米利上げ期待で円安。116円にのせる? それとも戻り売りの好機?
トウシル / 2022年3月3日 10時38分
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米利上げ期待で円安。116円にのせる? それとも戻り売りの好機?
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは116.60円
↓下値メドは114.15円
[ドル] ボウマンFRB理事「3月50bp利上げの可能性ある」
[ポンド] ラムスデンBOE副総裁「中期的にはインフレの下向きリスクが大きい」
[インフレ] 加工食品の価格は、そのほとんどが労働コスト
2日(水曜)のドル/円は「円安」
24時間のレンジは114.79円から115.69円。値幅は0.89円。
2022年の43営業日目は114.87円からスタート。ほとんど下げることなく、安値は東京時間昼前につけた114.79円。その後は買いが優勢になり、NY時間に入り未明に高値115.69円まで上昇。今週に入って下げた分をほぼ全て取り戻した。終値は115.51円(前日比+0.62円)。
ウクライナ戦争が続くなかで、米金利の見通しを下方修正する動きが強まっている。マーケットが予想していた2022年のFRBの政策金利の最終着地レートは2.00%だったが、この数日間で1.50%まで下落した。今年の利上げ予想回数が2回減ったということなので、大調整である。
ただ、FRB(米連邦準備理事会)が今月利上げするかどうかについては、パウエルFRB議長が「3月の利上げが適切である」とこの日の議会証言で発言しているので、すでに答えがでた。
問題は、利上げがどのようなスタイルになるかということ。最初に大きく利上げしたあと、効果を見るためしばらく様子を見ようとするのか。それとも、小刻みに長期間利上げサイクルを継続していくのか。
FRBは、米経済にウクライナ戦争の影響は及んでいないとの認識。しかし、ウクライナ戦争がエネルギー価格の高騰を通じて米国のインフレを悪化させるのであれば、3月50bp利上げの可能性もありえる。パウエルFRB議長は大幅利上げを完全には否定していない。来週からFOMC(米連邦公開市場委員会)メンバーはブラックアウト期間に入り金融政策に関する発言は禁じられる。FOMC利上げのヒントは今週探すしかない。
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主要指標 終値
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今日の為替ウォーキング
今日の一言
物事をうまくいくよう最大限生かす人たちには、物事はうまくいくものだ
You Light Up My Life
2022年2月の終値は、1月末に比べて0.16円の円高だった。
レンジは114.15円から116.34円で、値幅は2.19円(1月は2.88円)。
2月は115.10円からスタートした。マーケットのテーマはオミクロン感染拡大からFRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策へと移り、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、1月に行われたFOMCで、 「現在の米国経済は、前回(2015年から2018年)の利上げサイクルの時よりも強い」との認識を示した。簡潔に言えば、「米経済成長はより速く、労働市場はより強く、インフレはより高く。」ということだ。
その行き着く先は、「利上げスピードはより速く、より大きく。さらにバランスシート縮小はより早く」
マーケットではFOMCの3月利上げが当然であるばかりか、その幅は0.25%ではなく倍の0.5%になるとの思惑が広がった。
金利差拡大を理由に再び116円を目指したドル/円だったが、FOMCメンバーから、マーケットの「過剰な先走り」を牽制する発言で梯子を外され、114.15円まで下落。これが2月の安値となった。(2日)
しかし、米国のインフレは落ち着くどころか、勢いが止まらない状況。10日に発表された、米国の1月CPI(消費者物価指数)は、前年比+7.5%と大きく上昇した。3月大幅利上げの見方が再び強まり、米長期金利は上昇。円は、日銀が長期金利の上昇を抑制する「指値オペ」を通知して世界の中央銀行のトレンドどこ吹く風の超緩和政策を断固続ける姿勢を示す。金利差拡大の思惑が円安材料となってドル/円は116.34円まで上昇。1月4日につけた年初来高値(116.35円)にほぼ並んだが、追い越すことはできずに終わった。(10日)
2月後半からは地政学リスクが相場を支配することになった。プーチン大統領のロシア軍は24日、ウクライナに軍事侵攻を開始。投資家のリスク回避姿勢が強まるなかで、104.40円まで円高に動いたが2日つけた安値を更新することはできなかった。
「セーフヘブン(安全資産)」通貨であるはずの円がリスクオフの時になぜ買われなかったのか。その理由のひとつは、ウクライナ戦争が、エネルギー価格の高騰を引き起こしたからだ。NY原油先物価格は、1バレル100ドルを超えて7年7カ月ぶりの高値をつけた。
エネルギー輸入大国である日本では、石油購入のためのドルを手当てする必要性が高まる。輸入企業のドル買いが円高を食い止めていると考えらえる。ちなみに2014年当時のドル/円レートは現在よりも15円も円高の101円台だから、円貨ベースで比較すると、当時よりも今はさらに原油高ということになる。
もうひとつの理由は米長期金利の上昇だ。株価下落はリスクオフだが、ウクライナ危機でも米長期金利がしっかりしていることで、金利差の観点ではドル/円の買い材料となった。米CPI発表後の動きを見ても、ドル/円が米金利動向に強く反応している。
今週の 重要経済指標
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今日の注目通貨:豪ドル/円
今週の予想レンジ ↑86.19円 ↓81.32円
豪ドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は、83.76円。
83.76円より上ならば豪ドル買いが優勢、83.76円より下ならば豪ドル売りが優勢。
87.12円 : 第4レジスタンス (HBO)
86.25円 : 2021年 高値
86.19円 : 第3レジスタンス
85.26円 : 第2レジスタンス
84.97円 : 第1レジスタンス
84.44円 : 2022年 高値
83.99円 : 02月 高値
83.76円 : ピボット
82.54円 : 第1サポート
82.44円 : 02月 平均値
82.41円 : 2022年 平均値
82.25円 : 第2サポート
81.32円 : 第3サポート
80.90円 : 02月 安値
80.39円 : 第4サポート (LBO)
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/f/6/-/img_f6d7f57e86573a240424fc94c16a6e34115290.jpg)
(荒地 潤)
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