日本の為替介入に、ついに米国が不満? イエレン米財務長官「日本から連絡なかった」
トウシル / 2022年10月25日 9時44分
![日本の為替介入に、ついに米国が不満? イエレン米財務長官「日本から連絡なかった」](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushiru/toushiru_39401_0-small.jpg)
日本の為替介入に、ついに米国が不満? イエレン米財務長官「日本から連絡なかった」
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは154.25円
↓下値メドは142.35円
FRB:ブレイナード理事「70年代の教訓から性急な緩和はリスクであることを学んだ」
FRB:ウォーラーFRB理事「FRBピボットは考えていない。インフレ制御に全力集中」
FRB:シカゴ連銀総裁「2023年の早い段階で政策金利は4.5%に」
IMF:2023年は世界経済の1/3が景気後退になるリスク
中国:上海の移動制限を強化。ゼロコロナ政策継続。
英国:エネルギー不足で、最悪の場合1日3時間の計画停電も
英国:格付け見通しネガティブに引き下げ。「政治不安定」を理由に
BOE:債券購入と量的引締めの板挟みでLose-Lose(負け-負け)の状況
ECB:クノット理事「インフレリスクを過小評価してはいけない。大幅に利上げする必要ある」
ドイツ:2023年景気後退、インフレ8%、GDP1.4%。ドイツ政府の見通し
イエレン米財務長官はこの日、日本が先週金曜日のNY市場で実施した為替介入について、「日本側から何も聞いていない」と述べた。そもそも外国為替とは二国間の通貨の交換だから、日本だけが勝手にすることはできない。それぞれの通貨を管理する各国の中央銀行や財務省と緊密な連絡が必要だ。
FRB(米連邦準備制度理事会)のおひざ元のNY市場で、日銀が了解もなくドルを売る(円を買う)オペレーションを行ったのが本当ならば、イエレン財務長官が不満を表明するのは当然である。
先週金曜日のNY市場で、政府日銀は為替介入を実施した。ドル/円は151.95円から146.17円まで円高になったが、効果は1日ともたなかった。
週明け25日は、NY終値に比べ約0.30円の円安レベルとなる148.08円からスタート。ドル買いが強く、朝のうちに149.71円まで上昇したが、再び為替介入が実施されると、高値をつけた10分後に145.41円まで急落した。これが1日のレンジとなった。値幅は4.30円。
しかし、為替介入の効果は度を重ねることに薄れて、夕方には149円まで反発した。終値は149.02円(前日比+1.32円)。
レジスタンスは、
149.71円(10/24)
151.95円(10/21)
159.00円(1990.04)
サポートは、
148.60円(200時間移動平均)
145.41円(10/24)
145.24円(10/10)
この日を入れると、為替介入に10兆円以上の資金を使っているが、それでもなお円安が止まらない。これ以上は、日銀が大量緩和政策を修正するか、あきらめて円安を放置するかの二者択一しかないだろう。
緩和政策を続けながら、インフレ防止のために為替介入を続けるという「良いとこ取り」はG7中央銀行の理解を得ることはできない。
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主要指標 終値
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今日の為替ウォーキング
今日の一言
資産形成に影響するのは、才能よりも幸運だったことが証明される
I've Never Been To Me
10月のマーケットでは様々な材料が登場しているが、どのように計算しても答えは「ドル高」になる。
欧州では、本格的な冬が近づきエネルギー不足が深刻化するなかで景気後退不安がPMIの弱い数字に反映されている。ウクライナ戦争でロシアは、核や生物化学兵器を使用する可能性が高まっている。
英国の格付け見通しは、ネガティブに引き下げられた。その大きな理由が「政治不安」。格下げは珍しくないが、政情不安での格下げは先進国としては異例のことだ。
トラス首相はMMT(現代貨幣理論)と共に辞任に追い込まれ、後任にスナク元財務相が就任することが決定した。大規模減税策を撤回したハント財務相が再任される方向で、マーケットは好意的に受け止めている。今回立候補を断念したジョンソン氏はいまだ保守党内の最大派閥であり、首相辞任の一因となったスナク新首相との関係は良好とはいえない。英国の政治安定はまだ先になりそうだ。
中国は、ゼロコロナ政策を今後しばらく継続する方針だ。中国の経済成長は目標を達成できないことが明らかになるなかで、新しい党最高指導部に経済の専門家がいないことに失望の声もきかれる。
OPEC+(石油輸出国機構プラス)は米国の意向に逆らい大幅減産を断行、世界的インフレと地政学リスクを悪化させている。世界経済の1/3が、今年から来年にかけて景気後退に陥るとIMF(国際通貨基金)は予測する。景気不安は社会不安につながる。今年の世界各地での暴動はすでに昨年の2倍以上に増えている。
米国の経済は堅調だ。9月雇用統計は堅調なペースを維持し、CPI(消費者物価指数)は市場予想を上回った。FRB(米連邦準備制度理事会)の不断の努力にもかかわらず、雇用市場の過熱は続き、インフレ率は高止まりしている。
金利の低い国からお金を借りて金利の高い国に預ける。弱い国の通貨を売って強い国の通貨を買う。これは合理的な取引である。ドルは唯一無二のセーブヘブン通貨だ。
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今週の 注目経済指標
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今日の注目通貨:ユーロ/ドル
予想レンジ ↑1.0207ドル ↓0.9471ドル
今週のユーロ/ドルのピボット(ブルベア判断の分かれ目)は0.9839ドル。
0.9839ドルより上ならばドル買い優勢、0.9839ドルより下ならばドル売り優勢。
2022年現時点の高値は1.1495ドル、安値は0.9536ドル。平均値は1.0515ドル。
1日の最大値幅は0.0220ドル、平均値幅は0.0101ドル。
2022年の値幅は0.1959ドル。
2021年の終値(1.1378ドル)に比べて0.1654ドルのユーロ安。
1.0348ドル : 第4レジスタンス(HBO)
1.0207ドル : 第3レジスタンス
1.0198ドル : 09月 高値
1.0067ドル : 第2レジスタンス
1.0000ドル : 10月 高値
1.0023ドル : 第1レジスタンス
0.9839ドル : ピボット
0.9816ドル : 10月 平均値
0.9655ドル : 第1サポート
0.9632ドル : 10月 安値
0.9612ドル : 第2サポート
0.9536ドル : 09月 安値
0.9471ドル : 第3サポート
0.9331ドル : 第4サポート(LBO)
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2022年 ユーロ/ドル データ
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(荒地 潤)
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