7月最大のイベント前に、ドル/円神経質。YCC円高リスク高まる
トウシル / 2023年7月25日 9時52分
7月最大のイベント前に、ドル/円神経質。YCC円高リスク高まる
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは142.05円
↓下値メドは140.70円
FRB:データの過剰依存で政策がますます不透明に。FRBは戦略が欠如しているとの批判。
FRB:インフレを一過性と位置付けた過ちの処理を続けている
FRB:インフレが2%になるまで利下げする考えなし
米中関係:イーロンマスク氏、米中脱同調化を危惧「中国との関係維持が米国にとって重要」
ハンガリー制裁:欧州委員会、ハンガリーへのEU予算の一時停止措置適用
欧インフレ:ビルロア・フランス中銀総裁「フランスのインフレピークは過ぎた可能性」
ECB:スペイン中銀総裁「ECBの政策は漸減主義であるべき」
南ア:SARB「電力平均分配がインフレに影響」
メキシコ:メキシコ中銀、今後の利上げに慎重
市況
今週は、中央銀行の政策会合と米企業の決算ラッシュで忙しい1週間になりそうだ。
26日水曜日(日本時間木曜早朝)はFRB(米連邦準備制度理事会)、木曜日はECB(欧州中央銀行)、金曜日は日銀が政策金利を発表する。FRBとECBは0.25%利上げ実施へ。予定されていた利上げはこれで終了になるが、市場の関心はその後の政策にある。
FRBもECBも今回が利上げサイクルの頂点になると公式に認めることはないだろう。逆に一段の利上げを示唆することも考えられる。日銀は、インフレとインフレ期待が目標を超えて上昇している状況において、YCC政策を引締め方向に調整を加える可能性は残っている。
米企業の第2四半期の決算発表は今週がピークで、グーグル、マイクロソフト、メタをはじめ200社以上が発表を予定している
7月24日(月曜)、週明けのドル/円は、前日比「円高」。24時間の値幅は1.08円。
2023年146営業日目は141.70円からスタート。「日銀は今週の金融政策決定会合で、大規模緩和を維持する方針を固めた」との憶測記事が先週末にドル/円を円安に動かした。金曜日のドル/円は139円台後半から141.95円まで一気に上昇したが、142円台に乗せることはできなかった。週明けの高値も東京時間朝につけた141.83円にとどまった。
海外時間には、欧米の景気指標の悪化を受けてFRBとECBは利上げを終了または休止するとの予想が強まった。夜遅くには141.00円を下回り140.74円まで下げて円高に動いたが140円台は買いも強く、終値は戻して141.50円(前日比▲0.34円)。
市場参加者の多くは、日銀は現状維持と考えているが、一部にはYCC政策の変動幅を拡大方向に調整するとの見方も一部で根強く残っている。日銀が今回の会合で物価見通しを1.8%から2.5%程度まで大幅上方修正するならば、ウルトラ緩和政策の継続と整合性がとれなくなるからだ。そうなった場合には、急激に円高に動くリスクがある。
日銀は物価見通しを引き上げるとしても、このインフレは持続しないから政策変更する必要はないと弁明するだろう。FRBのパウエル議長も、 ECBのラガルド総裁も、2年前は「インフレは一過性」で「予防的に利上げすることはない」と大言壮語していた。欧米のインフレはその後どうなったか?日銀には日本が欧米と同じ道を進まないという根拠を示してほしい。
レジスタンス:
141.83円(07/24)
141.95円(07/21)
143.01円(07/10)
サポート:
140.74円(07/24)
139.74円(07/21)
139.25円(200時間移動平均)
139.11円(07/20)
2023年 騰落表
今日の為替ウォーキング
今日の一言
人生はどちらかです。勇気をもって挑むか、棒にふるか - ヘレン・ケラー
Don't Stop 'Til You Get Enough
FRB(米連邦準備制度理事会)は、7月25日、26日にFOMC(米連邦公開市場委員会)を開催する。FRBが0.25%の利上げを実施する確率はほぼ100%で、完全に織り込まれている。
マーケットの関心は、今回で利上げが終わるのか、それとも6月会合で公表されたドットチャートが示すように次回も利上げがあるのかということだ。FRBの利上げ政策は「どれだけ早く」から「どれだけ高く」へ、そしてこれからは「どれだけ長く」へと重点が移っていく。
1年前の2022年6月のFOMCでFRBは、0.50%の市場予想を超える0.75%の大幅利上げを断行した。それまで中央銀行の1回の利上げ幅の標準は0.25%だったから、まさに大幅利上げであり、止まらないインフレに対するFRBの焦りと苛立ちを印象づけた。
利上げ効果が経済に浸透するまでにはある程度時間が必要だ。FRBは、2022年3月から2023年5月まで10会合連続で利上げを実施した。3月にシリコンバレー銀行(SVC)が破綻した時でさえ休まなかった利上げを、6月の会合でようやく見送った。CPI(消費者物価指数)の低下傾向がはっきりしたこともFRBに一息つく余裕を与えたようだ。
しかし、利上げサイクルが終了したわけではない。パウエルFRB議長は、次回9月の会合も「ライブ」と位置づけ、再利上げの可能性を示唆することになるだろう。とはいえ、FOMCが次回の決定をコミットすることはない。今後の経済データの結果によっては、このまま利上げサイクルがフェードアウトする可能性もあるだろう。
今週の注目経済指標
重要ブレークアウトレベル
タイムゾーン 分析
(荒地 潤)
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