「負け上手」になろう~株式投資では負けないと勝てない?
トウシル / 2021年12月30日 6時0分
「負け上手」になろう~株式投資では負けないと勝てない?
日経平均株価やTOPIXと大きく異なる個別銘柄の動き
2021年も年の瀬になりました。皆さんの本年の投資成績はどうでしたでしょうか? 筆者は自身の投資成績を、日経平均株価とマザーズ指数の、年始から年末までの上昇率の平均値と比較して評価することにしています。
筆者は株価が上昇している間だけ株を保有し、株価が下落している間は保有しない、というスタイルを取っていますが、もし日経平均株価をずっと持ち続けていた場合の投資成績よりも劣ってしまうのであれば、そもそも日経平均株価に連動するETF(上場投資信託)などを買っていた方がよい、ということになるからです。
そして日経平均株価とマザーズ指数の平均値を用いる理由は、筆者が投資対象としている銘柄の中に、東証マザーズに上場しているような中小型成長株が多く含まれていて、それらは日経平均株価とは異なる動きをすることが多いからです。
2021年12月24日時点では、日経平均株価が年初から5%程度のプラス、マザーズ指数は16%程度のマイナスですから、平均してマイナス5%より自身の投資成績がよければとりあえずは良し、としています。
投資成績の「絶対値」での評価はお勧めできない
なお、自身の投資成績を「絶対額」、つまりプラスだったかマイナスだったかで評価するのはあまり意味がないどころか、時には勘違いの原因になりますので気を付けてください。
例えば2021年のように、多くの個別銘柄が年初からみて値下がりしているような状況で多少マイナスだからといって悲観する必要はありません。
逆に昨年2020年のように、コロナ・ショック後多くの銘柄の株価が大きく上昇しているような状況で運用成績がプラス10%程度だとすると、かなり物足りない結果と言わざるを得ません。
評価するのはあくまでマーケット全体、つまり日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)、マザーズ指数などの株価指数との比較で行うようにしましょう。
株式投資では負けないと勝てない
株式投資には残念ながら「百発百中」はありません。ざっくり言ってしまえば、買った株の半分は値下がりする、と言ってもよいくらいです。
株式投資は「期待値のゲーム」と考えた方が理解しやすいと思います。つまり、100回買って、その中にはうまくいって株価が大きく上昇するものも、株価が下がってしまうものもあるが、トータルするとプラスを確保できる、という考え方です。
実際、筆者が実践している「25日移動平均線を超えたら買い、割ったら売り」というルールも同様です。25日移動平均線を超えて買った銘柄が全て上昇するわけではなく、上昇するものも下落するものもあります。上昇する銘柄はすぐ売らずにできるだけ利益を伸ばし、下落してしまった銘柄は速やかに損切りをして、損失の拡大を防ぎます。
ですから、下げ相場が続くような時はどうしても調子が悪くなります。買った株が翌日に軒並み下がって全て損切り……ということだってあります。
でも、買った株の株価が下がって損切りにより損をしてしまう、ということを恐れていては、大きな勝利も期待できません。先ほど申し上げたように、株式投資は「期待値のゲーム」ですから、ある一定期間だけを切り取ればマイナスになってしまうことも多々あるからです。
株価下落が続くようなときは精神的にもきつくなりますが、一度でも大きな成功を収めることができれば、「ああ、このやり方を続けていればよいのだ」と納得して損失を受け入れることができるはずです。
それでも怖いという場合はどうすればよい?
それでも中には、「今年は買った銘柄が軒並み下がってしまって損切りの連発だった。もうこれ以上買うのは怖い……」という方も少なくないでしょう。特に今年から株式投資を始めた初心者の方は、買っても値下がりの繰り返しで、自信喪失しているかもしれません。
確かに買った株がいつも値下がりしてしまうのでは、「やってられない」という気分になってしまうのも分かります。でも、下げ相場であればそれは仕方ありません。
筆者も今年は株価上昇の初動で「これは絶好の買い時に買えた!」と自信を持って買った銘柄がすぐ値下がりし、損切りを余儀なくされた……ということは数えきれないくらいあります。
それは買った後株価が下がってしまったからそうなったわけで、もし買った後株価が大きく上昇すれば大きな利益につながりますし、実際今年も銘柄によっては大きな利益を得たものもいくつもあります。
もし負け続きで新たに買うのが怖い……というなら、無理に買わなくてもよいと思います。もしくは、投資可能資金のうち一部だけ使うようにすれば、もし失敗して損切りしたとしても小さな額の損失で抑えられます。
実際筆者も、ここ最近は下降トレンド銘柄の方が圧倒的に多いので、投資可能資金のうち10%とか20%くらいしか株を買って保有していないという時期も増えています。
ただ、一切買わないということになると、今後株価の大きな上昇が到来したとき、日本株の変化の兆候を感じることができず、上昇に乗り遅れてしまう可能性が大です。損をしたくない、と買わないという行為は一方で、上昇に乗れず利益を得ることもできないことの裏返しであることをぜひ理解していただきたいと思います。
2021年も本コラムをご覧いただきましてありがとうございました。2022年もよろしくお願いいたします。皆さま、どうぞよいお年をお迎えください。
※次回は2022年1月13日公開です。
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(足立 武志)
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