今週は、為替の円安基調が続けば2万8,000円を目指す可能性も
トウシル / 2023年2月6日 16時0分
![今週は、為替の円安基調が続けば2万8,000円を目指す可能性も](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushiru/toushiru_40450_0-small.jpg)
今週は、為替の円安基調が続けば2万8,000円を目指す可能性も
今週の予想
現時点では2万8,000円に向かう流れだが、過熱感の信号が灯っているので注意が必要
チャート的には、先週末に日経平均株価が1カ月半ぶりに2万7,500円をわずかに超え、週末の米国で1月雇用統計を受けて円安が大きく進み、シカゴの日経先物が+130円の2万7,620円となっていることもあり、戻りを試すことになりそうです。
どこまでかは今週の10日に日本銀行の後任人事案が国会に提示される予定ですので、黒田東彦総裁の後任が明らかになれば、日経平均は上下どちらかに放れる可能性があります。
現時点では、日経平均はナスダック総合指数に連動しています。2月2日にナスダックは、およそ4カ月半ぶりに1万2,200Pを回復しました。ハイテク株を多く含むナスダックの上昇は、日本株に影響を与えやすくなっています。そうなれば12月の高値2万8,195円を目指すことになります。
為替の日足チャートは、25日移動平均線で130円半ばが抵抗帯ですので、先週末の米国市場での為替で131.19円の引け値で上回っています。日経平均のチャートは、今の時点では、2万8,000円に向かう流れにありますが、テクニカル的には、ナスダックも過熱感の信号が灯っているので注意が必要です。
今週の指標:日経平均株価
今週は、先週末に1カ月半ぶりにわずかながら2万7,500円を回復し、引け後の米国市場で1月雇用統計を受けて利上げ停止が遠のいたとの見方で、ドルが買われ2円以上の円安となってシカゴの日経先物が+130円の2万7,620円となっており、まずは2万7,800円水準を試す動きが想定されます。
先週の動き
先週は、2万7,500円水準の心理的フシを上値にして、2月1日のFOMC(米連邦公開市場委員会)、2月3日の雇用統計を経過するまでのもみあいとなりました。
1月30日(月)は、先物主導で2万7,486円まで上昇するものの、引け値は+50円の2万7,433円、31日(火)は、米株式が主要3指標そろって反落したことで、一時▲131円の2万7,302円まで下げ、終値は▲106円の2万7,327円となりました。
2月1日(水)は、前日の米国株で主要3指標がそろって大幅高となったことで、日経平均も上昇、+220円の2万7,547円とザラ場で2万7,500円台のせとなりましたが、終値では+19円の2万7,346円でした。
2日(木)は、2万7,472円まで上昇して引け値は2万7,402円と2万7,500円水準が重い展開が続きました。週末3日(金)は、前日の米国市場でナスダックが昨年9月以来の水準まで大幅上昇し、これを受けて日本でもハイテク株が買われ、一時+210円の2万7,612円まで上昇するものの、引け値は+107円の2万7,509円と辛うじて1カ月半ぶりに2万7,500円を回復しました。
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今週の指標:NYダウ(ダウ工業株30種平均)
今週も引き続き、主要企業の決算が注目となります。
バイデン大統領の一般教書演説、パウエル議長のワシントンエコノミッククラブでのインタビューが予定されており、内容が注目となります。
パウエル議長はFOMC後の会見で、利上げ開始以降初めてディスインフレの早期の兆候が見られると指摘、労働市場が依然逼迫(ひっぱく)する中で十分な引き締めに達するためにと追加利上げを示唆しながらも、インフレ抑制の進展を歓迎したことで、金利先高観の後退に伴うハイテク株の買い戻しを引き続き支援すると思われます。
テクニカル的にはダウ工業株30種平均、ナスダックともに重要な節目となる200日移動平均線水準を上抜けしており、押し目買い意欲が強い中で、下値は限定的と思われます。
経済指標では、7日の12月貿易収支、8日の12月卸売売上高、10日の2月ミシガン大消費者信頼感指数などが発表予定となっています。バイデン大統領は7日に一般教書演説を予定、パウエル議長は7日にワシントンでインタビューが予定されており、内容によって相場にどう影響を与えるか注目となります。
先週の動き
