですべて自社で行っています。また、毎日低価格で商品を提供するEDLP(エブリデイロープライス)戦略を取っているのも特徴で、消費者からすると、食品から日用品、化粧品まで生活に欠かせないものを安く購入できるという魅力があります。
もともとは福井県を拠点にしていましたが、現在、愛知県や滋賀県への出店を加速しています。新規出店数は、前期46店から60店舗に増加。一方で、旧来の大型店20店舗を300坪のレギュラー店に改装して経営効率の向上を図っています。
2023年に富山県内に第二RPDC、2024年以降に愛知県内に第三RPDCの建設を予定していて、これが実現すれば出店可能エリアが拡大し、さらに勢力を伸ばすことになるでしょう。すでに株価は5,000円を超えていますが、今後、数年でどこまで上昇するか楽しみにしています。
2022年の2大注目銘柄その2:投資初心者におすすめする銘柄は!?
Q:2022年から投資を始める初心者に向けて、おすすめの銘柄を1つ教えてください
A:やまみ(2820)
広島県内に本社をもつ大豆食品メーカーで、豆腐をメインに油揚げ、厚揚げ、おからなど幅広く取り扱う、やまみ(2820)を勧めます。身近な業種ですし、株価がこなれていて、値動きも激しくないので、投資ビギナーにはうってつけの銘柄だと思います。
私がこの会社に注目するのは業績の向上が期待できるからです。2019年秋に富士山麓工場を竣工(しゅんこう)。その投資が赤字要因となって利益率が悪化し、現在、株価は2,000円前後で横ばい状態にあります。しかし、今後、関東での納品先が拡大するなど新工場建設の成果が出てくれば、一気に収益性が回復し、株価も上昇すると考えています。
昨今、大豆高、資源高で豆腐の製造コストが増加しているため、ライバル各社の経営状況は厳しさを増しています。そんな中、やまみの優位性はさらに鮮明になっていくでしょう。
初心者投資家へアドバイス!
Q:これから投資を始める人に向けて、投資方法や心構えのアドバイスを教えてください
A:情報を慎重に見極めながら負けないことを優先。インデックス投資や積み立て投資でリスクを避けるのも手
私が株式投資を始めた21年前に比べて、書籍、情報サイト、ブログ、YouTube、ツイッターなど、株式投資に関する情報源は飛躍的に増えました。その気になればたいがいの情報を入手できますから、投資を始めやすくなっているのは事実でしょう。
ただし、すべてが信頼に値する情報かというと、当然、そうではないので、何もかもうのみにするのでなく、慎重に見極めることが大事でしょう。
それから初心者は、勝つことより負けないことを優先すべきだと思います。例えば、この銘柄は絶対に高騰するという自信があると大金を投じたくなります。たくさん買えば、一獲千金も夢ではないからです。
しかし、それで失敗すると、一気に投資資金を減らし、継続することが難しくなります。とくに初心者は、最初は失敗するのが普通ですから、大きく負けないということを前提に、勉強、銘柄分析、実践、反省のサイクルを回すのがよいと思います。
昨今は情報の伝播(でんぱ)スピードが早いためか、株価の動きが激しくなっているように思います。そのため、うまく波に乗れれば大もうけできる半面、1つタイミングを誤ると大きな損失を抱えることになります。そういう意味でも、慎重の上にも慎重に行動すべきでしょう。
なお、株式投資には、インデックス投資という平均点を狙う手法もあります。また、つみたてNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)やiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)など税金面の優遇を受けられる制度もあります。まずは、そうしたリスクが少ない投資から始めるのも手だと私は思います。
■DAIBOUCHOUさんインタビュー
≫人気投資ブロガー・DAIBOUCHOUさん 前編:200万円を10億円に増やした投資術とは?
≫人気投資ブロガー・DAIBOUCHOUさん 中編 DAIBOUCHOUさんに聞く!2019年の投資方針
≫人気投資ブロガー・DAIBOUCHOUさん 後編 DAIBOUCHOUさんはなぜ再び勝者になれたのか?
(トウシル編集チーム)
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