【谷花音インタビュー】18歳・新成人が考える、大人になること
トウシル / 2022年7月22日 7時0分
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【谷花音インタビュー】18歳・新成人が考える、大人になること
成人年齢が引き下げられ、大人の仲間入りを果たした18歳。契約や金融面でも自由度が高まり、リスクの大きさが懸念されています。新成人は、大人になることをどのように感じているのでしょうか。今年5月、18歳の誕生日を迎えた女優の谷花音さんに、現在の心境やリアルな金銭感覚について話を聞きました。
4歳で子役デビュー。谷花音さんが考える、「大人になること」
__18歳で成人、と聞いたときの率直な感想を教えて下さい。
「何が変わるんだろう…という不安がありました。ついこの間高校に入学したばかりなのに。本当に大丈夫かなという気持ちが大きくて、『やったー!』とは思わなかったですね」
__「大人になる」とは、どんなことだと思いますか。
「何でも自分で考えて、決断をして、その責任を自分で負うということだと思います。今までは親の保証や同意があって守られている部分があったけれど、これからは何か失敗した時に最終的に責任を負うのも自分になる。深く考えて行動しないと、という怖さはあります」
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__ご自身を振り返って、大人になったなと感じることはありますか。
「小学生までは母がお仕事に同行してくれていましたが、中学生になってからは母が同行しなくなり、マネージャーさんと2人でお仕事に行っていました。ところが、コロナ禍でマネージャーさんも現場に入れなくなることもあり、そんなときは本当に自分1人で動かなければいけないんです」
「最近では、出演する舞台の大阪公演にも私1人で行く予定です(※編集注:7月3日まで公演された相葉雅紀さん主演舞台「ようこそ、ミナト先生」に出演)。今まではマネージャーさんに教えてもらっていた集合時間も直接自分で確認するし、切符も直接手渡される。それまで周りに頼っていたことを1人でミスなくできるようになったのは、大きな変化ですね」
__3歳で事務所に所属し、4歳でデビュー。小さい頃から大人に混ざってお仕事をされています。これまでに周りの大人たちに怒られたことはありますか。
「あります…印象深いのは、ドラマの撮影現場でのことです。遠くにいたスタッフさんから『飲み物いる?』と声を掛けられて、手で飲む仕草をして『飲みたいです』とお伝えしてしまったことがあって。その動作は生意気すぎる、と別のスタッフさんにお叱りを受けました。お仕事で怒られたのがこの時初めてで、大泣きしてしまいました。『言動に気を付けなきゃいけない。子役は生意気だと思われないようにしなきゃ』と、深く反省したのをよく覚えています」
自信につながった、米国への語学留学
__小さい頃の夢は何でしたか。
「小学2年生くらいのときはお花屋さん、中学3年生くらいまではヘアメイクさんが夢でした。今現在は英語の教師になりたくて、大学進学に向けて勉強中です」
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__女優さんのお仕事は。
「どうしようかなと思って…この世界は正直運もあると感じています。これから先、就活するタイミングまでに運がなかったら、ちゃんと考えなくちゃいけない。いつまでも親に頼っているわけにもいかないし。教師というやりたいことが見つかったので、そっちに進むのもありかな、なんて考えています」
__英語の教師に興味を持ったのはどうしてですか。
「中学、高校で行った語学留学がきっかけです。中学1年生の時、オーストラリアへ2週間の短期留学に行ったのがすごく楽しくて、高校も留学制度がある学校に進学しました。念願がかなって、2021年1~6月にアメリカへ半年間留学に行ってきたんですが、小学生の時から学校で英会話の授業を受けているのに、こんなに話せないのはなぜだろうと思って。英語に苦手意識を持つ同世代の子もたくさんいるので、英語の楽しさを教えてあげられる教師になれたらと思っています」
__半年間の米国留学、振り返っていかがですか。
「あっという間でした。最初はとにかく、聞き取れない、喋れない、何もできない、という状況に焦っていました。せっかく親が行かせてくれたのに、何も得られていないかも…このまま帰りたくない…と本当に毎日焦ってばかり」
__どうやって克服しましたか。
「わからない時にわかったふりをしていたのを、もうやめよう!と決めました。『今、何て言ってた?』『明日テストあるんだよね? 範囲はどこ?』と、わからないことを何でも聞き返すようにしたのは、大きな一歩だったと思います。友達もできて、もっといたいと思い始めたころに帰国の日を迎えました」
__良い経験になったんですね。学びはありましたか。
「私、今まで高みを目指さないタイプだったんです。定期テストも平均点を取れる程度に頑張ったり、これくらいでいいや、となぁなぁにしてしまうところがあったと思います」
