今夜の米雇用統計、相場大荒れ間違いなしか? ドル/円は一足先に135円台に下落
トウシル / 2023年3月10日 9時49分
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今夜の米雇用統計、相場大荒れ間違いなしか? ドル/円は一足先に135円台に下落
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは137.30円
↓下値メドは135.50
FOMC:FF金利レートが6.00%まで引き上げられる予想増える
米利上げ:NY連銀総裁「状況に応じて利上げを加速する」
米利上げ:NY連銀総裁、利下げ観測を否定。「FRBは金融引き締めを数年間継続する必要」
米債務上限問題:共和党「財政改革なくして債務上限拡大なし」
南ア:電力危機深刻化で「非常事態宣言」を検討
南米:ブラジル・アルゼンチンの「共通通貨構想」、やはり頓挫
カナダ:BoC「経済減速が冷えすぎないように、利上げを休止する必要がある」
インフレ:ピークを過ぎても、目標値まで下がるには時間がかかる
スウェーデン:リクスバンク「インフレ抑制のために、クローナ高が望ましい」
メキシコ:メキシコ中銀、インフレ見通し引き上げ。FRBとの政策路線の違い目立つ
「経済が過熱したままならば、今月のFOMC(米連邦公開市場委員会)会合では利上げ幅を0.25%から0.50%に戻す。」パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長がこのように議会で証言したことで、今月発表される経済指標の重要度がこれまで以上に増すことになった。
経済指標の重要度が増す一方で、最近は予想と結果のギャップや振れ幅が大きくなっているため、それらのデータに頼る中央銀行の政策ガイダンスの信頼性が低下するという皮肉な現象も起きている。
今夜は米2月雇用統計の発表だ。2月雇用統計の詳細には、ぜひ「最近の雇用統計の予想のハズレっぷりがひどすぎる!金曜夜の発表はどのポイントをおさえるべきか?」をお読みください。
3月9日(木曜)のドル/円は「円高」。
1日のレンジは135.94円から137.37円。値幅は1.44円。
2023年49営業日目は137.32円からスタート。
昨日までのドル買いの勢いはやや力を失い、高値は東京時間の朝、開始後すぐにつけた137.37円まで。
昼過ぎに137円を下抜け、さらにNY市場に入ると雇用統計に備えたポジション調整が活発になり、夜遅くに136円を割ると135.94円まで下落して安値をつけた。パウエルFRB議長の「0.50%利上げ」で上昇した分すべてを吐き出す形となった。終値はやや戻して136.12円(前日比▲1.26円)。
レジスタンス:
136.40円(200時間移動平均)
137.37円(03/09)
137.91円(03/08)
サポート:
135.94円(03/09)
135.54円(03/07)
135.36円(03/06)
135.24円(03/01)
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/f/e/-/img_fe5d071a3f2f832bf1b8ca234fa76c90100026.jpg)
雇用統計の前にも大きなイベントがある。日銀は本日、金融政策決定会合の結果を発表する。黒田体制下における会合はこれが最後。日本の年度末直前での金融政策の変更は行わないという見方が多いが、一部にはYCC(イールドカーブ・コントロール)の変動幅を1.0%に拡大するとの期待もある。
2023年 ドル/円 データ
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/5/e/-/img_5e3d763577dc406c6c065da4853a6c9452782.jpg)
主要指標 終値
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今日の為替ウォーキング
今日の一言
株式市場は、忍耐力が無い人から忍耐強い人へ資金を移動させる装置だ - ウォーレン・バフェット
Let’s Groove
今夜は2月の米雇用統計の発表がある。すでに発表された民間版雇用統計のADP雇用データは、24.2万人増で、予想(20.0万人増)を上回っただけではなく、前回(10.6万人増)から大幅に伸びた。2月雇用統計が予想を超える強さになれば、今月の会合でFOMCが0.50%利上げを行うことは、ほぼ確定となる。
一方で、新規失業保険申請件数は予想(165.9万人)に対して、171.8万人という結果だった。これは失業率が急増しているということだ。失業保険継続受給者数も増えている。
2月のドル/円は128.10円から136.90円まで、1ヵ月で9円近くもドル高/円安に動いた。そのきっかけとなったのが、1月の米雇用統計だ。
先月発表された1月の雇用統計では、NFP(非農業部門雇用者数)が事前予想の19.0万人に対してその2倍以上の51.7万人も増えた。FRBがインフレ上昇の大きな原因として労働賃金の高騰を指摘するなかで、昨年の月平均の20万人増を超えただけではなく、パウエルFRB議長が目指す「月10万人程度」を著しく上回った。NFPの「モンスター級」増加は、FRBの雇用市場の熱を冷ますという目的が全く達成されていないことを意味する。
その一方で賃金上昇率は緩やかに下落していることが確認された。FRBが問題視しているのは賃金の急騰が招くインフレであって、雇用を減らしたいわけではない。むしと「雇用が増えてインフレが上昇しない」状況こそFRBが目指している状態なのだ。
そう考えるなら1月の雇用統計は、FX市場にはリスクオンのドル安になってもよかった。ただこの時はマーケットの頭がドル安で占められていたところに予想の外れっぷりが凄まじく、目先のポジション解消で大忙しでそんな余裕がなかった。今はポジション調整も一段落した。今月の結果をFRB、そしてマーケットはどのように判断するか。
2月雇用統計の詳細には、ぜひ「最近の雇用統計の予想のハズレっぷりがひどすぎる!金曜夜の発表はどのポイントをおさえるべきか?」をお読みください。
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今週の注目経済指標
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注目テクニカルレベル(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円)
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(荒地 潤)
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