投資家タイプ別、自分にぴったりの投資対象の見つけ方
トウシル / 2023年10月28日 8時0分
投資家タイプ別、自分にぴったりの投資対象の見つけ方
今日から、新連載「クイズでわかる!資産形成」を執筆する窪田真之です。今日が初回です。毎週土曜日に掲載されます。「資産形成を始めたいけど何からしていいか分からない」方に、ぜひお読みいただきたい内容です。
毎回一つクイズを解いてもらいます。クイズの解答を見ながら、資産形成に必要な知識を一歩一歩身に付けていってください。
はじめに:お金の問題にきちんと向き合おう
日本人の金融教育は、欧米と比べて遅れていると思います。子どもに、お金について学ばせる習慣があまりないからです。子どもにお金の話をするのは良くないこととする風潮もあり。そのため中高年になっても、お金について人生設計ができない方がいます。そこにつけ込んで、老後の不安をあおりつつ高額な手数料を取るビジネスがはやります。
それではいけないと、今、日本で急速に金融教育が盛り上がりつつあります。高校の授業に「投資」が取り入れられるなど、若いころから投資を学ぶことの大切さが意識されるようになりました。「お金」の問題に、若いうちからきちんと向き合うのは良いことだと思います。
今日のクイズ
それでは、さっそく今日のクイズを出します。「年利回り10%が期待できる金融商品は買いか」考えるクイズです。
<クイズ>以下の投資信託Aと投信B、あなたにとって良い投信は、どちらですか?
4年後に、投信Aは40%上昇しています。年平均10%とすごく高いリターンです。
投信Bは、4年後に10%上昇しています。年平均2.5%のリターンです。10年国債(固定利付債)の利回りが0.86%の時に、これもなかなか良いリターンといえます。
未来のことが分かってしまうならば、投信Aの方が、明らかに良い投信です。ところが、現実には、未来のことは分かりません。もし、未来のことが分からないまま「年率10%の利回りが期待される」と勧められて、投信Aを皆さまが買ったとしたら、その後どうなるか考えてください。
投資家タイプによって、取るべき投資行動は異なる
投資家にはいろいろなタイプがあります。極めておおざっぱに二つのタイプに分けると以下の通り。
<タイプA>投資対象が急騰急落しても冷静さを失うことなく、リスクに適正に対処できる投資家
<タイプB>投資対象が急騰急落すると、欲望や恐怖にとらわれて不適切な行動を取る投資家
皆さまは、どちらのタイプでしょうか?
タイプBの投資家が、投信Aを買うと、こうなります。
タイプBの投資家は、投信Aが急騰した時に「簡単にもうかる」と欲望にとらわれて買い増ししてしまいます。投信Aが急落した時は、恐怖にとらわれて売ってしまいます。その結果、4年間じっと持っていればもうかったのに、大損してしまいます。
一方、タイプAの投資家が、投信Aを買うと、こうなります。
皆さまは、どういうタイプの投資家ですか? タイプA、タイプBはやや極端な類型です。実際には、ほとんどの方がタイプAとBの中間だと思います。時にタイプAのようになり、時にタイプBのようになるのが、もっとも普通の投資家だと思います。
正解は一つではない。投資家のタイプ、投資の仕方によって異なる
投信AとB、どちらがあなたにふさわしいか、解答を述べます。
以下は、全て正解です。
- あなたがタイプAならば、投信Aが正解です。
- あなたがタイプBならば、投信Bが正解です。ただし、投資の仕方によってはタイプBでも投信Aが正解になることがあります。
- タイプBでも、毎月一定額(例えば1万円)積み立てで投資していくならば、投信Aが正解です。
- タイプBでも、投信Aと投信Bに分散投資すれば、うまくいくこともあります。例えば、「投信Aに4分の1、投信Bに4分の3」投資するならば、欲望や恐怖にとらわれることなく長期投資できるかもしれません。
不正解は、タイプBの投資家が、分散投資せず、積み立てもしないで、投信Aだけに投資することです。
米国株は長期的に大きく上昇しています。日本株も、バブル後は、しっかり上昇しています。それでも「株を売買していて損ばかり」という人は、タイプBの投資家かもしれません。「自分はタイプBかも」と思う方は、下手にうまく投資しようとせず、投資の王道「長期・分散・積み立て」投資をしっかりやっていくことが、長期的に投資で成功するカギとなります。
(窪田 真之)
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