ドル/円投機筋、介入期待の円高ポジションに興味か
トウシル / 2022年9月8日 9時52分
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ドル/円投機筋、介入期待の円高ポジションに興味か
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは147.05円
↓下値メドは140.55円
日本:消費者信頼感がリーマンショック以来最低に
米経済:カルフォルニアの経済は国にすると世界で5番目の規模
FRB:中間選挙を目指してインフレ抑圧の利上げ。その後は利上げ休止も
景気後退:米経済は1年半以内にリセッション入り2
マクロ経済:市場はインフレよりも景気後退を心配
中央銀行:コントロールできないインフレの圧力を軽減するために;さらにデフレを生み出す
ドイツ:ガスは配給制に。ロシアがノードストリームを停止
人民元:中国国家主席「ゼロコロナ戦略」の堅持を表明
中央銀行:インフレを長期間放置してきた中央銀行がついにタカ派に変わったとき、景気が後退
記録的猛暑の夏がようやく終ろうとするなかで、FX市場ではまだまだ厳しいドル高が続いている。パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が「長期間の高金利」を示唆したことで、ドルのロングポジションは最大となり、多くの通貨ペアが過去最低水準に降伏した。
ドル/円は24年ぶりの140円台まで円安が進み、145円突破は時間の問題だ。ユーロ/ドルはパリティを割れて一時0.98ドル台と約20年ぶりの安値をつけた。ポンド/ドルは1.14ドル割れ寸前で、サッチャー政権時代の1985年以来、35年ぶりの安値をつけた。
アジア圏では、多くの国が新型コロナ感染の行動制限を解除する方向へ進むのとは逆に、中国だけは頑固にゼロコロナ政策を継続している。主要都市のロックダウンが止まらず、政策の失敗は明らかだが、後戻りすることもできず、経済の悪化を招いている。1ドル=7.000台まで元安は時間の問題とみられている。
9月7日(水曜)のドル/円は「円安」。
1日のレンジは142.63円から144.99円。値幅は2.36円。
2022年の178営業日目は142.75円からスタート。安値は 東京時間朝にやや下げてつけた142.63円。その後は北上を続け、144円台に乗せた後も円売りは止むことはなく、夜の初め頃には144.99円まで24年ぶりの高値を更新した。
ただその後は、FRB(米連邦準備制度理事会)のブレイナード理事の発言や米地区連銀経済報告(ベージュブック)によるインフレ上昇鈍化の指摘などをきっかけに143円台後半まで下落。
終値は143.77円(前日比+0.97円)。
ブレイナード理事はこの日の発言で、「さらに利上げする必要ある」としながらも「急速な利上げは引き締めすぎのリスクを招く可能性がある」との見解を示した。9月の利上げ幅を巡り、FOMC(米連邦公開市場委員会)メンバー間で0.50%か0.75%で意見が分かれている模様だ。
我が国の鈴木財務大臣が、急激な円安に対し「継続なら、まぁ、必要な対応をとる」と、具体的な手段を示さないながらも発言したことにマーケットは一応敬意を払った。一方で、松野官房長官は、新型コロナの水際対策見直しをめぐり「円安メリット」を生かしたいと発言。円安のスピードを抑えても、止めるという考えは政府にはないようだ。
レジスタンスは、
144.99円(09/07)
147.63円(1998)
サポートは、
142.63円(09/07)
140.24円(09/06)
140.11円(09/05)
145円突破はもはや時間の問題に見えるが、短期投機筋は、ここからさらにドル買いを積み増すのではなく、日銀の円安けん制発言あるいは介入期待のドル売り(円買い)ポジションを短期オプションなどで構築する動きが海外市場で見られた。円安トレンドは継続するとしても、短期的な調整には注意したい。
9月に入って138.90円から144.99円まで一気に進んだ円安のせいで、過去10年間に組成された様々な長期輸入レバレッジストラクチャーの8割近くがノックアウトしたといわれている。
顧客サイドからすると、有利なレート(80円以下?)の予約が突然消滅したせいで、今月からは140円台でドルを買うしかないという不幸な状況が発生する。
