新NISAで個別株投資:生涯投資枠1,800万円の使い方
トウシル / 2023年1月19日 13時0分
新NISAで個別株投資:生涯投資枠1,800万円の使い方
個人投資家へのビッグプレゼント「NISA」投資枠拡大・恒久化
2022年の年末、税制改正大綱で明らかになったビッグニュースの一つが「NISAの投資枠拡大および恒久化」です。
現行のNISAとの違いは、下記をご覧ください。
主な変更点を抜粋すると以下の通りです。なお、現行NISAにて一般NISAを使っているという前提でご説明します。
- 現行は非課税期間が5年間だが、2024年以降は無期限となる。
- 現行は年間投資枠120万円だが、2024年以降は個別株240万円、投資信託120万円の合計360万円が投資できる
- 現行は非課税の総枠が120万円×5年=600万円だが、2024年以降は個別株、投資信託合わせて1,800万円に広がる
- 現行は一度売却したら非課税枠は復活しないが、2024年以降は売却して非課税の総枠に空きがでたら非課税枠が復活する。
現状NISAで筆者が感じる不都合な点
今までのNISAは、ロールオーバーの制度はあったものの、原則として非課税期間が5年間と限定されていました。
そのため、非課税枠は年間120万円×5年=600万円となっていました。
また、非課税期間内に売却すると、その分の枠が戻ることがないため、実質的に「一度買ったら売れない」という状況になりかねませんでした。
筆者もNISA制度が始まった年から毎年NISAの投資枠で個別株に投資してきましたが、非課税期間の5年間保有した結果、株価が買値より下落したケースがかなり多く、一度銘柄を選んだら5年間変えられないということに不自由さを感じていました。
そのため、以前のコラムでも書いたように、値下がり時は空売りでヘッジをして損失を限定させていましたが、それもかなり面倒な作業でした。
新しいNISAは「銘柄の入れ替え」ができる!
この点、2024年からの新しいNISAでは、朗報と言える変更がなされています。なんと、NISA枠で買った株を売却すると、その分非課税枠が復活し、銘柄の入れ替えができるのです。
ですから、今までは実質的に5年間保有するしかなかったものが、途中で売却して他の銘柄に入れ替えることが可能となります。
ただ、保有株を売却して他の銘柄を購入する場合も、個別株への年間投資枠の枠内でしかできない点は注意が必要です。
例えば2024年に240万円分の個別株を買い、このうち100万円分を2024年中に売却したら、2024年の間は非課税枠を使い切っているので2025年以降にならないと買えないということです。
それでも、今までは実質的に買ったら持ち続けるという選択肢しかなかったものが、銘柄の入れ替えができるようになった点は非常に画期的な改正だと思います。
もし2024年から2028年までの5年間で240万円ずつの個別株投資枠を使えば、2028年に1,200万円の上限に達します。2029年以降は、保有株を売却することでその分の非課税枠が復活し、再び年240万円まで他の株を買うことができます。使い勝手は格段によくなります。
個別株だけで見れば非課税枠は1,200万円。残り600万円はどうする?
2024年からの新制度では、非課税保有限度額はトータルで1,800万円ですが、そのうち個別株に投資できる枠は1,200万円となっています。
したがって、1,800万円の非課税限度額をフルに活用するためには、600万円分は投資信託(現行のつみたてNISAで投資対象となっているもの)への投資が必要になります。
筆者個人的には、この600万円の投資信託枠も有効に活用するのが良いのではないかと思っています。
資産運用の手法をざっくり2つに分けると、個別株をタイミングを計って売買する方法と、投資信託へ長期投資する方法とがあります。
本コラムをご覧の方は個別株投資をされている方が多いと思いますが、今までは一般NISAとつみたてNISAは同じ年に併用できませんでしたので、おのずと個別株に投資できる一般NISAを選択していたと思います。
しかし、異なる手法の投資を複数行うことでリスクの分散効果が期待できます。ですから、個別株投資は1,200万円の枠を使い、残り600万円は投資信託に投資して長期保有するのが一つの考え方になります。
無論、600万円の投資信託枠を使わないという選択肢もありますが、個別株でうまくいかなくても投資信託の積み立てでその分をカバーできる可能性もありますから、積極的に活用すればよいのではないでしょうか。
ただ、投資信託の長期保有は、長期的に株価が右肩上がりに上昇するというのが成功の前提になります。したがって、毎月10万円ずつしか投資できないのでなかなか難しいとは思いますが、例えば株価が大きく下がった日につみたて投資枠で購入するなど、できるだけ安く買い仕込むことを心掛けるのも一策です。
なお、2023年中は現行制度ですので、2023年のNISA非課税枠120万円については、今まで通り有効に活用するようにしましょう。
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(足立 武志)
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