ドル/円、来週はいよいよ150円か? その前にいったん調整も
トウシル / 2023年9月8日 9時48分
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ドル/円、来週はいよいよ150円か? その前にいったん調整も
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは147.90円
↓下値メドは146.85円
キーワード:第4次産業革命における成功のキーワードは「適時・適所・適材」
暗い見通し:RBAの豪経済成長見通し「過去30年で最も低い」
英利上げ終了:BOEの利上げサイクルはインフレが十分に低下する前に終了へ
豪利上げ終了:RBA議事録で利上げ終了を示唆
中国不況:中国人海外旅行客、新型コロナ前の水準を回復できず
市況
2023年179営業日目のドル/円は、前日比「円高」。24時間のレンジは147.04円から147.88円。値幅は0.84円。
日本の財務省は今週、しつこい円安に業を煮やして「口先介入」を行った。しかしマーケットにはドル買いのチャンスだったようで、昨日のドル/円は逆に147.88円まで上昇して10ヵ月ぶりの高値(円の安値)を更新した。日銀の委員が「金融緩和を維持することが適当だ」と発言して、円安をあきらめかけたマーケットを勇気づけたこともある。
150円以下で「実弾介入」はない、とマーケットは考えている。つまり、まだ3円くらいの円安余地はあるということだから、落ちたらこれ幸いと買いが入る。円安のスピードは鈍っても、円安が続くことに違いはない。おそらく政府も日銀もこの状況をできるだけ長く続けたいと思っているだろう。
9月7日(木曜)は147.62円からスタート。円売りドル買いの流れで、東京時間の昼前には前日つけた高値(147.82円)を超えて、147.88円まで昨年11月以来の高値を更新した。ただその後は高値圏での利食い先行となって下落した。未明までに147.04円をつけたが、前日の安値147.02円の手前で支えられた。終値は147.29円(前日比▲0.38円)。
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レジスタンス:
147.88円(09/07)
148.40円(22/11/04)
148.45円(22/11/03)
サポート:
147.04円(09/07)
147.02円(09/06)
146.38円(09/05)
146.02円(09/04)
パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は今後の利上げ判断については「経済データを重視する」と繰り返し発言している。BLS(米労働省労働統計局)が先週発表した9月の雇用統計では、非農業部門雇用者数は18.7万人増えたが、直近3カ月の平均は2020年6月以来の低水準にとどまった。求人件数(JOLTS)も予想を下回っている。これらのデータは2年間にわたる熱狂的な雇用ブームが終わりを迎え、雇用市場が新型コロナ前の状態に戻りつつあることを示している。
実際、FRBメンバーからは「これ以上の利上げは必要ない」という弱気な意見もでている。FRBのウォラー理事は、「すぐに何かをする必要があると示すものはない」と述べ、9月の利上げ見送りを支持した。
ところが、この日発表された新規失業保険申請件数は21.6万件となり、4週間連続で減少した。これは労働市場が依然としてタイトな状態であることを示すものだ。ISM非製造業景気指数は、米国のサービス産業の景況感を示すもので、8月は54.1へ上昇した。サービス価格の上昇と雇用拡大も確認されている。これらデータが示唆することは、FRBの利上げはまだ不十分だということだ。今月のFOMC(米連邦公開市場委員会)の決定がますます不透明になる状況で、米連銀総裁のフォワードガイダンス的発言に注目したい。
主要指標 終値
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今日の為替ウォーキング
今日の一言
膨大な負けを無駄にしない人が人より少し勝つことができる
It's Still Rock and Roll to Me
パウエルFRB議長は、ジャクソンホール会合のスピーチで、米国のコアインフレ率がまだ高い水準にとどまっていることに強い懸念を示した。
問題はコアPCE指数の半分を占めるヘルスケア、食品サービス、運輸、宿泊施設などのいわゆる「非住宅サービス部門」で、この部門のインフレ率はFRBの大幅利上げにもかかわらず、ほとんど下がっていない。これは金利感応度が低いせいもあるが、大きな理由は、賃金コスト上昇の影響を強く受けているためだ。
パウエル議長は、家計が支出を抑制する水準まで債務返済コスト(金利)を引き上げることを通じて「総需要と総供給を均衡させる必要がある」と述べた。ところが、非住宅サービス部門のインフレが下がらないなかで、住宅サービス部門のインフレ率が再び上昇し始めた。インフレ再燃はFRBが絶対に防がなくてはならないことで、追加利上げの強い動機となる。
米経済は減速せず、個人消費は増加し、雇用市場は依然として過熱状態にある。FRBは金利を引締め状態まで引き上げたと思っていたが、実際は、単に緩和状態をなくしただけなのかもしれない。つまり中立金利(デフレにもインフレにもならない金利)はより高い水準にあるということであり、FRBが中立金利かどこなのかよく分かっていないことを認めたことになる。
FRBが「インフレ圧力が続く限り、引き締めペースを維持する」姿勢を堅持することに変わりはない。しかし、インフレ率が目標の2%に近づくかどうかは不確実であり、金利水準も中立金利の推計に依存するため、今後の経済指標や当局者の発言に注目する必要があるだろう。
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今週の注目経済指標
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今日の注目テクニカルレベル
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Winners & Losers
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(荒地 潤)
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