マーケットも、円安サイドの大量ノックアウトでポジションはショートになってしまったようだ。ドル/円の上昇幅に見合うほどドルロングは積みあがっていない。
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主要指標 終値
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今日の為替ウォーキング
今日の一言
3人で秘密を守ることは可能だ。もし、そのうち2人が死んでいれば
Party Rock Anthem
ECB(欧州中央銀行)は、今夜の9月理事会で政策金利の利上げを発表する。0.50%の利上げが中心シナリオだが、インフレ期待の急激な上昇をECBが警戒しているため、0.75%利上げの見方も強まっている。一方で、エネルギー危機の深刻度が増すなかで、ECBがそれほどタカ派になれないという意見もある。
ECBは前回7月の理事会において2011年以来11年ぶりの利上げを決定した。ECBは、政策金利(主要金利)0.00%、貸付金利(上限金利)0.25%、そしてデポ金利(下限金利)を-0.5%に設定していた。それを0.5%引き上げることにより、マイナス金利を一気に終了させた 。
ECBのフォワードガイダンス(金融政策の指針)では0.25%の利上げを示唆していたが、それを逸脱する大幅利上げを断行したことで、中央銀行の信用が薄れ、マーケットのボラティリティを高めたという副作用も発生させている。ただ、ラガルドECB総裁は、輸入インフレを悪化させるユーロ安を止めることも大幅利上げの理由と語った。インフレを歓迎している先進国の中央銀行は日銀くらいだ。
ECBは今回9月の会合で0.75%、さらに10月にも0.75%利上げして、デポ金利を1.5%まで引き上げたところで利上げを中止、あとはエネルギー問題の状況を見て判断ということになりそうだ。しかし、今のところ、エネルギー供給問題に好転の兆しはない。
ECBの考えていた着地レートは1.75%だった。志半ばでの利上げサイクル中断は、FRBとの利上げ格差が鮮明になり、ユーロにとってはマイナス材料になるだろう。
欧州エネルギー危機でECBがあえて利上げを急ぐ背景は、過去最悪の高インフレだ。ウクライナ戦争の長期化で、欧州のエネルギー危機は深刻化している。ロシアとドイツを結ぶ天然ガスのパイプラインであるノルドストリームは、一部が無期限停止になった(プーチン大統領は再開の可能性を匂わせている)。あと数カ月で冬がやってくるドイツのガス料金は最低3倍に跳ね上がり、さらに「配給制」になればドイツ産業は壊滅的なダメージを受ける。インフレと不況が同時に欧州経済を襲うことになる。
一方で、急速な利上げは、経済的に脆弱な周辺国(イタリア、スペイン、ポルトガル、ギリシャ)をさらに追いつめる。ECBはユーロ圏内の国債利回りの格差拡大を防ぐため、債券市場介入手段としての「分断化防止策(TPI)」の導入を今回の会合で決定した。しかその基準は曖昧なままだ。
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今週の 注目経済指標
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今日の注目通貨:ユーロ/ドル
予想レンジ ↑1.0145ドル ↓0.9808ドル
ユーロ/ドルのピボット(ブルベア判断の分かれ目)は0.9977ドル。
0.9977ドルより上ならばドル買い優勢、0.9977ドルより下ならばドル売り優勢。
1.0209ドル : 第4レジスタンス(HBO)
1.0145ドル : 第3レジスタンス
1.0081ドル : 第2レジスタンス
1.0055ドル : 09月 高値
1.0061ドル : 第1レジスタンス
0.9977ドル : ピボット
0.9959ドル : 09月 平均値
0.9892ドル : 第1サポート
0.9873ドル : 第2サポート
0.9864ドル : 09月 安値
0.9808ドル : 第3サポート
0.9744ドル : 第4サポート(LBO)
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(荒地 潤)
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