【2022年版】積立投資家の波乱相場の乗り切り方 - 今注目のバイプレーヤーたち
トウシル / 2022年3月19日 8時0分
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【2022年版】積立投資家の波乱相場の乗り切り方 - 今注目のバイプレーヤーたち
インデックスファンドで積立投資、このまま続けて大丈夫?
本連載では過去数回にわたり、足元のロシア・ウクライナ情勢が投資信託に与える影響について取り上げてきました。ロシア関連ファンドを取り巻く状況は依然として変わりありませんが、今回は少し視点を変えて、不透明感が漂う相場環境で積立投資家が考えるべきことについて解説します。
本題に入る前に、まずは現状の整理をしておきましょう。
積立銘柄として人気の3大インデックスファンド(指数連動型の投資信託)といえば、S&P500指数、全米株式、そして、全世界株式です。10年以上続いてきたグロース(成長株)優位相場の反動もあり、それぞれの指数に連動する代表的なインデックスファンドは年初来で10%程度下落しました。
昨年後半に積立デビューされた方は特に、出鼻をくじかれたような感覚に陥ったかもしれません。
しかし、長期投資を実践する上で今回のような相場変動は何度も起こり得ます。むしろ、早い段階で経験できて良かったと、気持ちを切り替えた方が賢明です。
積立投資の魅力の一つは、高値圏から始めても十分に利益が期待できることです(詳しくはこちら)。広域の株式市場を網羅したインデックスが、今後十数年にわたって下落し続けるということは考えにくく、どこかのタイミングで再び上昇局面が訪れます。このタイミングが分からないから、積立を実践しているのです。
したがって、つみたてNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)などで既に先述の銘柄を積み立てている場合は、「今が耐え時」と思って、とにもかくにも積立を継続することが大切です。
一方で、相場の転換点では、これまであまり目立たなかった「脇役」の資産が耐性を発揮します。足元の相場環境に照らし合わせると、高配当・高利回り株や、代替資産である金(ゴールド)が該当します。
主役級の成長株が華々しく上昇を続けている中では、脇役的な高配当株や代替資産はどうしてもリターンが劣後してしまうのですが、足元のような不透明感が漂う環境下ではひっそりと耐性を発揮します。
目立つ存在ではないからこそ、こうしたタイミングで「バイプレーヤー型」資産の特性について理解を深め、資産分散の観点から、必要に応じて組み入れを検討するとよいでしょう。
波乱相場に強い!頼れる「バイプレーヤー型」資産
【バイプレーヤーその1:高配当・高利回り株】
相対的に高い配当を支払う高配当株は一般的に、通信や公益といった成熟産業に多くみられます。成長株のように企業の急成長による大きな株価の上昇は見込みにくい半面、安定した配当をもらえるという安心感があります。
先述した、近年人気のインデックスファンドは総じて成長株の構成比が高い傾向にあるため、例えば、「楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド」のような、高配当銘柄の値動きに連動するインデックスファンドを取り入れることで分散効果が期待できます。
なお、高配当・高利回り株を組み入れた投資信託は、米国株だけでなく、「iTrust世界公益株式(為替ヘッジなし)」のように日本を含む世界の公益企業に投資するタイプがあります。
【バイプレーヤーその2:金(ゴールド)関連】
本連載でこれまで何度も取り上げてきた金(ゴールド)に期待できる役割は二つ。一つは、株式や債券といった伝統的資産の補完。そしてもう一つは、分散効果による運用効率の向上です。
投信スーパーサーチの銘柄比較機能を使い、米国株式インデックスファンドと金関連ファンドの直近3カ月間のトータルリターン(基準価額+分配金)の推移を確認してみると、きれいな反比例の形状をしていることが分かります。
米国株式インデックスファンドと金関連ファンドのトータルリターン推移(直近3カ月間)
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/2/a/-/img_2a356a39d52653576c1e4480926023de84536.png)
期間を3年に引き延ばしても、おおむね同じ、反比例の形状をしています。
米国株式インデックスファンドと金関連ファンドのトータルリターン推移(直近3年間)
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/b/3/-/img_b38403603fba72f6125e1749bfb268e1112178.png)
米国を中心に物価上昇とインフレ懸念が強まる中、金(ゴールド)は今後ますますインフレリスクへの対策手段として需要が高まることが予想されます。とはいえ、あくまでも「バイプレーヤー」ですから、組み入れるのは、保有資産全体の3割程度にとどめておきましょう。
なお、株式もインフレに強い資産ではありますが、これまで見てきた通り、相場の局面によってスポットライトの当たり方に違いが出るという点は覚えておきましょう。
(篠田 尚子)
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