2月はドル売りスタート! FRBが「利上げ、あまり期待し過ぎるな」
トウシル / 2022年2月2日 9時28分
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2月はドル売りスタート! FRBが「利上げ、あまり期待し過ぎるな」
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは115.65円
↓下値メドは113.95円
[新型コロナ] 政府が支援策なしにコロナ規制を強化するならば、その結果はディスインフレになる
[インフレ] 生鮮食料品のインフレ率は加工食品の2倍
[トルコ] トルコ政府、国内企業向け天然ガスの価格を20%値上げ
1日(火曜)のドル/円は「円高」。24時間のレンジは114.57円から115.19円。値幅は0.62円。
2022年の22営業日目は115.09円からスタート。上昇に元気はなく、東京時間昼前につけた115.19円がこの日の高値。115円台でこらえることができなくなって、夜遅くに114.57円まで下落。終値は 114.70円(前日比▲0.43円)。
レジスタンスは、115.00円から115.20円、その上は115.68円(1月28日高値)。
サポートは、114.52円(200時間移動平均)から114.47円(1月27日安値)。その下は113.47円(1月24日安値)。
FOMC(米連邦公開市場委員会)は、先月25、26日に行われた1月定例会合において、米経済はもはや高次元の金融支援を必要としなくなったとして、利上げ開始が近く適切になるとの認識を示しました。さらに利上げ開始後にバランスシート縮小に着手することも示唆。
利上げとバランスシート縮小はマーケットには「想定内」。それでもドルは上昇しました。なぜか。パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長のタカ派傾斜角度が想定以上だったからです。
パウエルFRB議長は「今の米経済は、前回の利上げサイクル(2015年から2018年)の時よりも強い」という認識を披露。「米国の経済成長はより速く、労働市場はより強く、インフレはより高く」なった。故に「利上げスピードはより速く、より大きく。バランスシート縮小はより早く。」
「3月の利上げ幅は(0.25%ではなく倍の)0.5%になる。」、「バランスシート縮小開始時期は3ヵ月前倒しされて6月になるだろう。」長期金利水準の見通しは変わっていませんが、金利上昇幅よりも、どれだけ早く目標金利水準に到達するのか、そのスピードを修正するとドルにまだ買い余地があるとマーケットが判断した。それがドル上昇につながりました。
と、ここまでが先週の流れ。ところが今週になると、FRB高官からマーケットの「過剰な期待」を修正するよう求める発言が頻出していることでドルの上昇が鈍りはじめた。
フィラデルフィア連銀総裁は3月「50bp」利上げは支持しないと述べ、カンザスシティ連銀総裁は、利上げよりもバランスシート縮小を優先することを主張。リッチモンド連銀総裁は、利上げはインフレの状況次第と発言。ミネアポリス連銀総裁は、3月の利上げを支持する一方で、経済データ次第では「利上げ休止」もありえるとの考えを示しています。ドル/円は、FRBの金融引き締めを最大に織り込んで116.35円。それが盛りすぎだよと指導されてしまったので、なお上値が重くなっています。
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主要指標 終値
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今日の為替ウォーキング
今日の一言
ビジネスの世界では、進化をしないことこそが「危機」にあたる。- ジェフ・ベゾス(アマゾン創設者)
Open Arms
アマゾンとウォルマートは昨年11月に、30万人以上という大規模採用計画を発表しました。世界最大の物流サービス会社のフェデックスも、全米で数10万人を採用する予定。コロナ後の経済活動再開が本格化する米国では、米国の小売業者や物流企業の多くが、労働者の確保に苦心しており、人手不足への対応策として賃金アップや諸手当の拡大を実施しています。働き手を探しているのは小売業や流通業だけではない。米国の労働市場には1,000万件以上の求人が溢れています。
ところが、働く人が見つからない。レストラン、ホテルなどの人手不足はいまだに解消されていません。コロナ感染流行前には大勢いたはずの飲食店のスタッフやトラックのドライバーは、どこに消えてしまったのか?
仕事を失っていた労働者は、不況が終われば、しばらく時間を置くことはあってもいずれ仕事に戻ってくるのが、これまでの一般的なパターンでした。パウエルFRB議長も、今の労働市場は「忍耐の時期」で、いずれ労働者は帰ってくるだろうと述べていました。
ところが今回は、これまでの不況後には見られなかった現象が起きている。それは「退職率の急激な上昇」です。米国の株式市場は、コロナ感染が一向に収束しないなかでも、史上最高値を塗り替えながら上昇し続けている。ところが、そのおかげで多くのサラリーマンがコロナ前よりも「金持ち」になった。引退するのに十分な貯蓄ができたので、ウイルス感染の恐怖に怯えて外で働く必要がなくなった。この人たちは労働市場に再参入するチャンスを待っているわけではない。労働市場から永遠に去ってしまったのです。米国では新型コロナによって2,200万人が仕事を失いましたが、そのうち約200万人は今後も仕事に戻ってこないといわれています。
米国では、総人口に対する生産年齢人口(15歳から64歳)の割合が、他のOECD(経済協力開発機構)諸国と比べると急激に低下していると報告されています。労働力不足は、短期的には生産者不足による賃金上昇やドライバー不足による流通網回復の遅れという形を通じてインフレをさらに上昇させる要因になりますが、長期的には国の成長力の衰退というより深刻な問題を引き起こすことになります。
労働者の退職を加速させた一因は株高。その株高をつくった大きな要因は中央銀行の超低金利政策。経済を助けるための政策が、逆の結果を招いてしまったとは皮肉です。FOMC(米連邦公開市場委員会)が緩和縮小を急いでいるのは当然です。
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今週の 重要経済指標
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今日の注目通貨:ドル/円
今週の予想レンジ ↑117.12円 ↓112.69円
今週のドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は114.91円。
114.91円より上ならばドル買い優勢、114.91円より下ならばドル売り優勢。
2022年現時点の高値は116.35円、安値は113.47円。平均値は114.91円。
1日の最大値幅は1.10円、平均値幅は0.68円。
2022年の値幅は2.88円。
2021年の終値(115.09円)に比べて0.16円の円安。
117.97円 : 第4レジスタンス(HBO)
117.12円 : 第3レジスタンス
116.35円 : 2022年 高値
116.27円 : 第2レジスタンス
116.01円 : 第1レジスタンス
115.25円 : 01月 61.8%
114.91円 : ピボット
114.91円 : 2022年 平均値
114.57円 : 01月 38.2%
113.80円 : 第1サポート
113.54円 : 第2サポート
113.47円 : 2022年 安値
112.69円 : 第3サポート
111.85円 : 第4サポート(LBO)
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2022年 ドル/円データ
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(荒地 潤)
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