FOMC控えてドル/円は141円。FRBは利上げサイクル終了へ
トウシル / 2023年7月26日 9時46分
FOMC控えてドル/円は141円。FRBは利上げサイクル終了へ
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは141.65
↓下値メドは140.55円
日銀:「予防的利上げは、景気過熱よりリスク大きい」
ADP:統計方法変更後、NFPの予想指標としての精度が低下
米銀行:SVB破綻後、米銀行の融資の伸びが急ストップ
豪ドル:RBAは政策金利5.00%まで利上げ継続か
市況
今夜から週後半にかけては、中央銀行の政策会合と米企業の決算ラッシュで忙しいマーケットになりそうだ。今夜(日本時間27日早朝)はFRB(米連邦準備制度理事会)、木曜日はECB(欧州中央銀行)、そして金曜日は日銀が政策金利を発表する。FRBとECBの0.25%利上げはほぼ確定。予定されていた利上げはこれで終了だが、市場の関心はその後の政策にある。
FRBもECBも今回が利上げサイクルの頂点になると公式に認めることはない。むしろ追加利上げを示唆するタカ派姿勢を強める可能性もある。日銀がYCC政策を引締め方向に調整する可能性はゼロではない。
米国の第2四半期の決算は今日と明日がピークで、金曜までに157社が発表を行う。
7月25日(火曜)のドル/円は、2日連続で前日比「円高」。24時間の値幅は0.87円。
2023年147営業日目は141.43円からスタート。この日は141円台前半でしばらく横ばい取引が続いたが、海外市場に入ると米長期金利の上昇に反応して、夜の初め頃に141.73円まで上昇して高値をつけた。しかし142円にはこの日も届かなかった。
その後はドル売りが優勢になり、明け方に141円を割ると140.85円まで下押しした。終値は140.94円(前日比▲0.56円)。
レジスタンス:
141.73円(07/25)
141.83円(07/24)
141.95円(07/21)
サポート:
140.85円(07/25)
140.74円(07/24)
139.74円(07/21)
今週開催される日銀会合で、日銀は政策の変更なしと市場参加者の多くは考えている。しかし一部にはYCC政策の変動幅を拡大方向に調整するとの予想もある。日銀が今回の会合で物価見通しを1.8%から2.5%程度まで大幅上方修正するならば、ウルトラ緩和政策の継続と整合性がとれないからだ。そうなった場合には、急激に円高に動くリスクがある。
「インフレは持続しないから政策は現状維持で良い」というのが日銀のスタンスだ。もっとも、2年前はFRBのパウエル議長も、ECBのラガルド総裁も「インフレは一過性」で「予防的に利上げすることはない」と大言壮語していた。その結果、欧米のインフレ上昇は手がつけられないほど暴走した。緩和終了を遅らせるほど、いったん始まったときの利上げは急激で大幅になるというのはFRBを見ても明らかだ。
主要指標 終値
今日の為替ウォーキング
今日の一言
「どうして自分を責めるのか?必要なときは他人がちゃんと責めてくれるのだから、いいじゃないですか。」-アインシュタイン
Jailhouse Rock
2023年6月の会合でFOMC(米連邦公開市場委員会)は、主要政策金利であるFF(フェデラルファンド)レートの誘導目標を5.00-5.25%で据え置く一方で、2023年末のFF金利の予想中央値は5.125%から5.625%に引き上げた。FOMC参加者の多くが、年内あと2回の利上げを想定している。
米国の雇用市場は過熱状態が続き、消費者物価指数(CPI)はFRBの目標の2倍以上の水準で高止まっている。パウエルFRB議長は、米経済は高インフレに直面しており、インフレ率を目標の2.0%に戻すためには金利をさらに引き上げる必要があると米議会で証言した。
FOMCは利上げを継続するべき状況だったのに、なぜそうしなかったのか。これはFOMC内部のタカ派とハト派との政治的妥協といわれている。6月に休止するのと引き換えに7月に利上げすることで、両派の顔を立てたのだ。政策的に正しかったのは、6月に利上げして7月に休止することだったかもしれない。
とにかく、7月の利上げは、雇用統計やCPIの結果にかかわらず、決まっていたのだ。マーケットの関心は、FRBが9月に追加利上げをするかどうかということだ。
ECB(欧州中央銀行)は、6月の理事会で0.25%の利上げを決定した。これはECBにとって8会合連続の利上げで、デポ金利は3.25%から3.50%に引き上げられ、22年ぶりの高水準となった。
欧州のコアインフレ率は5.3%。したがってECBが「実質プラス」金利まで引き上げようとするならば、政策金利を5.00%以上にする必要がある。ECBも今月の利上げは確実だ。しかし、9月の利上げに関しては内部で意見が分かれている。利上げの影響で、欧州の景気が急速に悪化しているのだ。
今週の注目経済指標
今日の重要ブレークアウトレベル
過去10日間、過去20日間、過去60日間、過去90日間のそれぞれの高値と安値です。
複数の期間で同じ高値(安値)になっているところは、強いレジスタンス(サポート)の水準です。
コーンチャート分析(ドル/円、ユーロ/円)
1時間単位の最大値幅と最小値幅の推移を示したチャート。
今月のドル/円の、1時間の平均変動幅は0.25円。
欧州市場開始時間と米指標発表時間帯は、平均変動幅を超える動きになる傾向があります。
逆に東京市場のランチタイムから15時までは指標発表も少なく、平均値幅を下回ることが多いようです。
(荒地 潤)
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