無限に続く日銀の大量緩和。その本当の目的は何か?
トウシル / 2023年2月24日 9時51分
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無限に続く日銀の大量緩和。その本当の目的は何か?
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは135.70円
↓下値メドは133.95円
othing-burger:パテなしハンバーガー。〔重要そうに思えたが結局〕何でもなかったこと
財政ファイナンス:中央銀行が通貨を発行して国債を直接引き受けること
中国:国有企業に4大監査法人の排斥指示。米中関係悪化で情報漏洩防ぐ
倒産増加:流動性の枯渇でレバレッジドローンの倒産が急上昇するおそれ
日本経済:日本のインフレはコストプッシュ(供給主導)型。需要先導型ではない
資源戦略:中国の鉄鉱石調達を一手に担う国有の中国鉱産資源集団(CMRG)が、世界最大の鉄鉱石の買い手に。中国による世界の市場や価格に対する影響力を高める目的
FXマーケットの関心は、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策の行方に集まっている。
雇用統計、CPI(消費者物価指数)、そしてPPI(卸売物価指数)など、米経済の強さを示す経済指標が発表されるなかで、今週発表されたFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録も強気の内容で、複数名のメンバーが0.50%の利上げを支持したことが明らかにされた。一方「利下げ」については全く議論されなかった。
米中の地政学リスクの高まりもドル買い要因のひとつになっている。中国のロシアへの武器供与の証拠が見つかった場合、欧米が中国企業に対して経済制裁をする可能性がある。中国政府は、米国への情報漏洩防止を理由に、国有企業に対して4大監査法人の取引を止め、今後は中国資本の会計事務所を使うよう指示した。
ただ、FOMC議事録のタカ派色の濃さの割には、強いドル買いには発展していない。
今年初めの「日銀の政策正常化期待の円ロング」や「中国経済再開期待のドルショート」のストップが一巡して今は様子見。
2月21日(火曜)のドル/円は「円安」。
1日のレンジは134.14円から135.23円。値幅は1.09円。
2023年37営業日目は134.21円からスタート。
東京時間の昼前に少し下げ134.14円をつけてから、上昇。安値が134円台の円安だったのは今年初めて。
夜遅くには135円台にのせ、135.23円まで上値を伸ばし、今年の高値を更新した。終値は134.16円(前日比+0.21円)。この上のレベルは137.48円(12月20日高値)までない。
レジスタンス:
135.23円(02/21)
137.48円(22/12/20)
137.80円(22/12/16)
サポート:
134.14円(02/21)
133.90円(02/20)
133.90円(02/17)
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/b/7/-/img_b7cd5c4de89527d757bde75edef8664a97229.jpg)
ウクライナ戦争1年となる24日を前に、新たな地政学リスクを警戒するマーケットはユーロ買いに慎重。
23日のユーロ/ドルは4営業日連続で「ユーロ安」。1日のレンジは1.0577ドルから1.0628ドル。
この日は1.0604ドルからスタートして東京時間夕方につけた1.0628ドルが高値。NY市場で1.06台を下に抜け、未明には1.0577ドルまで下落して1月6日以来の安値をつけた。戻りが鈍いまま、終値は1.0596ドル(前日比▲0.0009ドル)。
レジスタンス:
1.0628ドル(02/23)
1.0664ドル(02/22)
1.0680ドル(200時間移動平均)
サポート:
1.0577ドル(02/23)
1.0483ドル(01/06)
1.0443ドル(22/12/07)
2023年 ユーロ/ドル データ
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/3/4/-/img_3424ad1dfc4f166256e6a46eeb465e1668372.jpg)
米国のインフレ率は、昨年6月に9.0%まで高騰したが、FRBの金融引き締めの甲斐あって、年末には6.5%まで落ち着いた。最新のFOMC議事録はタカ派的内容ではあるものの、インフレがピークを越えつつあることで、利上げは拡大というより縮小に向かっていることは確かだろう。実質金利の低下は株式市場にとって追い風だが、FX市場にとってはドル安要因になる。
問題は、インフレの次に何がやってくるのか、ということだ。景気減速(ソフトランディング)なのか、それとも景気後退(リセッション)なのか。
米経済が一時的な景気減速(ソフトランディング)という「軽傷」で済むならば、株式市場は上昇し、ドルはリスクオンで下落する可能性が高い。しかし本格的な景気後退(リセッション)まで「悪化」するならば、株式市場は暴落、リスクオフで一段とドル高が進むだろう。
主要指標 終値
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/7/8/-/img_782c669fc6a584ccb395dd853ff4bd2750100.jpg)
今日の為替ウォーキング
今日の一言
天使も踏むを恐れるところ愚か者は勇んで踏み込む
99 Red Balloons
日銀は、日本のインフレ率を下げるのではなく、さらに高くしたいと考えている。インフレ率を安定的に上昇させるためには、賃金上昇が不可欠だが、日本の実質所得は他国以上にマイナスが続いている。給料が上がらない、上がっても物価上昇に全く追いついていないのが現実だ。この状況が近い将来改善される見込みは全くない。
生活防衛として無駄な出費を抑え、質素な生活を心がける日本の家庭に対して、これまで企業の価格決定権は弱く、値上げができない時代が長く続いていた。
そこで日銀は、大量緩和政策で円安を持続させることで物価高をつくり、国民の意識にインフレ期待を形成してやろうと考えた。物価上昇が続くことが当たり前だという考え(期待)を消費者のマインドに浸透させることで、企業に値上げをしやすくさせるのだ。
その甲斐あって、2022年は主要食糧品メーカー105社が20,822品目を平均14%値上げすることに成功した。さらに2023年は4月までに7,000品目以上が値上がりし、「光熱・水道」費は、前年比約15%以上も高くなっている。「このまま永遠に上がり続けるのか?」とわれわれは不安に襲われるが、これこそまさに日銀の狙いだ。
日銀は需要インフレを起こせない代わりに、円安を利用して輸入インフレを発生させることに成功した。日銀が安定的な物価上昇を達成するためには「サステナブルな円安」がどうしても必要なのだ。
海外の中央銀行はインフレ期待を繋ぎ止めて物価上昇に歯止めをかけようとしている。日銀はその逆で、日本人のインフレ期待を解き放ち物価を上昇させようとしている。
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/9/c/-/img_9cc6cf8e4d8b4b13555582b8e532c70864454.jpg)
今週の注目経済指標
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/b/3/-/img_b38deee9222c2988f49382be062827f142211.jpg)
今週の注目テクニカルレベル(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円)
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/0/4/-/img_04489e79ce895b93781a1fb57d57519b85765.jpg)
(荒地 潤)
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