好配当利回り株の選び方、減配リスクの低い条件から絞り込む
トウシル / 2023年9月27日 8時0分
![好配当利回り株の選び方、減配リスクの低い条件から絞り込む](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushiru/toushiru_42759_0-small.jpg)
好配当利回り株の選び方、減配リスクの低い条件から絞り込む
株式投資で利回りを稼ぐ
株式投資というと、「値上がり益ねらい」と思い込んでいる人が多いですが、少し発想を転換していただきたいと思います。今の日本株には、安定的に高い配当利回りが期待できる銘柄が増えているからです。
東証の平均配当利回りと長期金利(10年国債利回り)推移:1993年5月~2023年9月(26日)
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/e/d/-/img_ed11275d55ff6cc0272482449730e8b452503.png)
確かに、昔の日本株は配当ではなく値上がりを狙って買うものでした。1993年ころ、東証一部の平均配当利回りは1%もありませんでした。当時、長期金利(新発10年国債利回り)が5%近くあったことを考えると、株の利回りは低すぎて、話になりませんでした。
ところが、その後、長期金利が下がり続ける中で、日本株の利回りは上昇し続けました。【1】株価が下落したことと、【2】日本企業が株主への利益配分を増やすようになったことが、利回り上昇の要因です。
今、長期国債の利回りが低くなり過ぎたため、国債に投資する魅力は乏しくなりました。そこで注目されるのが、日本株の予想配当利回りの高さです。
配当利回りから日本株を見直していい時代に入ってきました。東証プライムの平均配当利回りは9月26日時点で約2.19%ですが、個別銘柄で見ると、日本を代表する大型株で配当利回り3%前後の銘柄が多数あります。大型好配当利回り株から投資していくと良いと思います。
ただし、一つ注意が必要です。株の配当利回りは、確定利回りではありません。業績が悪化して減配になれば、利回りが低下します。株価が大きく下がる可能性もあります。銘柄選択にあたっては、単に予想配当利回りが高い銘柄を選ぶのではなく、長期的に保有して減配になりにくい銘柄を選ぶことが大切です。
9月26日時点で、予想配当利回り3.1%の三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)(株価1,310.0円、1株当たり配当金41円)、同2.8%のNTT(9432)(株価181.3円、1株当たり配当金5円)などが、長期投資に適した好配当利回り株であると私は判断しています。
予想配当利回りの高過ぎる銘柄は要注意:減配リスクを見分けるための5条件
全ての上場銘柄から予想配当利回りが高い銘柄を抽出すると、上位には、予想配当利回り7%以上の銘柄もあります。一見魅力的ですが、ここは注意が必要です。予想配当利回りが高過ぎる銘柄には、減配リスクの高いものが多いからです。
減配リスクが低い好配当の有望銘柄は、予想配当利回りで3~5%の辺りにたくさんあります。それでは、予想配当利回りの高い銘柄から、減配リスクの低い銘柄を選ぶ方法を解説します。条件を具体的に見てみましょう。減配リスクが低い銘柄には、一般的に以下の特色があります。
【1】時価総額が大きい
【2】収益力が良好(経常利益率が高い)
【3】財務が良好(借金が少ない)
【4】景気の影響を受けにくい業種(ディフェンシブ株)
【5】経営者が株主への利益配分に積極的
5条件全てを満たす必要はありません。また、上記の条件を全てチェックするのは大変過ぎます。実際に投資銘柄を選ぶときは、上の条件のうち最上位の条件【1】だけ満たす銘柄を選べば、投資候補として十分です。
以下、覚えておいてください。
<好配当利回り株の選び方>
時価総額1兆円以上から選ぶだけでも良い
予想配当利回りの高い銘柄から、減配リスクの低い銘柄をしぼりこむ時、時価総額が大きい(例えば1兆円超)という条件だけ満たすものを選んでも、まあまあ良い銘柄を選んでいると言えます。
時価総額が1兆円以上の銘柄には、収益力が安定的で財務が良好な銘柄がたくさんあるからです。つまり、【1】だけ満たす(時価総額が大きい)銘柄を選べば、自動的に【2】収益力や、【3】財務でも、まあまあ良い銘柄を選んでいることになります。
【4】と【5】は必須条件ではありません。【4】や【5】にも該当すれば理想的というだけです。
「不況の影響をうけにくい業種から選ぶ」が、条件【4】です。情報通信・医薬品・食品などに、不況の影響を受けにくいディフェンシブ株が多数あります。
一つのバスケットに全ての卵を入れるな
好配当利回り銘柄への投資では、特定銘柄に集中投資すべきではありません。どんな銘柄にも、固有のリスクがあり、減配リスクが低く見えても、減配になって株価が下がることはあり得ます。
1銘柄に集中投資するのは避けた方が良く、また同じ業種の銘柄ばかり買うのも望ましくありません。減配になりにくい性質を持った銘柄で、なるべくたくさんの銘柄・業種に分散投資すべきです。
また、平均分配金利回りが約4%のJ-REIT(ジェイ・リート:国内の不動産投資信託)に分散投資するのも良いと思います。
具体的な投資銘柄については、以下「著者おすすめのバックナンバー」をご参照ください。
▼著者おすすめのバックナンバー
2023年9月14日:[かぶミニ活用]利回り2.9~3.6%、2万円でつくる、PBR1倍割れ「三大割安株」ポートフォリオ
2023年9月13日:平均分配金利回り4.1%!J-REIT(ジェイリート)を資産形成に活用
2023年8月3日:三菱UFJ・三井住友FGの「買い」継続、4-6月決算好調、日銀のYCC修正で収益改善期待
(窪田 真之)
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