ゴールデンウィーク中の日経平均は2万6,500~2万7,000円を想定。FOMC後のNY株式に注目
トウシル / 2022年5月2日 16時0分
ゴールデンウィーク中の日経平均は2万6,500~2万7,000円を想定。FOMC後のNY株式に注目
今週の予想
日経平均の連休明けの動きは、ゴールデンウィーク中のFOMCの結果を受けてのNY株式次第
日本はゴールデンウィークに入り、5月第1週の2日(月)と6日(金)が営業日ですが、不透明要因が多い中、3~4日にFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されることで、連休中も海外マーケットから目がはなせません。
最近のNYダウは700ドル前後の大きな値幅が珍しくなく、先週末の29日(金)は一時1,000ドル超えの下げで終値は▲939ドルの3万2,977ドルとなっています。
乱高下でもチャートが往来相場になるならば「もみ合い」といえますが、乱高下の流れの中で、週足チャートが年初から米国株式は調整ムードですので、長引くと売り圧力が強まって調整が長引くことになり、日本株にとっても要注意となります。
まずは、目先のFOMCの結果と今後の見通しに注目となります。
今週の指標:日経平均株価
先週は、前週末のFRB(米連邦準備制度理事会)の強い利上げ懸念から、NYダウの1,000ドル近い下げを受け、また、日本銀行の金融政策決定会合があることから、日経平均は為替とNYダウの動きに注目となり、レンジ幅を2万6,300~2万7,300円としました。
週明け25日(月)は、▲514円の2万6,590円と大幅反落し、26日(火)は+109円と反発するものの、27日(水)は前日の米株の大幅安を受け、一時▲649円の2万6,051円まで下げ終値は▲313円の2万6,386円でした。
28日(木)は、円高方向が一気に円安へと向かってきたことで輸出関連株が買い戻され、+461円の2万6,847円と反発しました。
29日(金)は、日本市場は休場でしたが、シカゴの日経先物は、日銀の金融政策決定会合で、金利は据え置きされ再び日米金利差拡大からドルが買われ、一時131.23円まで上昇し、日経平均も円安を好感し、日経先物は+405円の2万7,275円となっていました。
今週は、ゴールデンウィークで5月2日(月)と6日(金)のみ営業ですが、4月29日(金)の日本市場が休場の日の米国市場では、3指標の急落を受け、シカゴの日経先物は▲140円の2万6,730円となっています。
営業日が2日間しかなく、2万6,500~2万7,000円のレンジの中の動きが想定されます。
今週の指標:NYダウ(ダウ工業株30種平均)
先週は、米国では注目の決算(「GAFAM」(Google、Amazon、Facebook(メタ)、Apple、Microsoft))を控えており、前週はネットフリックスの急落で市場心理を悪化させたことで、注意が必要としました。
NYダウは週前半、4月26日(火)▲809ドルの3万3,240ドルと急落し、28日(木)は+614ドルの3万3,916ドルと急反発しましたが、週末の29日(金)はメタ(旧フェイスブック)赤字決算を発表したことで、ハイテク株が全面安、NYダウも一時1,000ドルを超す下げとなり、終値は▲939ドルの3万2,977ドルとなりました。
今週は、FRBがFOMCで0.5%の金利引き上げを行い、利上げペースを早めるとの見方も出ており、今後の利上げの見通し次第ではNYダウは2月24日の年初来安値3万2,272ドルを試す動きも想定されます。
今週の指標:ドル/円
米国では、FRBが5月3~4日に金融政策を協議するFOMCを開きます。0.5%の大幅な利上げに踏み切り、インフレを抑えるために物価安定の回復に向け強い意志を示すとみられています。
29日(金)にすでに年初来高値(円安)を更新しており、5月3~4日のFOMCでの発表を織り込んでいるものと思われますが、その後のさらなる強い利上げが示されれば、もう一段のドル買いの可能性があります。
先週の動き
先週は、週の半ばまでは127~129円の間のもみあいが続いていました。しかし、28日(木)の日銀の金融政策決定会合で金融緩和の政策を継続することが決定されると、日米金利差の拡大が意識され、ドルが買われる動きとなりました。
28日(木)の米国市場では、一時131.23円までドルが買われ年初来高値を更新しました。引け値は130.85円でした。週末の29日(金)はアマゾンの赤字決算を受けて、NYダウが1,000ドル近く下落しましたので、米国経済の減速を嫌気してドルも売られ129.85円で引けました。
先週の結果
先週の動きは、為替の動きを受けて日経平均は、安値2万6,051円から高値2万6,876円の動きでした
先週の予測では、前週末のFRBの強い金融引き締めの継続への懸念から、ドル売り、株売りとなって円安基調が止まっていましたが、その中では、輸出関連株は円安の部分が強調されて日経平均は、しっかりした動きでした。日本経済に強い「円安」の見方から円安が止まると日経平均は売られる局面もありました。
そのため、一時20年ぶりの円安を受けて戻りを強くしていたものの、いったん円安が止まって、日経平均も一服していましたが、前週末のNYダウの1,000ドル安を受けて、先週の日経平均は、2万6,300~2万7,300円のレンジで下値を探ることを想定していました。
結果的に、週前半の日経平均は大きく下がり27日(水)は、想定レンジの下限2万6,300円を下回る2万6,051円まで下げて、終値は2万6,386円でした。
ここでゴールデンウィーク中に2万6,000円を試すことも想定していましたが、米国市場で週後半、メタ(フェイスブック)の強い決算をキッカケにハイテク株をはじめ3指標そろって大幅上昇となり、日銀の金融政策決定会合で金融政策の据え置きが発表されたあとは、日米金利差拡大から、ドル買い・円売りが急激に進み、28日(木)には130円の円安にのせたことで、輸出関連株が買い直され+461円の2万6,847円で引けました。
29日(金)の日本市場は休場でしたが、前日の米国市場では、3指標そろっての大幅上昇につれて、為替市場では、一時131.23円までドルが買われ、年初来高値を更新しました。シカゴの日経先物は+405円の2万7,275円と想定したレンジ2万6,300~2万7,300円の上限まできています。
29日(金)の米国市場では、赤字決算を発表したインターネット通販大手アマゾンの14%超えの急落を受けて、ハイテク株全体に波及し、ナスダックは▲536P、S&P▲155Pと2指標とも年初来安値更新となりました。これを受けてシカゴの日経先物は▲140円の2万6,730円となっていました。
今週のFOMCでは、FRBは0.5%の大幅利上げに踏み切り、利上げペースを早めるとの見方が強まっています。ウクライナ情勢の長期化などで先行き不安が高まる中、急激な利上げによる景気後退が広がっており、今後、ますますNYダウと為替の動きに注意が必要となります。
(出島 昇)
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