「でも、留学先で本当にやらなきゃいけないという状況に立たされて、頑張ったらこんなにできるんだ!という経験が自信になりました。今もお仕事をしながら学校に行って、受験勉強をして、と忙しい日々ですが、『頑張れてる。大丈夫』と思えるようになりました」
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高校生のリアルな金銭感覚
__子役時代、仕事をしてお金をもらうということは理解できていましたか。
「はじめは習い事の延長線上という感じでした。お友達に会える!といった感覚で、失礼なこともたくさんあったと思います。親からお給料の流れや仕組みなどを教えてもらったことをきっかけに、お仕事への意識も変わっていったように思います」
__お仕事でもらうお金は、どのように管理していますか。
「基本的に、私はお仕事でいただく出演料などの具体的な額を知りません。親が管理し、これまでの留学や学費などに回っていると思います。詳しいことは聞いていません」
__詳しく知りたい、と思いますか。
「思うけど…知ってしまうと怖いかな。金額が多くても少なくても、それによってどんな生活になるのか、逆に不安になりそう。もちろん全く知らないのもいけないので、これから先、収入のほかにどんな出費があるのかなど、徐々に具体的に理解していけたらと思います」
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__普段はお小遣い制ですか。
「うちはお正月にもらうお年玉で一年を過ごす、という家です。足りなくなったらもらうときもあるけど、年間の見通しを立てて計画的にやりくりしないと。友達の誕生日が多い月は大変です…!」
__お金が足りなくなった時はどうしていますか。
「高校生になると、アルバイトをして自分でお金の管理をする子が周りに多くて、お互いに『今月は金欠』という時はファストフード店で安く済ませたりと、工夫しています。今は受験期に入ってみんなバイトをやめちゃっているので、欲しい洋服を我慢している子もいる。でも、親にお金をもらうわけでもなく、ちゃんと自分で使える分を管理している子が多いです。友達の影響を受けて、自分もしっかりしなくちゃと思っています」
__節約のため心掛けていることはありますか。
「スタバ(スターバックスコーヒー)に行かないこと! おいしくて大好きだけど、頻繁に行っていたらすぐにお金がなくなっちゃうから(笑)。よく通る道にあるので、目に入らないようにしています。あとは学校の自動販売機でついつい飲み物を買ってしまわないように気を付けたり、例えば購買で毎日チキンを買ったら1週間で850円かかるな、と計算してみたり。小さな出費は大きいなと思って、外で買わずに家から水筒を持って行くこともあります」
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投資、結婚…成人になってできること、どう思う?
__18歳から親の同意なしに証券口座を開設できるようになりました。投資についてどんな印象をもっていますか。
「投資に関しての知識が少ないので、変な詐欺にひっかかったりしないか心配があります。やっぱり、大人に強く言われるとまだ真に受けやすい歳なので。数年後絶対こうなる!と言われたら信じてしまうかも。でも、しっかり学べば興味深い世界だなと思っています。投資以外にも家のローンが組めたりクレジットカードがつくれたりと、お金に関して自由度が増すことは、一気に大人の世界だなと感じています」
__結婚できる年齢も男女ともに18歳になりました。結婚願望はありますか。
「全然先でいいかな。まだまだ自立できていないので、今結婚して良いことがあるのかな? 親の力を借りずに生活費などを自分で賄えるようになってからの方がいいのかな、と思っています」
__今後の目標を教えて下さい。
「大学合格! この夏、本気を出さないと。来年にはコロナも落ち着いて、夢のキャンパスライフを過ごせたらいいな。大学生は高校生よりも自分の時間が増えると思うので、お仕事に関しても受け身ではなくて、自分からお芝居や演劇について学ぶ機会を増やしていきたいです。『谷花音はこんな役もやるんだ』と思ってもらえるように、自分の殻を破れるような役に挑戦してみたいです」
谷花音(たに・かのん)さんプロフィール
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2004年5月4日生まれ。女優。4歳でデビュー。特技は英語、華道。
2011年にテレビドラマ「美しい隣人」「名前をなくした女神」「全開ガール」と3クール連続でドラマ出演を果たし、同時期にNECのCMにおけるナビゲーターへの起用で一躍注目を集める。 2014年に初舞台「Paco〜パコと魔法の絵本〜」で主演・パコ役を務め、 2016年劇場アニメ「君の名は。」では主人公の妹役、2017年には劇場アニメ「夜明け 告げるルーのうた」で主演・ルーの声を演じる。
2022年現在も女優としてだけではなく、声優やナレーションなど、幅広いジャンルで活躍中。
(トウシル編集チーム)
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