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日銀総裁は学者に!今週は米国CPIで激しい値動き再開か!?

トウシル / 2023年2月13日 14時18分

日銀総裁は学者に!今週は米国CPIで激しい値動き再開か!?

日銀総裁は学者に!今週は米国CPIで激しい値動き再開か!?

 先週の株式市場は、10日(金)の日経平均株価(225種)の終値が前週末比0.6%高、米国株の代表的指標であるS&P500種指数は1.1%安と、方向感の乏しい展開となりました。

 10日(金)夕方には次期日本銀行総裁に学者出身の植田和男氏が起用される見通しが相次いで報じられ、為替相場が乱高下しました。

 しかし10日深夜の日経平均先物価格は小動きにとどまり、ニューヨーク外国為替市場の取引も結局、1ドル=131円台の円安に振れて終了。

 日銀人事に対する当初の反応は比較的穏やかでした。

 今週2月13日(月)~17日(金)は、14日(火)に米国の1月CPI(消費者物価指数)の発表があります。

 その結果次第では、再び株価の値動きが激しくなる可能性もあります。

先週:FRB高官発言で一喜一憂、インフレと金利を巡る探り合い続く

 2023年に入って、米国では物価上昇率の鈍化傾向が鮮明になったことが、株価上昇の原動力になっています。

 物価高が沈静化すれば、米国の中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)がこれ以上、利上げを続ける必要がなくなり、利上げ打ち止めで、株式市場にお金が流れ込みやすくなるからです。

 FRBのパウエル議長は、2月1日(水)に0.25%の利上げを決めたFOMC(連邦公開市場委員会)後の記者会見で、「ディスインフレ(物価上昇の沈静化)のプロセスが始まった」と発言しました。

 しかし、その2日後の3日(金)に発表された米国雇用統計の1月非農業部門雇用者数は前月比51.7万人増と、予想をはるかに上回る伸びに。

 雇用情勢が活況で人手不足が続くと企業などで従業員を確保するため賃金を上げる動きが強まります。そして、企業が人件費が増えた分を商品やサービス価格に転嫁して、物価も上昇してしまいます。

 そのため、先週はパウエル議長が7日(火)の民間討論会で、強すぎる米国の雇用について、どんな発言をするかに注目が集まりました。

 パウエル議長は「2023年はインフレが大幅に鈍化する年」と発言。

 インフレ鈍化はFRBの早期利上げ打ち止めを示唆するため、米国株は大幅上昇に転じました。

 ただし、「好調な労働市場が続くと利上げが長引く可能性もある」という警告も発しています。

 さらに、8日(水)には、FOMCメンバーで投票権を持つニューヨーク地区連邦準備銀行のウィリアムズ総裁がインフレを鈍化させるためには数年間は金利を景気抑制的な水準に維持する必要があるとの見解を示しました。ほかのFRB高官からも同様の指摘が上がり、金融引き締めに積極的なタカ派的な発言が相次ぎました。

 そのため、株価が割高なハイテク株が多く金利上昇に弱いナスダック総合指数が前週末比2.4%安になるなど、米国株は下落基調で先週の取引を終えています。

 ただ、ここ最近のIT業界ではマイクロソフト(MSFT)が出資した「チャットGPT」など対話型のAI(人工知能)検索技術に対する注目が集まっています。

 新たなIT分野の技術革新は、ハイテク株の組み入れ比率が高いS&P500やナスダックにとっては追い風といえるでしょう。

 2022年10-12月期決算のピークを迎えた日本株は、決算発表の結果で個別株が大きく売られたり買われたりする展開でした。

 好決算で買われたのは半導体株や鉄鋼株です。

 2022年12月期の純利益が前期の約2.1倍になった自動車向け半導体メーカーのルネサスエレクトロニクス(6723)は前週末比14.7%高。

 2023年3月期の通期の純利益を上方修正した神戸製鋼所(5406)は前週末比15.0%高でした。

 一方、非鉄金属など景気敏感株を中心に、2023年3月期の業績を下方修正する企業も目立ちました。

今週:日銀総裁に植田氏起用で株は上がる?14日公表の米CPIに注目!

 今週は14日(火)に、日本株に極めて大きな影響力のある日銀の次期総裁・副総裁の人事案が国会に提出される見通しです。

 すでに複数の大手メディアでは経済学者の植田氏の起用が報じられています。

 学者というと実務に疎いと思われがちですが、米国では学者出身の中央銀行高官が多いのも事実。

 植田氏は、マサチューセッツ工科大学で、ノーベル経済学賞も受賞したバーナンキ元FRB議長らそうそうたる著名経済学者とともに学ぶなど、国際的なパイプも豊富です。

 日銀の審議委員を務めた2000年には、当時のゼロ金利解除を決定した金融政策決定会合で反対票を投じるなど、どちらかというと、金融緩和に肯定的なようです。

 また、日銀が現在行っている異次元の量的緩和策に対しても「現状では継続が必要」とメディアのインタビューで表明しています。

 そう考えると、市場は今週の正式な人事案提出を、おおむね前向きに受け止めそうです。

 一方、今週、最も注目されそうな経済指標は、14日(火)に発表される米国の1月CPIです。CPIの伸び率は消費者に身近な商品やサービスの物価の上昇度合いを示すもので、中央銀行が物価の安定を図るために今後どのような金融政策をするか見通す上で重要な指標となります。

 市場では1月のCPIは前年同月比で6.2%の伸びという予想が目立ち、昨年12月の6.5%の伸びから上昇幅はさらに鈍化するとみられています。

 最近の米国CPIの高止まり要因になっているのは、賃料など住宅関連、そして強すぎる雇用統計の要因になるほど活況なサービス業関連の価格上昇です。

 今回の発表で、賃料やサービス価格の低下が鮮明になるようなら、株価が再び上昇に向かう起爆剤になるでしょう。

 半面、高止まりが続くようだと急落も考えられます。

※CPIに関して詳しくはこちら:1分でわかる!インフレと株価の関係

 米国では15日(水)に米国の個人消費の活況ぶりが分かる1月の小売売上高、主に製造業分野の景況感がわかる1月の鉱工業生産も発表になります。

 16日(木)には、物価の先行指数といわれる1月PPI(卸売物価指数)も発表に。

 CPIやPPIなど、インフレ率の高止まりは株価にとって打撃です。

 しかし、「インフレ高止まり→米国の高金利継続→ドル高円安が進む」という連想が働くことで、日本株にとっては、円安という株価下支え効果が発生するのも事実。

 株式投資はある意味、連想ゲームのようなものです。

 さまざまな経済指標などに市場がどう反応するか連想を働かせることも、株式投資の楽しみの一つといえるかもしれません。

(トウシル編集チーム)

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