ドル/円下落、140円割れへ…急速な円安に当局が警戒感
トウシル / 2023年5月31日 9時49分
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ドル/円下落、140円割れへ…急速な円安に当局が警戒感
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは140.70円
↓下値メドは139.35円
景気循環:米経済に通常ビジネスサイクルと新型コロナ関連の2つの異なるサイクルが発生
米雇用市場:パウエル議長「ひっ迫状態続くが、需給のバランスの兆候見られる」
FRB:NY連銀総裁「金融セクターの問題と急速な利上げに関連性はない」
人民元:経済再開で中国人の旅行熱高まる。過去5年で最高
株式市場:著名投資家バフェット氏「台湾TSMC株9割放出は、地政学リスクが理由」
市況
この日のFX市場でドル/円は円安の流れを引き継いでスタートしたが、海外市場では一転円高に動いた。
米国の債務上限問題の解決に楽観的な見方が広がったことで、FOMC(米連邦公開市場委員会)の6月利上げの見方が強まるなかで、米経済の強さと日米金利差を背景としたドル買いに弾みがついた。
しかし、今月1カ月で 133円台半ばから141円台手前まで7.50円近くも円安が進んでいることを懸念した財務省、金融庁、日銀が情報交換会合を開いたことを受けてドル/円は急激に方向転換、139円台まで下落した。
5月30日(火曜)のドル/円は「円高」。
24時間のレンジは139.56円から140.93円。値幅は1.38円。
2023年107営業日目は140.40円からスタート。東京時間夕方に140.93円まで昨年11月以来の高値を更新したが、前日に続きこの日も141円台手前で足踏み。円安を巡る財務省、金融庁、日銀の情報交換会合に新しい内容がなかったことで、いったん140円台半ばまで円安に戻すが結局は円高に向かい、夜遅くに140円を割ると139.56円まで円高に動いた。終値は139.78円(前日比▲0.67円)。
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レジスタンス:
140.93円(05/30)
141.61円(22/11/23)
142.23円(22/11/22)
サポート:
139.56円(05/30)
139.50円(05/26)
1カ月後に開かれるFOMC会合で、利上げをするか、あるいは見送るかは、FRB内部で意見が分かれていることがFOMC議事録で明らかになった。
しかし、 FOMCメンバーに共通する考えは、利上げのペースは今後減速するかもしれないが、終了ではないということだ。6月見送り、7月再利上げという予想が増えている。
もっとも、雇用統計やCPI(消費者物価指数)など、6月FOMC会合までにはまだ重要なデータが控えている。FRB(米連邦準備制度理事会)は金融政策の決定方式は、経済データの結果を踏まえて判断するバックワード・ガイダンス方式だから、これらの結果によっては、方向がガラリと変わることもありえる。
主要指標 終値
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今日の為替ウォーキング
今日の一言
もし私が木を切る時間を8時間与えられたら、そのうち6時間は斧を研ぐのに使うだろう – リンカーン
Get Down Tonight
FRBは、インフレ率を目標値の2.0%まで下げたいと考えている。しかし、インフレを短期間で急激に押し下げようとすると、失業率は4.0%どころか5.5%を超えて上昇するリスクが高い。
利上げが効きすぎて、就業者の伸びがマイナスになった場合、FRB利下げを即断するといわれている。下半期に利下げサイクルが始まるとの予想も根強い。しかし、それほど早く就業者が減少に転じるだろうか。
実際はその反対で、FRBが利上げを続けても雇用市場の過熱はしばらく続くのではないだろうか。米国の労働市場における人手不足の理由のほとんどは新型コロナ感染流行前から存在しているもので、今も改善されるどころか、悪化している。
米労働市場のひっ迫の原因は、経済学というよりも人口学の問題だ。移民を増やしたりして、より多くのプライムエイジ・ワーカーを増やす努力をしなければ、労働供給不足は永遠に解決しない。これは政治の仕事であり、FRBの金融政策では解決できない。
雇用市場の強さはこれからも続き、失業率が急上昇したり就業者が急減したりするような、FRBに政策転換を促すサインが灯ることは当面期待できないことになる。
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今週の注目経済指標
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今日の注目テクニカルレベル
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コーンチャート分析(ドル/円、ユーロ/円)
1時間単位の最大値幅と最小値幅の推移を示したチャート。
今月のドル/円の、1時間の平均変動幅は0.25円。
欧州市場開始時間と米指標発表時間帯は、平均変動幅を超える動きになる傾向があります。
逆に東京市場のランチタイムから15時までは指標発表も少なく、平均値幅を下回ることが多いようです。
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(荒地 潤)
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