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小さいころから投資上手?肝の据わった子供時代 増配株投資家 配当太郎さんインタビュー前編

トウシル / 2023年10月27日 8時0分

小さいころから投資上手?肝の据わった子供時代 増配株投資家 配当太郎さんインタビュー前編

小さいころから投資上手?肝の据わった子供時代 増配株投資家 配当太郎さんインタビュー前編

配当太郎さん プロフィール

 
学生時代に株式投資をはじめ、リーマンショックを経て配当株投資へ移行。大型株を中心に投資し着々と資産を増やす。2023年現在では、保有銘柄の9割が、配当金が年々増える「増配銘柄」で占めている。
Xのフォロワーは約13.1万人(2023年10月現在)
X:@financial1111
Note:配当太郎のミソ
著書『年間100万円の配当金が入ってくる最高の株式投資』は5万部を突破、好評発売中。
『年間100万円の配当金が入ってくる最高の株式投資』
配当太郎/ クロスメディア・パブリッシング/2023年2月1日発売/1,738円(税込)

トウシル:著書を拝読しました! 株式投資というと、一発逆転やテンバガー発掘など、起爆力に期待が集まりがちなのですが、著書全編を通して、配当太郎さんの地に足の着いた投資手法が深く伝わる内容でした!

配当太郎さん(以下敬称略):はい。私の投資手法は、持っているだけで配当金が増える、という「増配銘柄」へ投資し続ける、という着実なものですが、一度ハマると、この「配当沼」から抜け出せないのが特徴です(笑)。

トウシル:増配当銘柄投資に手法が定まるまでにはさまざまな経緯があったのではないかと思います。まずは、投資を始めたきっかけを教えていただけますか?

配当太郎:初めて証券会社に口座を開設したのは2006年夏です。ちょうど、ライブドアショックの直後で、市場がようやく回復してきた頃でした。僕はまだそのころ学生だったんです。

トウシル:えっ! 回復してきたとはいえ、まだ不安定な市場だったはずです。学生の身でよくそんな…。

配当太郎:学生だからこそ、気軽に飛び込めた、というのが本当のところかもしれません。もともと経済ニュースが好きで、ちょうど堀江貴文さんや村上世彰さんなどの動向が大きく報じられていて、それを追っていくと、どうしても株式投資に興味が向いていきました。ネット証券も次々とオープンしていて、僕のような学生でも、投資が気軽に始められる環境が整いつつありました。

トウシル:元手はどうされたんですか?

配当太郎:子供のころからの貯金や学生時代のアルバイトなどで貯めたお金を投入しました。実は僕はちょっと変わっていて、幼少期からお金を貯めたり、どうやったら増えるのかを考えたりするのが好きな子供だったんです。

トウシル:お手伝いをしてお小遣いをもらったりとか?

配当太郎:それももちろんですが、両親、特に母親が僕のことを面白がってくれて、自由に見守りながら、その方面を伸ばしてくれた感があります。例えば、わざと母親が僕から「1万円貸して?」ってお金を借りてくれて、数日後「ありがとう」と言いながら、500円の利子をつけて返してくれるんです。

トウシル:ひゃー。面白いお母さまですね!

配当太郎:はい。家庭内金融業ですね(笑)。

トウシル:例えば、遠足のおやつは200円まで、とかいうルールも、すごくうまく買いそろえたりできたほうですか?

配当太郎:はい(笑)。例えば、自分が食べたいお菓子じゃなくて、人気のあるお菓子をわざと買うんです。お菓子ってだいたい、子供同士での交換が発生しますよね。人気のあるお菓子を買っておけば、多くの相手と交換ができるので、結果的にたくさんのお菓子が手元に入ってくるように考えて買っていました。

トウシル:すごすぎる…。私は、どうしても計算が合わないので、100円のチョコレートを4分の1に割って、25円ということでごまかしたりしてたんですが、その手がありましたか…。

配当太郎:欲しいものができたらどうやって買うのが一番減らないのか、年間どれくらいためたら欲しいものが手に入るのか、を自然と考えてやるような子供でした。 だから、株式投資がブームになってきた頃も、ごく自然に「やってみよう」と思えたんです。当時はまだ未成年なので、親の同意を得て未成年口座を開きました。

トウシル:ご両親も応援してくれたんですね。

配当太郎:相当ハラハラした、とは後で言われました(笑)。でも自分の興味がおもむくままに、自由にやらせてくれて、本当にありがたいと思っています。

トウシル:投資を始めて、数カ月で100万円の利益が上がったと書籍に書いてありましたが、最初に買った銘柄は何ですか?

配当太郎:それが、すみません、本当に覚えていないんです(笑)。もう、始めたばかりで何にも分かっていなかったので、戦略も何もなく、手あたり次第、ただ嗅覚のままに買っては売り、買っては売りした結果がたまたま利益になった、というだけで、まさに「ドンパチ」してたという表現が正しいかも。うまくいったのは、ひとえに「市場の追い風に乗れた」というだけの理由だと、今なら思います。

トウシル:でも、学生にとっては100万円の利益は確かにグッときますね。時給1,000円のバイト×1,000時間ですから。

配当太郎:正直「カンタンだな」と思いました。ただ、その後、痛い目にあうことになります。2年後のリーマンショックです。

トウシル:出た…。主に30代以上の投資家が必ずぶつかる壁ですね…。

配当太郎:はい。投資を始めて2年後くらいです。サブプライムショックくらいから、市場がどんどん崩れていきました。下落の中で短期的に利益を上げたりもしていたんですが、2008年の、米国の緊急経済安定化法の否決が致命的でした。NY株が大暴落し、世界株安へ影響が広がり、一気に空気が変わりました。

トウシル:その時ばかりは痛手を負ったのではないかと思いますが…。

配当太郎:もちろんです。すごいことが起こっている、という自覚はあり、損切りして逃げたりもしたんですが、どんどん含み損がかさんで、利益が全て3分の1くらいまで減りました。

トウシル:かなりショックだったんじゃないですか?

配当太郎:うーん。でも、そんなにろうばいしたりがくぜんとしたりはしていなかったんです。「あー。もとに戻っちゃったなー」とは思っていました。母親からも「なんかすごいねー。大丈夫なのー?」って気楽な調子で電話があったりもしたんですが、そう考えると、親も自分も…なんていうか、肝が据わってましたね(笑)。

トウシル:どうしてそんなに落ち着いていられたんですか?

配当太郎:なんででしょうね…。株式投資は、含み損にはなっても、現実的な借金になることはなかったというか、失うものは特になかったからかな、と思います。良くも悪くも楽観的なので、「あーあ、下がっちゃった。でも、まあなんとかなるか」と…。

トウシル:でも、大負けを、学生時代という、安定した環境とメンタルで経験できたのはよかったのかもしれませんね。致命傷にならない範囲での失敗経験をきちんと踏めたというか。

配当太郎:そうですね。そしてその大負け状態の中でも、経営が安定している企業からの配当だけはしっかり入ってきていたんです。そこで「配当ってすごいな」と思い始めたのが配当投資にシフトチェンジするきっかけになったと思います。

トウシル:配当太郎さんの転機ですね。中編では配当株投資の手法や戦略について伺います!

>>中編「毎年入ってくる配当金があると安心感が違う! 増配株投資家 配当太郎さんインタビュー中編」
>>後編「実況、優良増配当銘柄の探し方!増配株投資家 配当太郎さんインタビュー後編」

(トウシル編集チーム)

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