明朝のFOMC結果とパウエル議長会見に注目
トウシル / 2022年11月2日 8時0分
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明朝のFOMC結果とパウエル議長会見に注目
FOMC結果がいよいよ発表へ
世界の株式市場が注目する重大イベントが、今晩あります。11月2日水曜日(日本時間では3日午前3時)、米国の金融政策を決めるFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果が発表されます。
FRB(米連邦準備制度理事会)から0.75%の大幅利上げが発表されることはほぼ確実と見られています。
株式市場の注目は、日本時間で3日午前3時30分から始まる、パウエルFRB議長の記者会見です。そこで、12月以降のFOMCについて、どのような示唆が出されるかが重要です。
市場が期待するような「12月以降、引き締めのピッチが緩む」「利上げ停止が視野に入る」メッセージが出るのでしょうか?
もし、利上げピッチが緩むメッセージがまったく無く、引き続き「景気を犠牲にしてもインフレ抑制のための金融引き締めをやり遂げる」ことだけが強調されると、株式市場はショック安となる可能性もあります。
市場の期待通り、「引き締めを先行き鈍化させる」メッセージが出れば、株式市場の反発が勢いづく可能性があります。
引き締めを緩める条件は整っていない
パウエル議長がどのような話をするのか、予測することは不可能です。ただし、現在の経済環境を見る限り、引き締めを緩める条件は整っていないと考えられます。
引き締めを緩める条件として、以下が考えられます。
【1】米国のインフレ低下が加速する
【2】米国の景気悪化が鮮明になる
【3】米国株がさらに暴落する
【4】金利上昇の弊害で金融危機が起こるリスクが生じる
上記4項目の現在の状況は以下の通りです。
【1】米インフレ:総合インフレ率は9月時点で8.2%。インフレ収束が遅れている。
【2】米景気:製造業の景況低下。サービス産業中心に米景気はしぶとく好調。雇用強い。
【3】米国株:ピーク比でそこそこ下がったが、足元はリバウンド。
【4】金融危機の兆し:英国などに少し出ているが、米国にはまだ無い。
以上の考察から、パウエル議長が、明確に引き締めを緩める示唆をする可能性は低いと思います。
引き締めに対して、これまで程強いメッセージを出さず、先行きの引き締めは、「経済指標しだい」というくらいが、考えられる最善のコメントかと思います。
米国株は、10月21日のウォール・ストリート・ジャーナル紙に、12月以降に利上げピッチが緩む観測記事が出てから、期待先行で上昇していますが、パウエル議長から引き締めを緩めるメッセージが出なければ、失望するリスクもあります。
日経平均テクニカル分析:今しばらくボックス推移か
日経平均株価は、今年に入ってから、おおむね2万5,750円から2万8,300円の範囲で推移しています。
まだ、このレンジを上または下に飛び出す条件は整っていないと考えられます。今しばらくレンジ内の動きが続くと想定しています。
日経平均日足:2022年1月4日~11月1日
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/a/0/-/img_a035d84220c45e0637c9d30198995d5759024.jpg)
2020年10月以降の日経平均週足を、テクニカル分析の視点からざっくり俯瞰(ふかん)します。
日経平均週足:2020年10月2日~2022年11月1日
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/b/3/-/img_b35bde2bf95cf3473741a3f90ac78aec68350.jpg)
2020年の日経平均はコロナショックで急落後、急騰しました。大荒れの1年でした。ところが、2021年の日経平均は一転して、膠着(こうちゃく)相場となりました。
2021年の日経平均はボックス相場でした。2万8,000円から2万9,000円の狭いボックスで推移した時間が長く、それを上また下へ抜けた時も、おおむね2万7,000円から3万円のボックスで推移していました。
2022年に入って、米国株が急落すると、日経平均もいったん2万7,000円を割れて下放れました。ところが、その後は、2万5,750円から2万8,300円の範囲でボックス推移しています。
日本株の投資判断は、毎回述べていることから、変わりません。日本株は割安で、長期的に良い買い場を迎えていると思いますが、短期的な波乱はまだあり得ます。
明朝FOMC結果が発表されたあと、内容しだいで株式市場が失望すれば、また下落するリスクもあることに注意が必要です。
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