円安140円はもうすぐ! 調整の円高は「買いチャンス」
トウシル / 2022年6月23日 10時0分
円安140円はもうすぐ! 調整の円高は「買いチャンス」
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは137.65円
↓下値メドは134.75円
WFH:在宅勤務は、通勤時間を業務の時間に使うことができてより効率的である
WFH:在宅勤務の普及が消費行動を変える。週末の支出はコロナ前上回るが、平日の支出は逆に減少
新コロ:中国ロックダウンの影響でフェラガモの売上が2桁の落ち込み
新コロ:マカオのカジノ収益が激減。中国のゼロコロナ政策で観光客減
欧州:EUが、財政規律など「SGP(安定・成長協定)」の一時停止を延長
英国:英国の失業率の急低下、バイトで複数の仕事を掛け持ちしている可能性も
FRB:NY連銀総裁「コロナ対応の金融支援政策は早急に終了しなくてはいけない」
6月22日(水曜)のドル/円は「円高」。
24時間のレンジは135.66円から136.71円。値幅は1.05円。
2022年の123営業日目は136.61円からスタート。
東京時間朝に、前日の高値に並ぶ136.71円まで円安に動くが、高値更新には至らず、徐々に値を下げる。パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が米経済に対して弱気な見通しを示したことで下落、 夜遅くに135.66円をつけた。すかさず買い戻しが入って136円台に戻したが、終値は136.21円(前日比▲0.46円)と、4営業日ぶりに前日比円高水準で終わった。
レジスタンスは、
136.71円(06/22)
135.44円(06/20)
135.59円(06/15)
サポートは、
136.66円(06/22)
134.92円(06/21)
134.53円(06/20)
パウエルFRB議長は、この日の議会証言において「景気後退の可能性が高まっている」との考えを示した。米経済のソフトランディングは「非常に困難だ」とも発言するなど、以前に比べて非常に弱気な発言が注目された。
利上げ効果が思ったように上がらず、FRBが政策に自信を失いつつことを示している。米国のインフレ率は、短期間でFRBの目標値のほぼ5倍(!)まで上昇した。このインフレを2年以内に2%まで引き下げようとするなら、さらに大幅で急速な利上げが必要であり、米国の失業率は8%以上に悪化するという予測がでている。
物価上昇が11%に達するのは時間の問題といわれる英国のBOE(イングランド銀行)、あるいはECB(欧州中央銀行)は、輸入インフレを抑制するために、ポンドやユーロを通貨高に誘導しようとしているが、効果が上がらず苦しんでいる。その中で公式に自国通貨安を歓迎している日本は異例。自国民の生活を犠牲にしても、円安を通じて他国のインフレ軽減に貢献するという立派な心がけである。
主要指標 終値
今日の為替ウォーキング
今日の一言
人々はあなたが何を言ったか、何をしたかは忘れてしまう。でも、あなたにどんな気持ちにさせられたかは決して忘れない
Crazy For You
日銀は、日本人の心からデフレマインドを完全に消し去り、かわりにインフレ期待を植え付け、インフレがインフレを呼ぶ経済をつくりだそうとしている。
インフレとはモノの値段が上がることだが、相対的に円の価値が下がるということでもある。借金をしている人(政府)は、インフレによって返済するお金が少なくなる。しかしその分高い利息を払わなくてはいけない。お金の貸し手側から見ると、もし市場原理が正常に機能していれば、受け取るお金の価値が減った分だけ、金利上昇による運用益が増えるはずである。
しかし、日銀が人為的に国債利回りを低く抑えつつ、インフレを発生させたらどうなるか。借金をしている政府は、低利息で利払いを軽減させ、お金の価値の減少で債務残高を縮小させることが可能になる。インフレ率を2%以上にして、国債金利を0.25%に固定する状況を安定的に達成できたなら、日本政府の借金は30年後に実質的には半分近くまで減少するとの計算がある。これが緩和政策の究極目標ではないか。
日銀の議事録では「必要ならば、躊躇なく緩和政策をさらに強化する」と述べているが、現在の量的緩和政策は、金融部門がほぼすべてを吸収し、実体経済の支援にはなっていないことを知っているはずだ。緩和政策は新しいビジネスを支援することよりも、ゾンビ企業の延命に利用されているとの指摘もある。日本企業の1/4は、緩和政策の即時終了を希望している。
緩和政策の副作用が、急激な円安となって現れている。しかし、政府・日銀にとっては、円安のスピードが好ましくないのであって、円安そのものがダメはひとことも言っていない。マーケットもこのレトリック(ことばを巧みに用いた表現)に気づいたようだ。
日銀は、為替は管轄外だから関係ないと、円安に対する責任を放棄している。では、政府が対策を講じるのかというと全くその逆で、むしろ円安を大歓迎しているようだ。
政府はインバウンド需要で盛り上がった楽しい日々を忘れることができないのだ。2013年から2020年まで、訪日客は7年連続で史上最高を更新し、2019年は3,190万人に増加した。ところが、新型コロナの影響で2020年には前年比約9割減の412万人まで急減した。
日本政府は6月10日から海外観光客の受け入れを2年ぶりに再開した。インバウンド景気を一気に盛り上げるためには、円の為替レートは140円とはいわず150円くらいまで円安になってほしいと考えているのだろう。
今週の 注目経済指標
今日の注目通貨:ドル/円
ドル/円:今週の予想レンジ ↑137.25円 ↓135.15円
今週のドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は136.20円。
136.20円より上ならばドル買い優勢、136.20円より下ならばドル売り優勢。
137.65円 : 第4レジスタンス(HBO)
137.25円 : 第3レジスタンス
136.85円 : 第2レジスタンス
136.72円 : 第1レジスタンス
136.71円 : 2022年 高値
136.20円 : ピボット
135.68円 : 第1サポート
135.55円 : 第2サポート
135.15円 : 第3サポート
134.75円 : 第4サポート(LBO)
132.68円 : 06月 平均値
128.65円 : 06月 安値
2022年 ドル/円データ
(荒地 潤)
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