日経平均どこまで下がる?最悪シナリオを検証
トウシル / 2022年1月26日 7時51分
![日経平均どこまで下がる?最悪シナリオを検証](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushiru/toushiru_35797_0-small.jpg)
日経平均どこまで下がる?最悪シナリオを検証
※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「【日本株】最悪シナリオを検証 日経平均、どこまで下がる?」
日経平均株価が年初から急落しています。まだ始まったばかりですが、今日は2021年12月29日に出した「2022年日経平均予想」のレビューを行います。
「2022年の日経平均予想」振り返り
最初に、私が2021年12月29日のレポートに書いた「2022年の日経平均予想」をご覧ください。予想とともに、1月25日までの実際の推移も入れています。
2022年の日経平均(筆者予想)と、1月25日までの実際の動き
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/d/a/-/img_da5001dbd0b568bbc6cfe9e425518517128484.jpg)
以下、12月29日レポートからの引用です。私が上記のような予想を作った理由を書いています。
【12月29日レポートからの引用】
私は、2022年の日経平均は、「前半が強く、後半は弱い」展開を予想しています。2022年の夏に3万4,000円に達すると予想しています。ただし、年後半には3万円1,000円程度(予想レンジ3万~3万2,000円)に下がる可能性があると考えています。
前提となる世界および日本の景気ですが、2022年は1年間を通じて、回復(拡大)が続くと予想しています。ただし、年後半にかけて息切れしてくると予想しています。財政・金融の大盤振る舞いに支えられた急激な回復効果が低下してくると考えています。
2023年には世界景気はいったん後退(あるいは、かなりの減速)局面を迎えると考えています。世界景気の息切れが視野に入ってくると日経平均は景気が良くても上がらない局面に入ると考えられます。
以上が私の予測です。私の予想で一番重要なポイントは、「2022年も世界景気の拡大が続く」「2023年には世界景気が失速する」の2点です。その前提に基づいて、日経平均の動きを予想しました。レポート全文は、以下からお読みいただけます。
2021年12月29日:日経平均「2021年予想」の振り返りと、「2022年予想」
年初の日経平均急落をどう解釈すべきか?
年初の展開は、私の予想とまったく異なる動きになっています。その理由について、2つの解釈が成り立ちます。1つの解釈は、「私が年後半に想定していたことが前倒しで起こっている」というものです。
【解釈1】世界景気が今年、想定以上に失速
私は、「2022年世界景気は巡航速度の拡大が続き、2023年に失速」を前提に2022年の日経平均予想を作りました。
もし「2023年失速」ではなく「2022年失速」が現実になると、それを織り込んで今世界的に株が崩れてくることと整合します。中国景気が想定以上に悪化し、米景気もまもなく息切れが鮮明になる場合、そういう展開になります。
【解釈2】テーパリングショックが想定より大きくなっているだけ
もう1つの解釈は、「テーパリングショックが想定以上に大きくなっているだけ」という解釈です。今年世界景気が巡航速度での拡大が続くとの見通しは変わらないが、FRB(米連邦準備制度理事会)が想定以上にタカ派色を強めていることから、短期的なショック安が大きくなっているという解釈です。
現時点で、解釈1、解釈2のどちらが妥当か判断できません。中国景気の悪化、米景気の減速がどの程度か、しばらく慎重に見ていく必要があります。
短期的な値動きが変わっても、日経平均の長期見通しは変わらない
短期的な株価や景気の予測は当たらない可能性もあります。ただし、日本株が割安で、日本株に時間分散して投資していくことが中長期の資産形成に寄与するとの見方は変わりません。
私は現在、2025年までに日経平均が4万円に到達すると予想しています。その予想は、何も変わりません。ただし、景気は循環するので、2025年まで連続して世界景気が好調であることは考えられません。
世界景気について、私は、2022年好調・23年悪化・24年好調・25年好調を前提として2025年に日経平均4万円と予想しています。
景気悪化局面で、日経平均は経験則では最低でも20%は下げています。一度、20%くらいの下落局面をはさんでから、4万円に向かって上昇すると予想しています。
最悪シナリオで日経平均2万4,500円
もし今年いきなり世界景気が後退、または後退に近いくらい減速するならば、日経平均は高値から20%くらいの調整を余儀なくされると考えられます。日経平均の昨年来高値(3万670円)から20%下げると、2万4,500円となります。それが最悪シナリオでの下値と思っています。
ただし、米景気がいきなり急激に悪化するとは考えていません。これは、あくまでも最悪シナリオでの想定です。
投資方針を変える必要があるか?
中長期的な上昇期待があるものの、短期的な下値リスクが大きくなっているところで、日本株への投資の仕方を変える必要はあるでしょうか?
積み立てで日本株に投資している方は、何も変える必要はないと思います。短期的な下げが大きくなるほど、割安なところで日本株を積み立てていけるからです。
割安な高配当利回り株を中心に投資している方も、よほど保有額が大き過ぎない限り、何も変える必要はないと思います。
値がさグロース株の保有が多すぎる方は、一部売却して、日経平均やTOPIX(東証株価指数)に連動するインデックスファンド、あるいは割安な高配当利回り株に乗り換えることを検討しても良いと思います。
(窪田 真之)
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