FOMC控えてドル/円130円前半。ここが円安の限界か?
トウシル / 2023年2月1日 9時54分
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FOMC控えてドル/円130円前半。ここが円安の限界か?
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは131.20円
↓下値メドは129.05円
インフレ:消費者は、「値上げは不可避」という企業のストーリ-を信じ込まされている。原油価格は安く、円高でも値上げラッシュ続く。
米政策金利:FF金利の予想ピーク、5.05%に上昇
米金利:セントルイス連銀総裁「FF金利は十分な引締め水準に近づいている」
米インフレ:セントルイス連銀総裁「インフレ期待が落ち着き、インフレは低下傾向」
米インフレ:IMF「米国のインフレはまだピーク迎えていない。利上げを続けるべき」
1月31日(火曜)のドル/円は「円高」。
1日のレンジは129.74円から130.53円。値幅は0.79円。
2023年22営業日目は130.41円からスタート。
高値は東京時間朝の130.53円まで。130円台後半は売りが並んでいる模様。131円台は1月24日以来見ていない。
NY市場では、この日発表された米経済指標で景気指標が悪化したことや、賃金インフレの低下を示すデータをきっかけにドル売りが強まった。一時130.00円を割り未明に129.74円まで円高に動いたが、再び130円台に戻して、終値は130.09円(前日比▲0.35円)。
レジスタンス:
130.53円(01/31)
130.57円(01/30)
130.61円(01/26)
サポート:
129.74円(01/31)
129.70円(200時間移動平均)
129.20円(01/30)
FRB(米連邦準備制度理事会)は利上げを急ぎ過ぎてインフレを定着させられなかったという、過去の苦い経験がある。それで利上げをためらっていたが、インフレはあっという間にFRB目標値の4倍まで暴騰してしまった。
今のFRBは反対に、利上げ終了を急ぎすぎてインフレの再暴走を許してしまった1970年代の失敗を繰り返すことを恐れている。利下げをためらっているうちに、米経済はリセッション入りするかもしれない。
FRBは今年の利下げを否定しているが、少なくとも利上げサイクルは終了が見えてきた。今夜の会合で、FOMC(米連邦公開市場委員会)は利上げ幅を0.50%から0.25%に縮小する。全会一致の決定となるだろう。
対照的に、ECB(欧州中央銀行)は9ヵ月前のFRBを彷彿させるような利上げ積極姿勢を前面に押し出している。ラガルドECB総裁は「インフレは極めて高い」と警告するなかで、ECBのクノット理事は「複数回の0.50%の利上げ」を計画していると述べている。
日銀は過去の声明にとらわれている。10年前に政府と日銀が合意した、2%の物価安定目標を「できるだけ早期に実現することを目指す」という共同声明のために、日銀は緩和政策から抜け出すことができずにいる。東京都区部の物価が1981年以来約42年ぶりの上昇を記録しても、まだ「ためらわず一段の緩和を行う」と繰り返す。
日銀の緩和政策に対する圧力は高まっている。企業経営者や学識者による政策提言団体である令和臨調は、日銀が2%物価目標を早期実現ではなく長期的な目標に切り替えることで、異次元緩和政策を修正するべきとした。提言にはさらに、金利機能の回復と国債市場の正常化、市場との対話の強化なども盛り込まれた。しかし、共同宣言そのものが、日銀の独立性を脅かしているとの指摘もある。
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31日のユーロ/ドルは「ユーロ高」。
1日のレンジは1.0802ドルから1.0875ドル。
安値は東京時間夜の初め頃に1.0802ドルまで下げて安値をつけたが、この水準で踏みとどまる。先月18日以来1.07ドル台はつけていない。
利上げ終了に向かうFRBと、利上げ加速へ進むECB(欧州中央銀行)。中央銀行の金融政策のかい離を期待したユーロ買いで明け方には1.0875ドルまで回復した。終値は1.0864ドル(前日比+0.0014ドル)。
レジスタンス:
1.0875ドル(02/01)
1.0865ドル(200時間移動平均)
1.0875ドル(01/31)
サポート:
1.0802ドル(02/01)
1.0802ドル(01/31)
1.0802ドル(01/20)
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主要指標 終値
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今日の為替ウォーキング
今日の一言
偉大な人間はアイデアについて話し、凡庸な人間は出来事について話し、狭量な人間は人々について話す
Shapes of Things
米国の12月米CPI(消費者物価指数)は、前月比▲0.1%、前年比+6.5%で、前月(+0.1%、+7.1%)に続いて伸びが鈍化した。
インフレ率のピークアウトは、FRBの利上げがついに効き始めたということだ。リセッションという副作用の大きさを考えると、利上げはそろそろペースを落とす頃合いだという見方も広がっている。
FOMC(米連邦公開市場委員会)は、4会合連続で0.75%の利上げを実施してきたが、12月会合では利上げ幅を0.50%に緩めた。今回は0.25%までさら緩める考えだ。
さらに来年のいずれかの時点では「利下げ」との見方もでている。しかし、FRBはマーケットの行き過ぎた楽観論を決して快くは思っていない。
ウォラーFRB理事は、CPIについて「ある時点のデータに過ぎず、あまり深読みしてはいけない」と警告する。現在の6%近いインフレ率は、FRBの目標値2%と比較して「とんでもなく高い」と指摘し、利上げ休止期待を完全否定した。
ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁は、0.50%利上げを「ハト派的」と考えること自体が間違いだという。「FOMCは1983年から合計88回利上げをしてきたが、そのうち75回は0.5%より低かった。」
FOMC(米連邦公開市場委員会)は、今回0.25%、3月0.25%と利上げした後、休止モードに入る予定だ。現在4.00%のFF金利は、5.00%前後が打ち止めになるようだ。
もっとも、投票権を持つ最右派のブラード・セントルイス連銀総裁は、「十分に引締め的な金利水準とは5.00%から7.00%である」として、マーケット予想を上回る水準までの金利引き上げを支持する。
重要なことは、パウエルFRB議長をはじめFRBの多くのメンバーが、「政策金利の終着レートはまだ高くなるべきだ」という考えを持っていることだ。「利上げ減速」は累積効果を測定するためであって「利上げ停止」ではない。インフレの状況次第によっては加速することも十分ありえる。
12月FOMC会合の議事録では、 2023年の「利下げはない」との考えをメンバー全員が共有していることが明らかになっている。
パウエルFRB議長は、インフレ制御のためには、過熱している雇用市場を冷まさなくてはいけないと考える。就業者数が伸びないまま平均賃金上昇率の高止まりが続くなら、インフレ警戒を強め大幅利上げということもありえる。利上げ終了のハードルはかなり高い。FRBがハト派に転向したと考えるのは早いのだ。
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今週の 注目経済指標
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今日の注目データ
重要ブレークアウトレベル(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円)
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022年 豪ドル/円データ
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(荒地 潤)
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