つみたてNISAからステップアップする、2つの投資戦略
トウシル / 2021年12月25日 8時0分
![つみたてNISAからステップアップする、2つの投資戦略](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushiru/toushiru_35450_0-small.jpg)
つみたてNISAからステップアップする、2つの投資戦略
つみたてNISAデビューで、米国株式インデックスファンドが人気ですが…
近年につみたてNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)で投資デビューされた方の多くは、投資対象として、S&P500種指数をはじめとする米国株式インデックスファンドを選択されているのではないでしょうか。
米国株式市場は、2020年3月のいわゆるコロナ・ショック以降、良好な企業業績と緩和的な金融政策により、右肩上がりの上昇を続けてきました。毎月コツコツと積み立てを行ってきた方は、着実に成果が出ていることでしょう。
一方で、あまりにも順調に資産が増えていることに不安を覚えるという方も少なくないかもしれません。
事実として、FRB(米連邦準備制度理事会)は、12月中旬に行われたFOMC(米連邦公開市場委員会)において、量的緩和縮小の加速を決定し、2022年には本格的に利上げが開始される見通しとなりました。株式市場も、これまでのように金融相場の下支えを期待できなくなる分、より個別企業の業績や景気動向が意識されそうです。
そこでここからは、現在、つみたてNISAで米国株式インデックスファンドを積み立てている方が、「次の一手」として、プラスアルファの積み立てを行う場合の戦略について考えてみます。
つみたてNISAはやっている…資産形成、次の一手はどうする?
そもそもつみたてNISAは、資産形成の「入口」に位置づけられている制度です。毎年の非課税枠は40万円と少額で、投資初心者が始めやすいよう選択できる商品も一部の投資信託に限定されています。したがって、資金面に余裕ができ、さらに積立額を増やしたいという場合は、課税口座で行うことになります。
課税口座の場合、原則として購入可能な投資信託に制約はありません。米国株式なら、S&P500種指数以外のインデックスファンドのほか、アクティブファンドやETF(上場投資信託)といった選択肢もあります。
また、課税口座にはNISAのような「非課税期間」という考え方がないので、資金の性格に応じて自分で投資期間を検討し、その上で商品を選択していきます。自由度が高いので、自分の興味や関心度合いに応じて商品を選択してもよいでしょう。
次の戦略その1:つみたてNISAの対象ではないインデックスファンドに挑戦する
つみたてNISAでは、国内外のさまざまなインデックスファンドが対象商品として用意されていますが、すべてのインデックスが対象というわけではありません。
例えば、近年、注目度が高いナスダック100指数は、金融庁が定義するつみたてNISAの指定インデックスファンドには入っていません。既につみたてNISA口座を開設している方がナスダック100指数関連ファンドを購入する場合は、課税口座で買い付けることになります。
買い付けの際、ナスダック100指数がS&P500種指数よりもリスク(リターンのぶれ)が高いという点には留意する必要がありますが、だからこそ、積み立てでコツコツと買い付けていく方法がおすすめです。
ナスダック100指数連動型インデックスファンドの例
■参考記事
≫S&P500 or ナスダック100 、2022年に投資するならどっち?
次の戦略その2:アクティブファンドでリターンの向上を目指す
つみたてNISAでインデックスファンドを積み立てているなら、課税口座でアクティブファンドを積み立て、投資効率を高めるという方法もあります。
長期投資の勝者はバフェットか?厳選アクティブファンドか?でもご紹介したように、つみたてNISA対象外のREIT(リート:不動産投資信託)や新興国の単一国を追加したり、継続的にアルファを創出している優良な日本株アクティブファンドを追加したりすれば、つみたてNISAで保有するファンドと併せて資産分散・地域分散も実現できます。
保有するファンドの成績が良好だと、つい同じ銘柄を追加購入したくなります。しかし、つみたてNISAから一歩踏み出すなら、当面の目標が何であるかを意識し、戦略を立てていくことも必要です。資産形成のゴールは皆同じではないためです。
本連載では、2022年もさまざまな角度から投資信託について掘り下げていきます。日々進化を続ける投資信託について理解を深めていただき、皆さまの資産形成にお役立ていただけたらうれしく思います。
(篠田 尚子)
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