ドル/円135円はすでに「円高」。 急スピードの警戒感薄れ、さらに上昇余地あるか?
トウシル / 2022年7月1日 10時26分
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ドル/円135円はすでに「円高」。 急スピードの警戒感薄れ、さらに上昇余地あるか?
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは137.70円
↓下値メドは134.20円
Apple、円安のため日本で1日から一斉値上げ。iPhone13は19%高。
全銀協新会長が日銀に対し「効果と副作用のバランスとった政策運営を」
日銀短観良くない、日本の失業率も上昇。円安を誘導する日銀の弱気姿勢を支持する結果
東京都の新型コロナ感染警戒レベルを1段引き上げ
米インフレ:米国の賃貸料、今後1年で11.5%上昇する予想
ドル:米成長とインフレは共にピークを迎える
世界経済:世界はインフレリスクより成長リスクが大きくなる局面へ
NZドル:RBNZ総裁「インフレ期待を放置するコストを知っている」
新型コロナ:ロックダウンの中での緩和政策は効果がない
エネルギー:米国の天然ガス、13年ぶり高値つける
2022年も今日から後半戦。コロナ後初めて「自由に移動できる夏」になった今年は、欧米ではインフレ率がどれほど上がっていても旅行に行きたい人が多く、ホテルはすでに満室でどこもキャンセル待ち状態になっているらしい。ちなみに、日本ハワイ間の燃料サーチャージは、円安と原油高のおかげで倍に値上がりして、一人往復47,000円払わないと飛行機さえ乗せてもらえない。さらにハワイから帰国するときには、新型コロナの陰性証明書の発行が一人約34,000円かかる。旅行代とは別に一人8万円かかるから、家族5人でハワイに行くとすれば、別途40万円用意しないといけない。それができないなら、できるだけエアコンは使わず、かといって熱中症にならないようにして夏をやり過ごす。実質賃金が上昇しなければ、日銀がどんなに頑張ってもインフレは長続きしない。
6月30日(木曜)のドル/円は「円高」。24時間のレンジは135.55円から136.81円。値幅は1.26円。
2022年の129営業日目は136.53円からスタート。
今週再び強まった円安の流れを引き継ぎ、東京時間朝に136.81円まで円安に動いたが、前日(29日)につけた24年ぶりの円の安値137円を超えることなく失速した。その後は売りが強まり、明け方には135.55円まで円高に動いた。終値は135.75円(前日比▲0.85円)。
レジスタンスは、
136.81円(06/30)
147.63円(1998)
サポートは、
135.70円(200時間移動平均)
135.55円(06/30)
135.10円(06/28)
134.49円(06/27)
6月を振り返ると、13日の週にFRB(米連邦準備制度理事会)をはじめとする中央銀行が、相次ぎ政策金利を発表し、その翌週は、高インフレと(日銀を除く)中央銀行利上げの仁義なき戦いに、株式市場と金利高の良好な関係の終わりを感じた。
FRBの急激な利上げの副作用はすでに出始めている。米国指標はすでに減速傾向だ。今週発表された6月リッチモンド連銀製造業景気指数は▲19で、前回の▲9から大きく急激に下落して新型コロナ流行後の最悪となった。米消費者信頼感指数は、103.2から98.7も悪化している。FRBも注目するPCE(個人消費支出)コアデフレーターは伸び悩んだ。パウエルFRB議長の「インフレ退治のために無条件でコミットする」という決意が試される。
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主要指標 終値
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今日の為替ウォーキング
今日の一言
俺はトレーニングが大嫌いだった。でも自分に言い聞かせたんだ、今は耐えて残りの人生をチャンピオンとして生きるんだって- モハメド・アリ
Tears In Heaven
最近は、米雇用統計の経済指標としての重要度が以前ほどでなくなったといわれている。今月も、雇用統計の発表よりもFOMC(米連邦公開市場委員会)の利上げ幅が、0.75パーセントなのか、それとも1.00パーセントになるのかということに注目が集まっている。
6月の会合でFOMC(米連邦公開市場委員会)では、フォワードガイダンスで示していた0.5パーセントではなく、0.75パーセントの引き上げを決定した。インフレを制御するというFRBの強い意志表明である反面、FRBのフォワードガイダンスの信頼性は大きく損なわれることになった。その分FOMCのボラティリティは高まっている。
いずれにしてもFRBが、雇用統計の結果をもとに金融政策を決定するという時代は終わった。しかし、だからといって雇用統計が重要でないと考えるのは間違いだ。
これからの雇用統計は、失業率がどれだけ下がるかよりも、賃金がどれだけ上がるかということがマーケットの注目点になる。
労働コストは最終的に価格に転嫁され、インフレ率を押し上げる。また所得増による消費拡大は景気拡大期待につながるだけでなく、景気回復とインフレも関係があり、長期金利にも影響を与える。金利差は、FXを動かす重要な要因だ。
2021年がコロナ給付金による「貯蓄主導型」消費だったとすれば、2022年は「所得主導型」消費に代わるといわれている。一時的な貯蓄に支えられた消費が、収入に支えられた安定的な消費へと変化するかどうかは、雇用市場の拡大、すなわちどれだけ多くの人が仕事に復帰するかにかかっている。
2020年の米国の消費者は、新型コロナによる移動制限によって消費の機会が奪われ、お金を使いたくても使えなかった。2021年になると経済再開と共に、コロナ中に貯めていたお金を一気に使う、いわゆるリベンジ消費が発生した。しかし貯金はいつか尽きてしまうもので、成長を支え続けることはできない。
だから、米経済の先行きを予想するうえで雇用データが重要になってくるのだ。雇用統計の役割は、FRBの政策決定の判断材料から経済成長を示すバロメーターの役割へと変わろうとしている。今後の雇用統計は、FRBの政策を決定する役割より以上に、米経済成長を示す指標として使われることになるだろう。
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今週の 注目経済指標
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今日の注目通貨:ドル/円
予想レンジ ↑137.23円 ↓134.70円
ドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は135.97円。
135.97円より上ならばドル買い優勢、135.97円より下ならばドル売り優勢。
137.71円 : 第4レジスタンス(HBO)
137.23円 : 第3レジスタンス
137.00円 : 2022年 高値
136.75円 : 第2レジスタンス
136.60円 : 第1レジスタンス
135.97円 : ピボット
135.33円 : 第1サポート
135.19円 : 第2サポート
134.70円 : 第3サポート
134.22円 : 第4サポート(LBO)
132.82円 : 06月 平均値
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(荒地 潤)
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