日経平均反発、過熱感は低下。外国人投資家の買いは続くか?
トウシル / 2023年7月3日 7時45分
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日経平均反発、過熱感は低下。外国人投資家の買いは続くか?
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著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「日経平均、過熱感は低下。外国人投資家の買い、続く?」
日経平均反発、過熱感は低下
先週(6月26~30日)の日経平均株価は先々週6月23日の終値3万2,781円と比較すると、1週間で約407円上昇し、3万3,189円となりました。
日経平均の週次推移:2022年7月4日~2023年6月30日
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/c/1/-/img_c1b80611ef9b52ca0d44ba56a45cd09650705.jpg)
日経平均は3週前(6月12~16日の週)に1週間で1,440円上昇して3万3,706円をつけました。それで10週連続の上昇となり、その時点で13週移動平均線からの上方かい離率が13.3%まで拡大し、テクニカルに過熱【注】シグナルが出ていました。
【注】上方かい離率が10%を超えると経験則から過熱シグナルと見なします。
ところが、先々週(6月19~23日)、日経平均が1週間で924円下がって3万2,781円となり、かい離率が8.7%に縮小したことで、過熱感が低下しました。
先週の日経平均は、過熱感低下を受けて押し目買いが入り、また上昇しました。13週移動平均線の上昇も続いているので、先週末のかい離率は8.6%です。過熱感は薄れた状態が続いています。
参考まで、以下の通り、13週移動平均線からのかい離が+10%を超えると「過熱」、▲10%を下回ると「短期売られ過ぎ」のシグナルと見ます。そこから反転するとは限りませんが、参考シグナルとして見る価値はあります。
日経平均と13週移動平均線からのかい離率:2012年1月4日~2023年6月30日
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/d/9/-/img_d967c06443e4f57b6b704ed63a1b815c77961.jpg)
外国人投資家が日本株を買う理由
日経平均を動かしているのは、外国人投資家です。外国人が買えば上がり、外国人が売れば下がる傾向が、過去30年以上続いています。
年初からの日経平均急騰をけん引したのは、外国人の大量買いです。先々週(6月19~23日)、日経平均が11週ぶりに反落しましたが、それを主導したのも外国人です。外国人は13週ぶりに日本株を売り越しました。売越額は▲2,983億円でした(株式現物と日経平均先物・TOPIX(東証株価指数)先物の合計)。
日経平均と外国人の売買動向(買越または売越額、株式現物と先物の合計):2022年1月4日~2023年6月30日(外国人売買動向は2023年6月23日まで)
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/7/6/-/img_76b9284f5ccdfc6df4800d097f868ebb143630.jpg)
外国人投資家が年初来日本株を大量に買ってきた理由として、世界経済全体の要因と、日本株固有の要因があります。私は、以下の通りと、考えています。
外国人買い:世界経済全体の要因
【1】米景気は今年ソフトランディングの見通し
米国の銀行不安が出て、米景気減速が続いていますが、リーマンショックのような景気後退に陥る可能性は低いと考えています。
【2】米景気、来年に回復の見通し
来年には米景気は回復に向かうと予想しています。半導体やAI(人工知能)開発投資が回復を先導すると予想しています。
今年は半導体不況が続いていますが、来年には半導体ブームが復活すると予想しています。AI(人工知能)開発投資の拡大が半導体需要の拡大につながると考えています。
来年の世界景気についての議論は二分したままで、来年、米景気が一段と悪化するとの予想を述べているエコノミストもいます。私は、その可能性は低くなったと考えています。
外国人買い:日本株固有の要因
今、日本株固有の追い風として私が注目しているのは、以下3点です。
【1】インフレ復活で、名目GDP・企業業績・株価に押し上げ効果
2023年1-3月の名目GDP(国内総生産)は前期比年率8.3%の増加でした。2023年度の名目GDPは4%の成長を予想しています。インフレ・名目GDPの上昇が、日本の企業業績・株価に追い風となります。
日本の名目&実質GDPの四半期成長率(季節調整済、前期比年率):2022年1-3月~2023年1-3月(2次速報)
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/a/5/-/img_a5b49a6be749931c18fee5a6254795da50539.jpg)
【2】リオープンで内需拡大の期待
米国は景気が過熱して深刻なインフレが起こり、今、景気減速局面ですが、日本はリオープンで内需回復期待が出ています。インバウンド(海外からの旅行者の消費)の増加も、消費回復に貢献が期待されています。
【3】自社株買い増加の期待
東証がPBR(株価純資産倍率)1倍割れ企業に、株主価値改善策の開示と実施を要請したことで、今後、日本株で自社株買いが増える期待が出ています。
外国人投資家の買いが、このまま毎週連続するとは考えていません。米利上げへの不安や地政学リスクの不安などで外国人が売り越して、日経平均が短期的に下がることはこれからもあり得ます。ただし、中長期的には、外国人の買いにけん引されて、日経平均は4万円を目指して上昇すると予想しています。
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