「指値(さしね)」「成行(なりゆき)」とは?株の注文方法の使い方。メリットとデメリットを比べてみよう
トウシル / 2023年6月11日 16時0分
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「指値(さしね)」「成行(なりゆき)」とは?株の注文方法の使い方。メリットとデメリットを比べてみよう
※本記事は2017年10月6日に公開したものです。
株式を売買するときの注文方法は2種類
株式を買ったり売ったりしたいときは、買い注文や売り注文を出す必要があります。この注文方法には「指値注文(さしねちゅうもん)」と「成行注文(なりゆきちゅうもん)」の2種類があるのをご存じでしょうか。
株式投資では、この指値注文と成行注文を使いこなすことが非常に重要となります。そこで、今回のコラムでは、2つの注文方法の意味と効果的な使い方について説明していきます。
「指値注文」とは何か?
指値注文とは、買う、もしくは売る値段を自分で指定して注文する方法です。例えば「300円の指値で1,000株の買い注文」とか「500円の指値で2,000株の売り注文」といった使い方をします。
指値注文の特徴は、買い注文であれば指値以下の株価、売り注文であれば指値以上の株価にならなければ、絶対に注文が成立しないという点にあります。
300円の指値で買い注文を出せば、株価が300円以下にならなければ注文は成立しません。また、500円の指値による売り注文は、株価が500円以上にならないと注文は成立しません。
「成行注文」とは何か?
成行注文とは、値段を指定しない注文方法です。「成行で1,000株の買い注文」とか「成行で3,000株の売り注文」といった使い方をします。
取引時間中に成行の買い注文を出すと、そのときに出ている最も低い価格の売り注文に対応して、即座に注文が成立します。同様に成行の売り注文の場合は、最も価格が高い買い注文に対応して、注文が即座に成立することになります。
例えば、現時点での株価が300円、最も価格が低い売り注文が301円で1万株、最も価格が高い買い注文が299円で1万株でている状況を考えてみましょう。
このときに成行で1,000株の買い注文を出すと、301円で買えることになります。成行で1,000株の売り注文を出すと、299円で売れることになります。
ただし、注文が成立するまでの間、株価が変動することもあります。その場合はより高い株価で買ったり、より低い株価で売ったりする可能性も生じます。
指値注文のメリットと注意点
指値注文は、希望した価格で買ったり売ったりできるのがメリットです。その一方で、買い注文の場合は株価が希望した価格以下にならなければ買うことはできませんし、売り注文の場合は希望した価格まで株価が上昇しなければ売ることができません。そのため、売買のチャンスを逃してしまうという危険性があります。
現在600円の株価がついている銘柄を「もう少し下がってから買おう」と550円で指値買い注文を出しても、株価が550円まで下がらず1,000円、2,000円と上昇を続け、せっかくのチャンスを逃してしまうこともあります。
したがって、上昇の初期段階であれば成行注文で買ってしまうのも1つの戦略です。指値注文は「何が何でもこの価格まで株価が下がらなければその株は欲しくない」とか、「今すでに持っている銘柄だけども、250円まで株価が下がったら買い足そう」というときに使うようにしましょう。
売りの場合も同様です。「400円以上でなければ売るつもりはない」というときに400円の指値売り注文を出せばよいのです。
損切りは必ず成行注文で!
そして、損切り(買った株が意に反して下落したとき、損失が大きく膨らむ前に小さな損失のうちに売ってしまうこと)をする場合は、とにかく「売る」ことが最優先となります。400円で買った株が350円まで下がって損切りの対象となったとき、「もう少し待って戻ったら売ろう」と考えて、380円の指値売り注文を出すことは得策ではありません。380円まで株価が戻らずに、300円、200円…と株価がさらに大きく下落してしまうこともあり得るからです。損切りを実行する場合は、必ず成行の売り注文を出すようにしましょう。
成行注文は想定外の株価で注文成立するリスクに注意
成行注文は、注文さえ出せばすぐに買ったり売ったりできる半面、想定外の高い株価で買い注文が成立してしまったり、低い株価で売り注文が成立してしまうこともあります。
特に、日々の売買高が非常に少ない銘柄で成行注文を出すと、現在の株価が300円なのに、350円で買い注文が成立してしまったり、250円で売り注文が成立してしまう、ということもあるので注意しましょう。
また、午前9時から開始する前場、および12時半から開始する後場のそれぞれ取引開始前に成行注文を出した場合、取引開始前に出ている全ての買い・売りの成行注文が成立するように株価がつくことになっています。このため、前日や前場の株価よりかなり高い株価で買い注文が成立したり、かなり低い株価で売り注文が成立してしまうこともあります。
このような事態を避けるためには、成行注文ではなく、ご自身が許容できる最高の価格(買い注文の場合)、もしくは最低の価格(売り注文の場合)で指値注文を出した方が安全です。例えば、現在の株価や前日の株価が400円の場合、420円までなら買ってもよいがそれを超えた価格では買いたくないならば、成行注文ではなく、420円を指値とする買い注文を出すのです。
指値注文と成行注文、2つの違いは「注文の際に価格を指定するかどうか」という点です。購入価格や売却価格を重視したい場合には指値注文を、取引の成立を重視したい場合には成行注文を使うのがポイントです。これに加えて上記のような注意点も踏まえ、2つの注文方法を上手に使い分けてください。
(足立 武志)
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