先週の1月30日(月)は、FOMCの結果発表を控え、警戒感から3指標そろって反落し、NYダウは▲260ドルの3万3,717ドルと7日ぶりに反落となりました。31日(火)は、3指標そろって反発し、10~12月期雇用コストが予想を下回ったことで、インフレのピークアウト期待が高まり、NYダウは+368ドルの3万4,086ドルとなりました。
2月1日(水)は、FOMCの結果は想定通りの0.25%の利上げで、NYダウは+6ドルの3万4,092ドルと続伸し、2日(木)は原油安などエネルギー株の下落を受け、NYダウは▲39ドルの3万4,053ドルと小反落、週末3日(金)は、注目された米1月雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を大きく上回ったことや、失業率が予想に反して低下したことで10年債利回りが上昇したことが嫌気され、またアマゾンやアルファベットが予想を下回る決算が嫌気された、▲127ドルの3万3,926ドルと続落となりました。
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今週の指標:ドル/円
今週は、10日に政府が日銀後任人事案を国会で提示される予定で黒田総裁の後任によって為替が上下どちらかに動く可能性があります。結果をみての判断となります。
先週の動き
先週は、2月1日のFOMCの結果発表と3日の1月雇用統計を前に週前半は129~130円のもみあいとなっていました。
1日のFOMCの発表では、予想通り0.25%の利上げの縮小が発表され、その中でパウエル議長はインフレのスローダウンの認識を示すとドルが売られ、2日(木)には128.09円まで下げました。
しかし、1月雇用統計で雇用者数が予想を上回る大幅増となり、インフレ圧力が根強いことが示されたことで、再びドルが131.22円まで買われ、131.19円のドル高・円安で引けました。
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先週の結果
先週は、米国のハイテク株買いで、日経平均も上昇し、わずかに2万7,500円回復して引ける
先週の予測では、日本で決算が本格化する中で、2月1日のFOMCの結果発表や3日の雇用統計をどう迎えるかで相場は様子見となり、個別銘柄の物色となりそうだとしました。
注目のFOMCは、利上げ幅が0.25%の見方が強まっていたことで、これは問題なさそうだとしました。
日経平均は、1月16日の2万5,748円から、1週間で約1,750円幅の急騰となって、2万7,200円水準をぬいて節分天井(2月3日)を迎える形となっていることで、それまでは水準訂正が続く可能性があるとしました。
ただし、荒い動きの中を大きく戻してきたので、そろそろ頭打ちの想定もできるところとしました。
結局、戻りを試すものの上値重く、2日(木)のFOMC発表までは上値は抑えられ、心理的フシの2万7,500円を前に売り物に押さえられ伸びることができませんでした。
ただし、1日(水)は、前日の米国市場で主要3指標そろって大幅上昇したことで、一時+220円の2万7,547円まで上昇するものの、終値では+19円の2万7,346円と上げ幅を縮小して引けました。
FOMCの結果を終えた2日(木)の日本市場は、FOMCでは利上げ幅が予定通りの0.25%だったことで沈むこともなく、日経平均は+55円の2万7,402円で引けました。週末3日(金)の日経平均は、前日の米国市場でナスダックがメタ・プラットフォームの急騰(+23%)を受けて、+384Pの1万2,200Pと大幅続伸したことで、日経平均もハイテク株が買われ、一時+210円の2万7,612円まで上昇するものの、2万7,500円水準を試す動きとなり、後場には2万7,500円水準でのもみあいとなりました。
結局、後場は週末要因や引け後の1月雇用統計を控え、フシ目の2万7,500円近辺で一進一退となり、+107円の2万7,509円と1カ月半ぶりに2万7,500円台にのせて引けました。
週末の米国市場では、注目の1月雇用統計で、就業者数が市場予想の+18万5,000人を大きく超える前月比+51万7,000人となり、インフレ圧力が根強いことを示しました。そのため、利上げがまもなく停止するという期待が遠のき、株の売りを招きました。
3指標そろって下落し、NYダウは▲127ドルの3万3,926ドルと続落となりました。為替はドルが大きく買われ、円は131.19円と円安となったことで、シカゴの日経先物は+130円の2万7,620円と上昇しました。
(出島 昇)
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